NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 98-88-4
名称 塩化ベンゾイル
物質ID m-nite-98-88-4_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点が72℃(closed cup)(ICSC(2000)(J))である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は600℃(GESTIS(Accessed Aug. 2018))であり常温で発火しないと考えられる。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、この塩素、酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、1件が区分4、1件が区分4~区分外(国連分類基準区分5)、1件が区分外(国連分類基準区分5)に該当する。よって有害性の高い区分を採用し、区分4とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50値:1,140-2,618 mg/kg(ACGIH(7th, 2001)、厚生労働省リスク評価書(2008))
(2)ラットのLD50値:3,619 mg/kg(雄)、1,900 mg/kg(雌)(DFGOT vol.6(1994))
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、1件が区分3、1件が区分外に該当する。よって有害性の高い区分を採用し、区分3とした。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50値:790 mg/kg(MAK/BAT(2004)、ACGIH(7th, 2001)、厚生労働省リスク評価書(2008))
(2)ウサギのLD50値:>2,000 mg/kg(ACGIH(7th, 2001)、厚生労働省リスク評価書(2008))
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体である。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度526 ppmの90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。また、(2)は区分が特定できないため、分類に利用できない。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):247 ppm(1.450 mg/L)(ACGIH(7th, 2001)、厚生労働省リスク評価書(2008))

【参考データ等】
(2)ラットのLC50(4時間):>377 ppm(1.980 mg/L)(ACGIH(7th, 2001)、厚生労働省リスク評価書(2008))
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3)より、本物質は皮膚腐食性を有すると判断し、区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質は複数の文献でヒトに対して腐食性を示すと記載されている(NICNAS IMAP(Accessed Aug. 2018)、Vincoli(1996)、Bruze et al,(2000))。
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(n=6)では、4時間の適用、72時間後の観察で刺激性スコア3.8が報告されている(REACH登録情報(Accessed Aug. 2018))。
(3)本物質はウサギの皮膚に対して非常に強い刺激性を有するとの報告もある(厚労省リスク評価書(2008)、ACGIH(7th, 2001))。

【参考データ等】
(4)EU CLPでは本物質をSkin Corr. 1Bに分類している。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)~(3)より、区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質の蒸気は強力な催涙物質であり、眼や粘膜に対して刺激性を持つことが知られており、ヒトは2 ppm、1分間のばく露に耐えられないとの報告がある(厚生労働省リスク評価書(2008)、ACGIH(7th, 2001))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、強い眼刺激性と角膜腐食性が見られたとの報告がある(NICNAS IMAP(Accessed Aug. 2018))。
(3)ウサギを用いた眼刺激性試験において、腐食性を示すとの報告がある(HSDB(Accessed Aug. 2018))。

【参考データ等】
(4)本物質は水と急速に反応(加水分解)して、安息香酸や腐食性のあるガス(塩化水素)を発生するとの報告がある(HSDB(Accessed Aug. 2018))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)より、区分1とした。

【根拠データ】
(1)モルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406、n=10(対照群)/20(適用群)、GLP試験)で、本物質を適用したところ90%の動物で皮膚感作性反応を示したとの報告がある(NICNAS IMAP(Accessed Aug. 2018)、REACH登録情報(Accessed Aug. 2018))

【参考データ等】
(2)EU CLPでは本物質をSkin Sens. 1に分類している。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、ガイダンスに従い分類できないとした。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、マウス骨髄を用いた小核試験で陰性の報告がある(MAK/BAT(2004)、NICNAS IMAP(Accessed Jul. 2018))。
(2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性(一部陽性)であった(NICNAS_IMAP(Accessed Jul. 2018)、MAK/BAT(2004)、ACGIH(2001)、IARC(1999))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(4)より、ヒトと動物実験の限られた証拠があること、また産衛学会の既存分類を採用し、区分2とした。

【根拠データ】
(1)ヒトの知見については、日本における塩化ベンゾイル製造工場での肺がんの症例報告、英国と米国における塩素化トルエン製造工程に従事した作業者の疫学調査での肺がん増加を示唆する報告があるが、塩化ベンゾイルと各種塩素化トルエンへの混合ばく露であり、その発がん性が塩化ベンゾイルに起因するか否かについては確認できないため、限定された証拠と考えられている(日本産業衛生学会 許容濃度の勧告(2016))。
(2)実験動物では、雌のマウスに5, 10 μL(538, 1,077 mg)を3回/週で4週間後2回/週で37週間、及び2.3 μL(285 mg)を2回/週で50週間経皮ばく露した試験において、5 μL群では、1/10例で皮膚がん、1/10例で皮膚乳頭腫、10 μL群では、3/10例で肺腺腫、2.3 μL群では、2/20例に扁平上皮がん、5/20例に肺腺腫が認められた(NICNAS IMAP(Accessed Jul. 2018)、産衛学会勧告(2016)、MAK/BAT(2004)、ACGIH(2001))。
(3)吸入経路では、本物質の蒸気をマウスに30分/日、2回/週で5ヵ月ばく露後、7~9ケ月観察した試験において、肺腫瘍が対照群で3/30例(全て腺腫)、投与群で3/28例(腺腫1、腺がん2)、皮膚乳頭腫が対照群で0/30例、投与群で2/28例認められたが、有意差は認められなかった(産衛学会勧告(2016)、MAK/BAT(2004)、厚労省リスク評価書(2008)、ACGIH(2001)、IARC(1999))。
(4)国内外の分類機関による既存分類では、日本産業衛生学会は2B(2016)、ACGIHはA4(ACGIH(7th, 2001))に分類している。IARC(IARC 71(1999))はα塩素化トルエン類との混合物として2Aに分類している。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(呼吸器)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3)より、区分2(呼吸器)とした。

【根拠データ】
(1)本物質は、粘膜に刺激性を示すとの記載がある(ACGIH(7th、2001))。
(2)ヒトで単回ばく露により気道刺激性がみられる他に、嗅覚障害の可能性があるとの報告がある(HSDB(Accessed Aug. 2018))。
(3)ラットで4時間単回吸入ばく露させた試験において、1.453 mg/L(ガイダンス値換算:2.54 mg/L、区分2の範囲)以上で死亡個体には肺気腫を伴う肺の暗赤色化が、生存個体では肺気腫、肺のまだら模様等がみられたとの報告がある(HSDB(Accessed Aug. 2018))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)より、区分1(呼吸器)とした。

【根拠データ】
(1)ヒトで本物質の製造に従事した作業者20人に慢性咽頭炎、慢性副鼻腔炎、嗅覚障害などの様々な症状がみられたとの報告がある(ACGIH(7th, 2001)、HSDB(Accessed Aug. 2018))。

【参考データ等】
(2)マウスの皮膚に本物質50%溶液を9.8ヵ月間、間欠的に塗布した試験で、気道に著しい刺激性変化がみられたとの報告がある(ACGIH(7th, 2001)、HSDB(Accessed Aug. 2018))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(グラスシュリンプ)96時間LC50 = 0.12mg/L(ECETOC TR91: 2003)であることから、区分1とした。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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