NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 950-37-8
名称 ジチオりん酸S-(2,3-ジヒドロ-5-メトキシ-2-オキソ-1,3,4-チアジアゾール-3-イル)メチル-O,O-ジメチル(別名:メチダチオン又はDMTP)
物質ID m-nite-950-37-8_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、低融点物質であり、引火点100℃(ICSC(2006))との情報がある。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 約150℃から分解(水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料(2010))との情報より、約150℃まで分解しないと推定でき、常温で発火しないと考えられる。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 半金属(P)を含むが、水溶解度は240 mg/L(GESTIS(Accessed Aug. 2021))との測定データが得られており、水と急激な反応をしないと考えられる。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素(P)と結合しているが、データがなく分類できない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が55℃以下の物質であるが、データがなく分類できない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分2


危険
H300 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(5)より、区分2とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:12 mg/kg(EPA Pesticides RED (2006))
(2)ラットのLD50:26 mg/kg(JMPR (1992))
(3)別のラットのLD50:26 mg/kg(JMPR (1992))
(4)ラットのLD50:43.8 mg/kg(JMPR (1992))
(5)ラットのLD50:25~54 mg/kgの間(EHC 63 (1986))
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、区分3とした。新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:297 mg/kg(JMPR (1992))


令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分4とした。新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):3.6 mg/L(HSDB in PubChem (Accessed Aug. 2021)))
(2)ラットのLC50(1時間):19 mg/L (4時間換算値:4.75 mg/L)(Patty (2012)、HSDB in PubChem (Accessed Aug. 2021)))


令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、ガイダンスに従い、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)本物質は皮膚刺激性物質ではない(EPA Pesticides RED (2006))。
(2)本物質はウサギに対して皮膚刺激性を示さない(Patty (6th, 2012))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1)、(2)より、ガイダンスに従い、区分2Bとした。なお、新たな知見に基づき、区分を変更した。

【根拠データ】
(1)本物質は軽度の眼刺激性物質(Mild)であるとの報告がある(EPA Pesticides RED (2006))。
(2)ウサギに対して軽度の眼刺激性(Mild)を示したとの報告がある(Patty (6th, 2012))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、ガイダンスに従い、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)本物質は皮膚感作性物質ではない(EPA Pesticides RED (2006))。
(2)本物質はモルモットに対して皮膚感作性を示さなかった(Patty (6th, 2012))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、マウスを用いた優性致死試験、及びマウスの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換(SCE)試験で陰性の報告がある(JMPR (1992)、Patty (6th, 2012))。
(2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験で陰性(JMPR (1992))、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験ならびにDNA修復試験で陰性であった(JMPR (1992))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)の既存分類結果、並びに(2)及び(3)の試験結果から1種片性(雄マウス)のみの発がん性の証拠に基づき、区分2とした。なお、新たな情報源を用いて分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)国内外の評価機関による既存分類結果として、EPAでグループC(Possible Human Carcinogen:区分2相当)に分類された(EPA OPP Annual Cancer Report 2020 (Accessed August 2021): 1988年分類)。
(2)マウスを用いた23ヵ月間混餌投与(3~100 ppm)による発がん性試験では、雄の50 ppm以上の投与群で肝臓腫瘍(肝細胞腺腫・肝細胞がん・腺腫とがんの組合せ)の発生頻度に統計的に有意、かつ背景データの範囲を上回る増加が認められ、発がん性の証拠と考えられた。しかし、雌にはいずれの臓器にも腫瘍の発生増加は認められなかった(JMPR (1992)、Patty (6th, 2012))。
(3)ラットを用いた2年間混餌投与(4~100 ppm)による発がん性試験では、雌雄いずれも発がん性の証拠は認められなかった(JMPR (1992)、Patty (6th, 2012))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 区分2、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分


