NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 96-23-1
名称 1,3-ジクロロプロパン-2-オール
物質ID m-nite-96-23-1_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点は86℃ [密閉式](MSDS(Sigma-Aldrich)(2011))、74℃[開放式](NFPA(14th, 2010)、CRC(91st, 2010)、ICSC(2008)、HSDB(2003))および88℃[方式不明](Ullmanns(E)(6th, 2003))であり、これらはいずれも > 60℃ かつ ≦93℃ であることから、区分4に該当する。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素を含まず、酸素および塩素を含む有機化合物であるが、これらの酸素および塩素がそれぞれ炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として4件のデータ(81 mg/kg(環境省リスク評価 第4巻(2005))、110 mg/kg(環境省リスク評価 第2巻(2003))、120mg/kg(JECFA 1039(2002))、140 mg/kg(JECFA 1039(2002))が報告され、いずれも区分3に該当する。
平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ウサギのLD50値として3件のデータ(590 mg/kg(環境省リスク評価 第4巻(2005)、800 mg/kg(JECFA 1039(2002)、0.8 ml/kg(=1081 mg/kg)(DFGMAK-Doc.1(1991))が報告され、2件が区分3、1件が区分4に該当することから、該当数の多い区分3とした。
平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値は125 ppm/4h(JECFA 1039(2002))に基づき区分2とした。なお、LC50値(125 ppm)が飽和蒸気圧濃度(987 ppm)の90%より低いことから、ミストがほとんど混在しない蒸気として、気体の基準値を適用した。
平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギに本物質原液0.01 mLを24 時間の開放適用した試験で刺激性を示した(NITE初期リスク評価書 10(2008))と報告されていることから区分2とした。なお、軽度の刺激性(mildly irritating、slightly irritating)との評価もある(DFGMAK-Doc(1991)、JECFA 1039(2002))。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ウサギを用いた眼刺激性試験において、「重度の刺激性」(NITE初期リスク評価書 201(2008))、または「刺激性および重度の傷害(irritation and moderately severe damage)」(JECFA 1039(2002))との評価結果に基づき区分2Aとした。
平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - ラットに経口投与による骨髄を用いた小核試験(OECD TG 474)およびマウスに経口投与による末梢血を用いた小核試験(いずれも体細胞in vivo変異原性試験)において、いずれも陰性の結果(JECFA 1145(2007)、NTP DB G11538(Access on Sep. 2011))に基づき区分外とした。なお、ラットに経口投与による肝細胞を用いた不定期DNA合成試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験;OECD TG 486)で陰性が報告され、in vitro試験としては、エームス試験、マウスリンパ腫細胞およびマウス前立腺線維芽細胞を用いた遺伝子突然変異試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験ではそれぞれ陽性の報告(NTP DB 843274(1984)、NITE初期リスク評価書 201(2008)、環境省リスク評価 第4巻(2005))がある。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
IARCの発がん性評価でグループ2Bに分類されている(IARC News: 101(2011))ことから、区分2とした。なお、EUでは、カテゴリー2(R45)に分類されている(EC-JRC(ESIS)(Access on Sep. 2011))。また、ラットに104週間飲水投与した試験(OECD TG 453、GLP)の結果から、肝臓、腎臓、舌及び口腔、甲状腺における発がん性が強く示唆される(NITE初期リスク評価書 201(2008))との報告がある。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、ラット雄3匹に100 mg/kg/日を8日間強制経口投与した後交配し、妊娠9または10日に着床胚を観察した結果、1 組は交尾不成立、別の1組の雌では胚形成がみられず、もう1 組では正常な数の着床胚がみられたとの報告があるが、動物数が少なく、検査項目も限られていることから、試験物質の影響については判断できない(NITE初期リスク評価書 201(2008))。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(肝臓)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトで事故例の報告として、エピクロロヒドリン合成用けん化塔の清掃作業に従事した男性12人中6人に急性肝障害がみられ、うち2人が死亡した。死亡した2人とも作業後全身倦怠感、吐き気、嘔吐を訴え、肝腫大、AST、ALT の著しい増加、プロトロンビン時間の延長等がみられて劇症肝炎と診断され、血清または血漿において本物質が検出された(NITE初期リスク評価書 201(2008))。動物試験でも皮下及び腹腔内投与による急性毒性では肝臓障害が中心であり、重度の肝細胞の空胞変性及び脂肪変性、巣状壊死などが観察され、劇症肝炎の病態を示す(NITE初期リスク評価書 201(2008))と述べられている。以上より、区分1(肝臓)とした。一方、当該物質は強い粘膜刺激性を有し、吸入により咳、頻呼吸、喘鳴呼吸を呈するとの記述(HSDB(2003))により、区分3(気道刺激性)とした。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、腎臓、血液)、区分2(鼻腔)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
ラットの104週間反復経口投与試験(OECDテストガイドライン、GLP)において80 ppm(6.3~9.6 mg/kg/日)以上で肝細胞の脂肪変性、および13週間反復経口投与試験(US EPA TSCAテストガイドライン、GLP)では10 mg/kg/日以上で肝細胞核小体肥大が観察された(NITE初期リスク評価書 .201(2008))ことから、区分1(肝臓)とした。104週間反復経口投与試験の240 ppm(19.3~30 mg/kg/日)以上で尿タンパクの増加があり、13週間反復経口投与試験でガイダンス値区分1の上限に相当する10 mg/kg/日以上で多巣性尿細管変性が見られた(NITE初期リスク評価書 .201(2008))ことから区分1(腎臓)とした。また、104週間反復経口投与試験の80 ppm(6.3~9.6 mg/kg/日)以上でクッパー細胞のヘモジデリン沈着、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の低下が観察されたことから区分1(血液)とした。さらに、13週間反復経口投与試験の100 mg/kg/日で鼻腔の病理組織変化(鼻甲介癒着、嗅粘膜変性、呼吸粘膜及び嗅粘膜過形成等)が報告されている(NITE初期リスク評価書 .201(2008))ことから、区分2(鼻腔)とした。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分に該当しない
-
-
- - 魚類、甲殻類、藻類で100 mg/L超のデータが得られている(環境省生態影響試験, 1996; 環境省リスク評価第4巻, 2005)ことから、区分外とした。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BOD:84, 86, 0%、TOC:99, 96, 40%、GC:100, 100, 51%(既存点検, 1986))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 6.25 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(メダカ)の96時間LC50 > 100 mg/Lであり、難水溶性ではない(水溶解度 = 99,000 mg/L(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。
以上の結果から、区分外とした。
平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成23年度(2011年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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