NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 91-20-3
名称 ナフタレン
物質ID m-nite-91-20-3_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分2


警告
H228 P370+P378
P210
P240
P241
P280
UNRTDG(UN1334)クラス4.1 PGIIIに分類されている。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が526℃(NFPA(13th, 2006))であり、70℃超である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に酸素、フッ素または塩素原子を含んでいない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
8件のラットLD50値:490 mg/kg(PATTY(5th, 2001))、約1800 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))、1780 mg/kg(DFGOT vol.11(1998))、9430 mg/kg(DFGOT vol.11(1998)、NTP TR500(2000))、1110 mg/kg(DFGOT vol.11(1998)、NTP TR500(2000))、2300 mg/kg(EU RAR(2003))、>2000 mg/kg(EU RAR(2003))、2600 mg/kg(ATSDR(2003))のうち、区分4と区分外が各ー4件と同数であるため、危険性の高い区分を採用し区分4とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - ラットLD50値:>2500 mg/kg(NTP TR500(2000))、ウサギLD50値:>2000 mg/kg(EU RAR(2003))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準で区分5または区分外)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - ラットLC50:> 0.5 mg/L/8h = 0.7 mg/L/4h(NTP TR500(2000))のみで、区分を特定するにはデータ不足であるため、分類できないとした。0.5 mg/Lは飽和蒸気圧濃度(0.571 mg/L)の90%以下のため蒸気と判断した。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギ6匹に4時間適用した試験で、3匹にごく軽度~明確な紅斑、3匹に軽度の皮膚割れが見られたが、浮腫は全く認めなかった。適用6日後にはすべてのスコアがゼロとなった(EU RAR(2003))。また、別のウサギ6匹を用いた試験で、24時間後の紅斑または浮腫のスコア値がそれぞれ1~2または0~2であり、72時間後には回復傾向がみられ、軽度の刺激性(slightly irritating)と報告されている(EU RAR(2003))。これらの結果に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた試験の結果として弱い一時的刺激性(weak transient irritation)と記述されている(DFGOT vol.11(1998))。また、ウサギに適用後2日目に6匹中1匹に軽度の虹彩炎、5匹に軽微な結膜発赤、2匹に軽度の結膜浮腫、角膜の異常はなく、全体のスコアは1.6で刺激性なし(non-irritant)と報告され(EU RAR(2003))、別の試験では7日以内に回復する軽度の刺激(mild ocular irritation)との報告(ATSDR(2003))もある。以上の報告に基づき区分2Bとした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
ヒトで急性皮膚炎を再発する43歳の患者および皮膚疾患のため検査を受けた患者598人中1人がそれぞれ皮内テストで陽性反応を示したとの報告があり(DFGOT vol.11(1998))、また、ナフタレンに対するアレルギーの頻度は0.13%であるとの報告(DFGOT vol.11(1998))があることにより区分1とした。なお、モルモットを用いた2種の皮膚感作性試験(Buehler testおよびMaximization test)ではいずれも陽性率0%で陰性の結果が報告された(EU RAR(2003))が、両試験とも試験実施上で不備があるため、明確な結論を得るには疑問があるとしている(EU RAR(2003))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - マウスの経口投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)(DFGOT vol.11(1998)、EU RAR(2003)、IARC 82(2002)、IRIS(1998)、ATSDR(2003))で陰性の結果に基づき区分外とした。
なお、in vitro変異原性試験としてほ乳類培養細胞を用いる遺伝子突然変異試験で陰性(IARC 82(2002)、ATSDR(2003))、ほ乳類培養細胞を用いる小核試験で陽性(IARC 82(2002)、NTP TR 500(2000))、ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験で陽性(ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol.11(1998)、IRIS(1998)、ATSDR(2003)、EU RAR(2003)、IARC 82(2002)、NTP DB(Access on 5 2009))、Ames試験で陰性(ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol.11(1998)、EU RAR(2003)、IARC 82(2002)、ATSDR(2003)、IRIS(1998)、NTP TR 500(2000)、NTP DB(1987))の報告がある。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
IARCでグループ2B(IARC 82(2002))に分類されていることから区分2とした。なお、ACGIHでA4(ACGIH(7th, 2001))、EPA(1998)でCBD(IRIS(2005))、EUでカテゴリー3(EU-Annex I(2005))、DFGで2(MAK/BAT(2004))、NTPでR(NITE総合検索(2009))に分類されている。なお、ラットの2年間吸入ばく露による発がん性試験において、雌雄で呼吸器上皮腺腫と嗅覚上皮の繊維芽細胞腫の発生頻度の増加が認められ(NTP TR No.500(2000))、マウスの2年間吸入ばく露による発がん性試験では、雌で肺胞性及び細気管支腺腫の発生頻度の増加が認められたが、雄では腫瘍の発生増加はなかった(NTP TR No.410(1992))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットの妊娠期間または器官形成期に経口投与した試験で、母動物の体重減少と餌と水の消費量に変化がある用量で仔動物に悪影響は見られず(NTP DB(1991))、またウサギの器官形成期に経口投与した試験で、母動物に一般毒性が見られる用量で仔の発生に影響は見られなかった(EU RAR(2003))との報告があるが、親動物の性機能・生殖能に対する影響については報告がないことからデータ不足で分類できないとした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液、眼、気道)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ヒトへの影響で溶血性貧血が認められたとの複数の報告(ACGIH (7th, 2001)、EU-RAR (2003)、NTP TR500 (2000)、ATSDR (2003))があることから、区分1(血液)とした。また、ヒトで経口摂取により白内障発症の報告例(DFGOT vol.11 (1998))があり、かつ動物試験でウサギに経口投与(1000~3000 mg/kg)による所見として、白内障(ACGIH (7th, 2001))および角膜混濁(DFGOT vol.11 (1998))の記載があることから、区分1(眼)とした。さらに、気道に対する同様な影響はマウスに0.1~0.35mg/Lを4時間吸入ばく露した場合にも認められている(DFGOT vol.11 (1998)、IARC 82(2002)、EHC 202 (1998))ことにより、区分(気道)とした。なお、マウスを用いた経口投与試験において、区分2のガイダンス値内(400mg/kg)で、気道支上皮に肥厚、空胞化、剥離、壊死などの傷害が見られ、特にクララ細胞で特異的であった。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液、眼、呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトへの影響で反復吸入暴露により溶血性貧血が認められたとの記述(DFGOT vol.11(1998)、EU-RAR(2003))、職業吸入暴露例において角膜潰瘍、白内障が認められたとの複数の記述(ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol.11(1998)、EU-RAR(2003)、NTP TR500(2000))から区分1(血液、眼)とした。一方、動物試験ではラットに13週間吸入投与した試験(蒸気:6時間/日)で58ppm/day(0.3 mg/L/day)の暴露で嗅上皮の基底細胞に過形成が見られた(EU RAR(2003))との報告があり、またラット及びマウスを用いた2年間の吸入暴露試験(蒸気:6時間/日)で、10~30ppm/day(0.052~0.16 mg/L/day)で鼻腔及び気道で上皮組織の過形成が両種共通で見られ、マウスでは肺の慢性的な炎症が認められた(NTP TR 410(1992):NTP TR 500(2000))ことから区分1(呼吸器)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(ニジマス)での96時間LC50 = 770μg/L(EHC 202, 1998)であることから、区分1とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BODによる分解度:2%(既存点検, 1979))ことから、区分1とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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