警告
H361
H362
P308+P313
P201
P202
P260
P263
P264
P270
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2とし、授乳影響を追加した。なお、旧分類で用いられた親動物への影響がみられる用量での交尾率低下など(農薬登録申請書類 (1987))の情報は登録失効のため利用することができず、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による三世代生殖毒性試験において、32 ppmでF1~F3児動物に離乳時の生存児数減少、F3児の離乳時に肝臓重量の軽度増加がみられたとの報告がある。なお、親動物の一般毒性影響は不明である(Lobdell & Johnston (1966)、JMPR (1992)、Patty (6th, 2012))。
(2)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験において、25 ppm以上で親動物に哺育期の振戦(雌)、F1及びF2児動物に哺育不良を示唆する症状(虚弱/嗜眠、接触時の冷感、外見的な飢餓状態)、50 ppmでは加えて、F0及びF1親動物に体重低値、F1児動物に生存率低下がみられた(Salamon (1987)、JMPR (1992)、Patty (6th, 2012)、HSDB in PubChem (Accessed August 2021))。

【参考データ等】
(3)ラットを用いた混餌投与による一世代生殖毒性試験において、50 ppmで親動物に振戦、摂餌量減少、児動物に出生児の生時及び哺育中の体重低値がみられたのみとの報告がある(Patty (6th, 2012)、HSDB in PubChem (Accessed August 2021))。
(4)ラット又はウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、発生毒性はみられなかったとの報告がある(JMPR (1992)、Patty (6th, 2012)、HSDB in PubChem (Accessed August 2021))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1(神経系)とした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた単回経口投与試験(急性神経毒性試験)において、2.5~10 mg/kg(区分1の範囲)で血漿及び赤血球コリンエステラーゼの用量依存的な阻害が、5 mg/kg(区分1の範囲)で投与1~4時間後にコリン作動性症状(縮瞳、活動性低下、振戦、流涎、呼吸困難、顔面紅潮、疼痛性反射消失が、20 mg/kg(区分1の範囲)以上で死亡例がみられたとの報告がある(Patty (2012))。
(2)ラットを用いた単回経口投与試験(急性神経毒性試験)において、8~15 mg/kg(区分1の範囲)で活動量の減少、振戦、異常行動、異常歩行、運動失調、前肢の握力低下、立ち直り反射の非協調性がみられたとの報告がある(Patty (2012))。

【参考データ等】
(3)本剤40%を含む製剤を大量に経口摂取した25歳男性に、約2時間後、意識喪失で半昏睡状態となり、血清中ChE活性は入院後数時間は0であったとの報告がある(JMPR (1992))。
(4)本剤15.5%を含む製剤を40 mL(約6.2 g)を経口摂取した50歳男性に、精神錯乱、線維束性収縮、徐脈、縮瞳、発汗、流涎、流涙がみられ、摂取6時間後には線維束性収縮の頻度が増加し、気管支漏、昏睡状態となったとの報告がある。また、血清及び赤血球ChEは8日間にわたり正常値の50%を切ったとの報告がある(JMPR (1992))。
(5)ラットを用いた単回経口及び経皮投与試験において、円背姿勢/腹臥位、流涙/紅涙、下痢、呼吸困難、眼球突出、被毛粗剛、鎮静、強直性/間代性筋肉痙攣及び開口障害がみられたとの報告がある(JMPR (1992))。

