NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 97-86-9
名称 メタクリル酸イソブチル
物質ID m-nite-97-86-9_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点が35℃ (closed cup) (HSDB (Access on August 2017)) に基づいて区分3とした。なお、UNRTDG分類は安定剤入りのものがUN 2283、クラス3、PGⅢである。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 タイプG
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-
- - 自己反応性に関連する原子団 (エチレン基) を含むが、安定剤入りのものはUNRTDGにおいてUN 2283、クラス3、PGⅢに分類されており、優先評価項目の自己反応性化学品には該当しない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は385℃ (GESTIS (Access on August 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、6,400~12,800 mg/kg (ECETOC JACC (1996)、9,590 mg/kg (SIDS (2009)) との報告に基づき、区分外とした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
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-
- - モルモットのLD50値として、> 17,760 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、SIDS Dossier (2009)、HSDB (Acces on August 2017)) との報告に基づき、区分外とした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
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-
- - ラットの6時間吸入ばく露試験のLC50値として、> 3,600 ppm (4時間換算値: > 4,409 ppm) (ECETOC JACC 36 (1996)) との報告があり、区分4又は区分外に該当するが、 この値のみでは区分を特定できないため、分類できないとした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (4,791 ppm (27.84 mg/L)) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - マウスの290分間 (4.83時間) の吸入ばく露試験のLC50値として、5,026 ppm (29.74 mg/L) (4時間換算値: 5,523 ppm (32.68 mg/L)) との報告 (SIDS (2009)、HSDB (Access on August 2017)) に基づき、区分外とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (4,791ppm (27.84 mg/L)) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、本物質を2時間適用した場合の皮膚一次刺激指数が1.87で軽度の刺激性を示したとの記載 (SIDS (2009)) がある。また、本物質を24時間適用した2件のウサギを用いた試験では、皮膚一次刺激指数が4.16で中等度の刺激性、及び皮膚一次刺激指数が1.83で軽度の刺激性との記載 (いずれもECETOC JACC (1996)、SIDS (2009)) であった。これらの結果から本物質は刺激性を有すると考え、区分2とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Irrit. 2, H315 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405準拠) で、1匹に軽度の結膜の発赤、浮腫や分泌物がみられたが発赤は24時間後、他の刺激性の所見も48時間後までに回復し、他のウサギには刺激性がみられず、一次刺激指数はなしとの記載 (SIDS (2009)) や、他のウサギを用いた複数の眼刺激性試験において軽度の刺激性を示したとの記載 (ECETOC JACC (1996)、SIDS (2009)) がある。これらの結果から軽度の刺激性を有すると考え、区分2Bとした。なお、EU CLP分類において本物質はEye Irrit. 2, H319 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1B


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)より、区分1Bとした。新たな知見に基づき、分類結果を変更した。ECHA RAC Opinion (2016)にて感作性知見が公表されたため、旧分類から皮膚感作性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)マウス(n=5/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は1.78(25%)、3.64(50%)、5.13(100%)であり、EC3値は41.4%と算出されたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2016)、CLH Report (2015)、REACH登録情報 (Accessed Jan. 2022))。

【参考データ等】
(2)モルモットを用いたMaximisation試験の結果、皮膚感作性物質ではないとの報告がある(ECETOC JACC (1996))。
(3)ECHA ではSkin Sens. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Jan. 2022))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (SIDS (2009))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (SIDS (2009)、NTP DB (Access on August 2017))。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - 妊娠ラットの妊娠5、10及び15日に本物質をLD50値の10~33%の用量で腹腔内投与した結果、胎児の骨格異常、胎児死亡、胚/胎児吸収がみられた。以上の所見に関しては投与経路が腹腔内のため母体を介した間接的な影響ではなく、胎児への直接的作用により生じた可能性があると指摘されており (PATTY (6th, 2012))、投与経路を考慮し分類には用いなかった。この他、分類に利用可能なデータはなく、データ不足のため分類できない。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物では、本物質又はメタクリル酸n-ブチル (CAS番号 97-88-1) を用いたラット及びマウスの単回吸入ばく露試験において、症状がみられた用量の詳細な記載はないが、両物質に共通した症状として、肺の異音、不規則呼吸、鼻汁が認められたとの報告があり、気道刺激性物質へのばく露によると考えられると記述されている (ECETOC JACC (1996))。経口経路では、ラットの単回経口投与試験において、活動性低下、よろめき歩行、運動失調、四肢と腹部の筋緊張低下、下痢、立毛、体温低下が認められたとの報告 (SIDS Dossier (2009)) があるが、試験の最小用量が区分2超の8,880 mg/kgであり、それ以下の用量での情報がないため、分類根拠としなかった。したがって、区分3 (気道刺激性) とした。なお、旧分類が使用したIUCLID (2000) は、入手不可のため、確認できなかった。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
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H402 P273
P501
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EC50(速度法)= 16 mg/L(OECD SIDS:2004)から、区分3とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
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- - 急速分解性があり(良分解性、類似化学物質の分解性との比較により判定(化審法DB:2012))、蓄積性がなく(LogKow:2.66 (SRC PhysProp Database:2017))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(速度法)= 5.8 mg/L(OECD SIDS:2004))であることから、区分外とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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