NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 88-73-3
名称 オルト‐ニトロクロロベンゼン
物質ID m-nite-88-73-3_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない
-
-
- - 分子内に爆発性の原子団(N-O)を含むが、国連危険物輸送勧告が(国連番号1578)クラス6.1であることから火薬類ではないので「区分外」とした。なお、酸素収支の計算値が-121である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団(ニトロ基)を含むが、他にデータがなく、分類できないとした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火温度が487℃(ICSC(J), 2002)であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 塩素を含んでいるが、これらの元素が炭素以外の元素と化学結合していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため分類できない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットLD50値144, 251, 263, 550 mg/kg bw(SIDS(2001))、270, 510 mg/kg bw(DFGOT vol.4(1992))、219, 457 mg/kg bw(BUA Report No.2(1985))のデータが8件あるが、区分3が5件、区分4が3件であることから最も区分の多い区分3とした。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ラットLD50値655、1320 mg/kg bw(SIDS(2001))は区分3と区分4に該当するが、より危険性の高い区分3とした。


平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
ラットLC50値495ppm(vapor/aerosol mixture)(換算値3.18 mg/L)(SIDS(2001))に基づき、区分3とした。
なお、試験は蒸気/エアロゾル混合で実施との記載があるが、蒸気圧0.4mmHg(25℃)(NTP TOX No.33(1993))から本物質の飽和蒸気圧濃度は526ppm(3.39 mg/L)であり、試験濃度(495ppm)は90%飽和蒸気圧濃度(473ppm)との間にあるため、ミストが混在している蒸気と推定した。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、1つの試験で軽度の刺激性を示し、別の2試験で刺激性を示さなかったが、物質の投与方法が特殊であるため、「これらの研究は皮膚刺激性の証拠を与えない」(SIDS(2001))と結論づけていることより、データ不足で分類できないとした。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた眼刺激性試験で、「投与後1時間ではウサギ6匹中6匹の眼に軽度の結膜充血(score1-2/0-3)があったが24時間後には何の刺激も観察されなかった(SIDS(2001))」との報告があり、また別の試験では、「ウサギ2匹中1匹の眼に軽度の発赤(score1/3)が観察されたが24時間以内に消失し7日後には角膜に何の刺激の痕跡も観察されなかった(SIDS(2001))」との報告があることより、区分2Bとした。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - ラットに5ヵ月間吸入曝露させた試験で感作性は陽性(SIDS(2001))との報告があるが、試験の詳細が不明であり、データ不足で分類できないとした。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
なお、モルモットを用いた試験(modified Freunds complete adjuvant test)で陽性(SIDS(2001))との報告があるが、「限られた質の悪い情報からは、皮膚感作性の有無を結論できない」(SIDS(2001))と評価されている。


平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo変異原性試験の結果がなく分類できない。
なお、in vivo遺伝毒性試験である、マウスを用いたDNA損傷試験(アルカリ溶出試験)(腹腔内投与)では陽性(肝臓、腎臓)(SIDS(2001))である。in vitro変異原性試験で、ハムスター卵巣細胞を用いた染色体異常試験および姉妹染色分体交換試験ではS9有りで弱い陽性(NTP TOX No.33(1993))であるが、別のハムスター卵巣細胞を用いた染色体異常試験ではS9の有無に関わらず陰性(SIDS(2001))である。なお、複数のAmes試験において陰性あるいは陽性(IARC vol.65(1996))であり変異原性は明確でない。参考としてSIDS(2001)では、「少なくとも弱い染色体切断物質として遺伝毒性があると疑われる」と結論づけている。


平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、動物種2種に悪性腫瘍を含む明らかな発がん性の証拠が認められたこと、および(3)より健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質であることを重視し、区分1Bとした。旧分類からIARCの分類が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)ラットに混餌投与による2年間がん原性試験において、雌雄いずれにも肝臓腫瘍(肝細胞腺腫及び肝細胞がん)の発生増加がみられた(厚労省委託がん原性試験結果 (2006)、IARC 123 (2020))。
(2)マウスに混餌投与による2年間がん原性試験において、雌雄いずれにも肝臓腫瘍(肝細胞腺腫及び肝細胞がん、肝芽腫)の発生増加がみられた(厚労省委託がん原性試験結果 (2006)、IARC 123 (2020))。
(3)本物質は厚生労働省化学物質による健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質である(令和2年2月7日付け健康障害を防止するための指針公示第27号)。
(4)国内外の評価機関による発がん性分類として、IARCでは(2)(3)のデータを踏まえて従来のグループ3(IARC 123 (2020))からグループ2Bに変更した(IARC 123 (2020))。その他、日本産業衛生学会では第2群B(許容濃度等の勧告 (2020):2019年分類)、DFGではCategory 3(DFG MAK (2020))に分類している。

【参考データ等】
(5)ラット及びマウスの78週間混餌投与試験で、ラットに複数の臓器の腫瘍増加、マウスに肝細胞がんの増加が示唆された(SIDS (2004)、IARC 65 (1996)、環境省リスク評価第15巻 (2017))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた13週の吸入慢性毒性試験で、動物は死亡しない高用量(18ppm)で、雄の精巣上体の重量、精子細胞数の減少が報告されている。雌では有意な影響がみられなかった(NTPTOXNo.33(1993))。同様のマウスを用いた13週の吸入慢性毒性試験で、動物の死亡(10匹中2匹)を含む最高用量(18ppm)及び全用量(4.5、9、18ppm)で、雄の精子運動性の減少が報告されている。雌では有意な影響がみられなかった(NTPTOXNo.33(1993))。以上の報告より、分類できないとした。なお、マウスを用いた連続繁殖試験(雌雄マウスに交配前7日間及び交配中98日間、3用量を強制経口投与)で、仔体重は低いものの、受胎能への影響は見られなかった(NTPTOXNo.33(1993))。ほかにも、妊娠中雌ラットへの経口投与試験で、投与群と対照群との奇形仔数の違いはなく、発生毒性は確認されていないが、SIDSでは生殖毒性の可能性があるとしている(SIDS(2001))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - データなし。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液、肝臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ラットを用いた13週の吸入慢性毒性試験(蒸気)で、ガイダンス値の区分1に相当する1.1~18ppm(換算値0.007~0.12 mg/L)の用量で、メトヘモグロビン濃度の増加が報告されている(NTP TOX No.33(1993))。また、マウスを用いた13週の吸入慢性毒性試験(蒸気)で、ガイダンス値の区分1に相当する18ppm(換算値0.12 mg/L)の用量で、肝臓障害(肝細胞壊死、鉱化作用、慢性炎症、肝巨大細胞)および脾臓の髄外造血亢進が報告されている(NTP TOX No.33(1993))ことより、区分1(血液、肝臓)とした。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=21.3 mg/L(SIDS, 2001)であるから、区分3とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存点検, 1977))ことから、区分3とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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