令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、肝臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(7)より、神経系への影響があったほか、(3)~(6)で肝臓への影響がみられたことから、区分1(神経系、肝臓)とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による90日間亜慢性神経毒性試験において、10 ppm(0.6 mg/kg/day(雄)、0.7 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で血清・赤血球・脳ChE活性阻害が、100 ppm(6.3 mg/kg/day(雄)、7.2 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)でコリン作動性症状(握力低下、振戦、過剰な臭いかぎ、過剰反応行動)がみられたとの報告がある(Patty (2012)、EPA OPP Rev. report of Hazard Idetification Assessment (1999))。
(2)ラットを用いた強制経口による4週間反復経口投与試験(5日/週)、混餌投与による6ヵ月間経口投与試験、101週間経口投与試験、及びサルを用いた強制経口による23ヵ月間経口投与試験(6日/週)において、区分1の範囲で赤血球・血清・血漿・脳ChE活性阻害がみられたとの報告がある(JMPR (1992))。
(3)イヌを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、45 ppm(1.96 mg/kg/day、区分1の範囲)で胆汁うっ滞、肝臓の退色、酵素活性の増加(ALP, SGOT, SGPT, GGT、ソルビトールデヒドロゲナーゼ活性)が、140 ppm(7 mg/kg/day、区分1の範囲)で赤血球ChE活性阻害(75-88%)、脳ChE活性阻害(26.8%)(雌)、摂餌量減少(雄)がみられたとの報告がある(JMPR (1992))。
(4)イヌを用いた混餌投与による12ヵ月間慢性毒性試験において、40 ppm(2 mg/kg/day、区分1の範囲)で肝臓の退色、胆汁うっ滞・慢性炎症、ALP・SGOT・SGPT・ソルビトールデヒドロゲナーゼ活性・ビリルビンの上昇、GGTの増加(雌)、総タンパク・アルブミンの減少(雌)が、140 ppm(5.67 mg/kg/day、区分1の範囲)で赤血球ChE活性阻害(76-87%)、脳ChE活性阻害(16-27%)、摂餌量減少(雄)がみられたとの報告がある(JMPR (1992)、Patty (2012))。
(5)マウスを用いた混餌投与による18ヵ月間慢性毒性試験において、50 ppm(6.99. mg/kg/day、区分1の範囲)で肝酵素活性の増加、尿の退色(雄)、胆嚢(胆嚢炎・過形成)および肝臓影響(胆管増生・胆汁うっ滞・胆管線維症・慢性肝炎・肥大)、赤血球ChE活性阻害(雌)が、100 ppm(13.7 mg/kg/day、区分1の範囲)で脳ChE活性阻害、生存率の軽度低下(雄)、赤血球ChE活性阻害(雄)、脾臓重量増加を伴う髄外造血亢進(雄)、肝細胞腺腫の有意な増加(雄)、肝酵素活性の増加(雌)、胆嚢・肝臓への影響(雌)がみられたとの報告がある(JMPR (1992)、Patty (2012))。
(6)イヌを用いた2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、4 ppm(0.171 mg/kg/day、区分1の範囲)で血清GPT(ALT)の軽度上昇(雄)が、16 ppm(0.686 mg/kg/day、区分1の範囲)で血清GPTの顕著な上昇、血清ALPの上昇、スルホブロモフタレイン蓄積増加、肝臓、マクロファージ及び小葉中心性肝細胞の色素沈着が、64 ppm(2.74 mg/kg/day、区分1の範囲)で腎臓の色素沈着がみられたとの報告がある(JMPR (1992))。
(7)ラットを用いた2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、40 ppm(1.72 mg/kg/day、区分1の範囲)で線維束性収縮、体重増加抑制、尿量減少・尿比重増加、赤血球(14-38%)・血清(22-66%)・脳(42-74%)ChE活性阻害、色付着鼻汁、過活動、振戦、皮膚病(潰瘍・慢性化膿性炎症)、脱毛、接触に対する過敏が、100 ppm(4.91 mg/kg/day、区分1の範囲)で体重減少、好中球/リンパ球比の逆転・赤血球パラメータの減少・血小板数増加、肺胞の泡沫状マクロファージの限局性増加の頻度増加がみられたとの報告がある(JMPR (1992)、Patty (2012))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.0011 mg a.i./L(水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2010)であることから、区分1とした。(a.i.: active ingredient) 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(ミシッドシュリンプ)の 28日間NOAEC = 0.000022 mg a.i./L(EPA Pesticides RED, 2006)から、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(藻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく、魚類(ブルーギル)の96時間LC50 = 0.0022 mg a.i./L(EPA Pesticides RED, 2006)から、区分1となる。
以上の結果を比較し、区分1とした。(a.i.: active ingredient)
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


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