NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 86-30-6
名称 N-ニトロソジフェニルアミン
物質ID m-nite-86-30-6_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団 (N-O) を含み、酸素収支の計算値が-200以下 (-218) であるが、300~500℃での発熱分解エネルギーが500 J/g超 (650 J/g, Bretherick(J) (5th, 1998)) であるので、データ不足により分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - 可燃性であるが (ICSC (2003))、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 分類できない
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-
- - 爆発性に関連する原子団(N-O)を含むニトロソ化合物であるが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
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- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (N) と結合しているが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、3,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、IARC 27 (1982)、ATSDR (1993)、NTP TR164 (1979)) の報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。なお、旧分類で用いていたCERIハザードデータ集 (1998) は、List 3の文献であるため、分類には使用しなかった。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - ウサギのLD50値 > 7,940 mg/kg (環境省リスク評価第4巻 (2005)) の報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。なお、旧分類で用いていたCERIハザードデータ集 (1998) は、List 3の文献であるため、分類には使用しなかった。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
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-
- - データ不足のため分類できない。なお、ウサギの皮膚刺激性試験において刺激性なしとの記述があるが、詳細は不明である (環境省リスク評価第4巻 (2005))。また、旧分類ではATSDR (1993) の情報を採用していたが、ATSDRには不十分な試験との記載があることから、本分類では採用しなかった。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギの眼刺激性試験において、軽度の眼刺激性が認められたとの報告から (環境省リスク評価第4巻 (2005))、区分2Bとした。なお、旧分類で用いていたCERIハザードデータ集 (1998) は、List 3の文献であるため、分類には使用しなかった。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験、ラット肝臓のDNA傷害試験で陰性 (ATSDR (1993)、環境省リスク評価第4巻 (2005)) である。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、陽性の結果、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性、マウスリンフォーマ試験で陰性、陽性の結果、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性、陽性の結果である (NTP DB (Access on October 2016)、ATSDR (1993)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、IARC 27 (1982))。なお、旧分類で用いていたCERIハザードデータ集 (1998) は、List 3の文献であるため、分類には使用しなかった。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラット、マウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験において、マウスには発がん性の証拠は示されなかったが、ラットでは雌雄とも高用量群で膀胱移行上皮細胞がんの頻度の増加が認められた (IARC 27 (1982)、IRIS (1987))。IARCは実験動物で限定的な証拠があるが、ヒトのデータが不十分なため、分類はグループ3とした (IARC Suppl. 7 (1987))。一方、EPAはラットの膀胱がんに加えて、雄マウスに単回皮下投与した試験における細網肉腫の頻度増加と発がん性物質ニトロソアミンとの構造相関 (IRIS (1987)) に基づき、B2 (区分1B相当) に分類した (IRIS (1987))。以上、両機関による分類結果が異なり、本物質がN-ニトロソ化合物であることから区分1Bの可能性もあるが、実験動物1種のみの発がん性結果を踏まえ、本項は区分2が妥当と判断した。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2 (全身毒性)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
本物質のヒトでの単回ばく露のデータはない。実験動物ではラットの単回経口投与試験で、区分2相当の1,825 mg/kgで摂餌量の低下、自発運動の低下、衰弱、振戦、虚脱を示して死亡したとの記載 (環境省リスク評価第4巻 (2005)) がある。これらの症状から標的臓器を特定できないため、区分2 (全身毒性) とした。なお、旧分類で用いていたCERIハザードデータ集 (1998) は、List 3の資料であるため、使用しなかった。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (膀胱)


警告
H373 P260
P314
P501
ヒトについては本物質の影響を特定できる情報はなかった。
実験動物については、ラット、マウスを用いた混餌投与による発がん性試験が実施されている。ラットでは、区分2相当である50 mg/kg/dayで膀胱移行上皮細胞の過形成が認められ、マウスでは、区分2を超える用量である雄の1,300 mg/kg/day以上、雌で301 mg/kg/day以上で膀胱の上皮の過形成、粘膜下組織の慢性炎症が認められた (NTP TR164 (1979)、環境省リスク評価第4巻 (2005))。
したがって、区分2 (膀胱) とした。
なお、旧分類で区分2 (呼吸器、肝臓、腎臓) の根拠としたデータは、ウサギの試験であり、環境省リスク評価第4巻 (2005) には詳細の不明な試験との記載があることから採用しなかった。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間LC50 = 7.8 mg/L(環境省リスク評価第2巻, 2003、環境省リスク評価第4巻, 2005)であることから、区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 1980))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(繁殖) = 0.075 mg/L(環境庁生態影響試験, 1996、環境省リスク評価第2巻, 2003、環境省リスク評価第4巻, 2005)であることから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 1980))、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 10.2 mg/L(環境庁生態影響試験, 1996、環境省リスク評価第2巻, 2003、環境省リスク評価第4巻, 2005)であることから、区分3となる。
以上の結果から、区分1とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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