NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 96-24-2
名称 3-クロロ-1, 2-プロパンジオール
物質ID m-nite-96-24-2_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 引火点145℃(o.p.)(IUCLID(2000))は93℃超であり区分外とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - No data(IUCLID(2000))となっており発火点がないと判断できるので区分外とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素を含まず酸素及び塩素を含む有機化合物であるが、これらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットLD50値として得られた10件(150, 125, 152, 195, 250, 50, 58, 172, 116, 150 mg/kg bw)のデータ(JECFA (2001)、DFGOT Vol.5 (1993))のうち、1件が区分2、9件が区分3、に該当するため区分3とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 区分4


警告
H312 P302+P352
P362+P364
P280
P312
P321
P501
ラットLD50値 1057 mg/kg及びウサギLD50値 1056 mg/kg(RTECS(2009);元文献:National Technical Information Service.(Springfield, VA 22161)Formerly U.S. Clearinghouse for Scientific & Technical Information.)はいずれも区分4に該当する。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットLC50値:88-174 ppm/4h(IUCLID(2000))に基づき区分2とした。なお、飽和蒸気圧濃度は4934 ppmであり「ミストがほとんど混在していない蒸気」であることからガスの基準値を適用した。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ウサギの角膜に試験物質原液を適用による傷害の程度はグレード4(1~10の10段階で最も重度の場合グレード10)であり、中等度moderate)の刺激性との評価(DFGOT Vol.5(1993))に基づき区分2Aとした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - マウスに腹腔内または経口投与、およびラットに経口投与による優性致死試験(生殖細胞を用いたin vivo経世代変異原性試験)においていずれも陰性(JECFA(2001))、また、ラットおよびマウスの骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo 変異原性試験)においてもいずれも陰性(JECFA(2001))の結果に基づき、区分外とした。なお、in vitroの試験については、Ames試験およびマウスのリンパ腫を用いた遺伝子突然変異試験で陽性結果(JECFA(2001))が報告されている。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ICSCによるIARCとのエキスパートディスカッションで「3-Chloro-1, 2-propanediol causes tumors in experimental animals, hence it is considered carcinogen. non-genotoxic mechanism), Agreed in 2007 probable IARC 2B.」との結論により区分2とした。なおラットに104週間飲水投与した試験において、死亡率に影響はなく、用量に関連した変化として、過形成および/または腫瘍の発生頻度が腎臓、精巣、乳腺および包皮腺で増加し、膵臓では減少が報告されているが、著者によれば、腎臓腫瘍の発生は慢性進行性腎症の発生増加に伴う二次的なものであり、精巣や乳腺などの腫瘍はホルモンの不均衡から生じた結果と考えられている(JECFA(2001))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
雄ラットに10~12日間の経口投与により不妊を呈し、高用量(25 mg/kg/day)を14日間の経口投与では精巣および精巣上体の病変に加え、精子運動能の低下が観察された(JECFA(2001))。また、雄ラットに2または4週間の経口投与試験の高用量(8 mg/kg/day)群で認められた精子運動能の低下は回復したが、無投与の雌との交配では妊娠の成立が全く見られなかった(JECFA(2001))。精子の運動能に対する影響は、ラットに9日間経口投与した別の試験でも見られ、高用量群の雄の精子が雌の卵管に到達せず、卵管中の受精卵の割合の用量依存的な低下が報告されている(JECFA(2001))。以上のようにラットの経口投与により雄で明らかな受胎能の阻害が認められたことから区分1Bとした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(腎臓)、区分2(中枢神経系)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H371
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ラットに経口投与により、130 mg/kgで腎機能不全、260 mg/kgで急性糸球体腎炎による死亡の記載(DFGOT vol.5(1993))があり、また、ラットに100~200 mg/kgを経口投与した別の試験で、組織学的所見として腎臓で尿細管の拡張と蛋白の沈積を伴う尿細管上皮の壊死と変性が報告され(HSDB(2002))、ガイダンス値区分1に相当する用量での変化であることから区分1(腎臓)とした。このラットに100~200 mg/kgを経口投与した試験では、不活発、頭部と足部の弛緩性麻痺、催眠の症状が観察されており、かつマウスに100~220 mg/kgを経口投与した試験でも運動失調、姿勢異常、正向反射の消失、不穏、部分的麻痺が認められている(HSDB(2002))ことに基づき、ガイダンス値からは区分1相当であるが、判定基準1b3)を満たさないList 2のデータのため、区分2(中枢神経系)とした。一方、ラットおよびマウスに吸入ばく露した試験において、両動物種とも毒性症状として軽微な気道刺激性が記載されている(HSDB(2002))ことから区分3(気道刺激性)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(腎臓)、区分2(血液)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
ラットの経口投与試験で慢性進行性腎症が発生し、4週間投与では60 mg/kg/day(90日補正:18.5 mg/kg/day)、また、104週間投与では用量に相関し全群(1.1~35 mg/kg/day)で認められており(JECFA(2001))、その変化はガイダンス値範囲区分1に相当する用量まで及んでいることから区分1(腎臓)とした。一方、サル6匹に30 mg/kg bw/dayを6週間経口投与により、貧血、白血球減少症、重度の血小板減少症を伴う血液学的異常が示され、影響を受けた3匹中2匹が骨髄抑制により死亡したとの報告(JECFA(2001))、かつ、ラットに4週間経口投与した試験の60 mg/kg/day(90日補正:18.5 mg/kg/day)で、ヘモグロビン濃度、赤血球容積、赤血球数の有意な減少が報告されており(JECFA(2001))、これらの用量はガイダンス値範囲区分2に相当していることから、区分2(血液)とした。なお、精巣にも病理組織学的変化が報告されているが、生殖毒性として扱うため本項では分類対象としなかった。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分に該当しない
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- - 藻類(ムレミカヅキモ)72時間ErC50 > 100 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 > 100 mg/L(REACH登録情報, 2022)であることから、区分に該当しないとした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
-
- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度:67.9%(METI既存点検結果, 1975))、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC < 100 mg/L(REACH登録情報, 2022)から、分類できないとなる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(甲殻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 > 100 mg/L(REACH登録情報, 2022)であり、難水溶性ではない(水溶解度 = 1,000,000 mg/L(PHYSPROP Database (SRC, 2005)))ことから、区分に該当しないとなる。
以上の結果より、データ不足により分類できないとした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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