NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 91-15-6
名称 オルト-フタロジニトリル
物質ID m-nite-91-15-6_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関わる原子団を含まない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性または自己反応性に関連する原子団を含まない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が>580℃(ICSC(Oct. 2004))という記述があり、常温では発火しないと考えられる。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 酸素、フッ素および塩素を含まない有機化合物である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットLD50値として異なる3件のデータ[85 mg/kg(厚労省報告(Access on Jun. 2009))、125 mg/kg、30 mg/kg(以上SIDS(2001))]の中で、OECDガイドライン(TG401)とGLPに準拠し信頼性が高いとされる 85 mg/kgに基づき区分3とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 低粉塵下の飽和濃度(saturated vapour atmosphere with low dust formation)で試験が実施されている(SIDS(2001))が、LC50が測定されていない(SIDS(2001))ため分類できない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
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- - ウサギの皮膚に50%乳濁液を1分~20時間適用した試験で、「刺激性なし」との結果(SIDS(2001))に基づき区分外とした。なお、ヒトの前腕内側に1%あるいは10%液を24時間適用により「刺激性なし」との報告(IUCLID(2000))があり、その一方で刺激性を示したとの情報(SIDS(2001))もあるが、SIDS(2001)では最終的に「刺激性なし(not irritating)」と結論付けており、元文献の報告年も古いため採用しなかった。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギの眼に無希釈の試験物質(容積0.1 mL)を適用し、「刺激性なし」との結果(SIDS(2001))に基づき区分外とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - マウスの経口投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞を用いるin vivo変異原性試験)で、陰性報告(SIDS(2001))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験のエームス試験で陰性(厚労省報告(Access on Jun. 2009))、チャイニーズハムスターV79細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性(SIDS(2001))、チャイニーズハムスターCHL細胞を用いた染色体異常試験で陽性(SIDS(2001))の結果がそれぞれ報告されている。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、ラットおよびマウスに対する経口、経皮または皮下投与による試験で腫瘍発生が観察されたが、対照群の腫瘍発生率および背景対照について記載がなく、信頼性に欠けると報告されている(SIDS(2001))。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(0, 1, 6, 30 mg/kg/day)の結果、高用量(30 mg/kg)では妊娠末期に全例が死亡したが、各用量とも親動物の性機能および生殖能に悪影響は見られず、かつ、新生児の一般状態、生存率、外表などにも被験物質に起因する変化は認められていない(厚労省報告(Access on Jun. 2009))。しかし、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響に関してはデータ不十分であり、「分類できない」とした。
平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ラットを用いた経口投与試験の結果、雌雄ともに区分1に相当する60 mg/kg以上の用量で死亡が発生し、痙攣、口周囲の汚れ、自発運動の低下、歩行異常、腹臥位、異常発声、挙尾およびチアノーゼが認められた(厚労省報告(Access on Jun. 2009))こと、および本物質の主要な影響は神経毒性であり(SIDS(2001))、中枢神経系への影響が顕著であるとの記載(SIDS(2001))に基づき、区分1(中枢神経系)とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系)、区分2(精巣、眼)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
フタロジニトリル製造工場の労働者20人中10人が数ヵ月~2年の職業ばく露により、突発的意識障害を呈し、発作時に間代性痙攣と徐脈、一過性の逆行性健忘症が見られたとの報告(産業中毒便覧 第2版(1994):元文献:上田 久,横浜医学, 11(1961))、およびフタロジニトリル作業に従事する作業者32人中3人に作業開始後3~8ヵ月に突然の痙攣を伴う意識障害が現れたとの報告(産業中毒便覧 第2版(1994):元文献:労働省安全衛生部労働衛生課,労働衛生,6(1965))もあり、区分1(神経系)とした。ラットの反復経口毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422:GLP)において、高用量(30 mg/kg/day)群の雌が妊娠19~23日に痙攣を起こし全例が死亡したことからも神経系への影響が示唆されるが、この試験ではさらに同用量の雄で肝臓の小葉中心性肝細胞肥大、腎臓の近位尿細管上皮における硝子滴沈着と好塩基性尿細管、精巣の精細管萎縮に伴い精巣上体管腔内に細胞残屑出現と精子の減少が認められた(厚労省報告(Access on Jun. 2009))。また、ラットの13週間混餌投与試験(OECD TG 408、US EPA guideline)では、約10 mg/kg/day相当以上の用量の雄で腎尿細管の硝子滴形成に加え、投与4週目では認められなかった水晶体混濁(白内障)が雌雄ともに13週目に観察された(SIDS(2001))。以上の結果より、反復経口毒性・生殖発生毒性併合試験(44日間投与)の30 mg/kg/day(90日換算用量14.7 mg/kg/day)において精巣への影響、13週間混餌投与試験の10 mg/kg/day以上の用量において白内障が認められたことから、区分2(精巣、眼)とした。なお、肝細胞肥大については試験物質による酵素誘導を示唆する変化の可能性があり(厚労省報告(Access on Jun. 2009))、腎臓の所見は雄ラット特有のα2μグロブリン腎症に類似した変化で、種特異的病変と考えられている(厚労省報告(Access on Jun. 2009))ので、いずれも分類の根拠としなかった。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
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-
H402 P273
P501
魚類(ヒメダカ)の96時間LC50=22.6mg/L(SIDS、2003)から、区分3とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(BODによる分解度:3.3%(既存点検, 1981))ことから、区分3とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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