NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 99-66-1
名称 2-プロパン-1-イルペンタン酸 (別名:バルプロ酸)
物質ID m-nite-99-66-1_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、670 mg/kg (IPCS, PIM 551 (1997)、HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分4とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは優性致死試験及び染色体異常試験で陰性の情報がある (Brambilla and Martelli, Mutation Res., 209-229, 2009)。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (NTP DB (Access on August 2017))。In vivo試験の情報はPDR (Physicians' Desk Reference) からの情報である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、ラット及びマウスを用いた2年間投与試験 (投与経路: 記載ないが、恐らく経口経路、用量: 80~170 mg/kg/day) において、雄ラットに高用量で皮下線維腫の発現頻度増加、雄マウスに肺の良性腺腫の用量依存的な発現頻度増加がみられたが、これらの知見のヒトでの重要性は不明であるとの記述がある (IPCS, PIM 551 (1997))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分1A、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分


危険
H360
H362
P308+P313
P201
P202
P260
P263
P264
P270
P280
P405
P501
本物質のナトリウム塩 (バルプロ酸ナトリウム) は抗てんかん・躁病・鬱状態、偏頭痛治療剤として用いられており (医療用医薬品集2017 (2016))、バルプロ酸ナトリウムの毒性情報が本物質の分類に適用可能と考えられた。すなわち、バルプロ酸ナトリウムは妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には原則禁忌とされている (医療用医薬品集2017 (2016))。てんかん患者の妊婦における本物質の使用と出生児の先天性奇形 (特に神経管欠損) との間に相関性があるとの複数の報告があり、動物実験ではラット、マウスの生殖毒性試験で胎児への悪影響がみられると記述されている (IPCS, PIM 551 (1997))。また、バルプロ酸ナトリウムはヒト母乳に移行することがあり、授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせるとの記述がある (医療用医薬品集2017 (2016))。以上より、本項は区分1Aとし、授乳影響を追加した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用)



危険
警告
H370
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質はGABAトランスアミナーゼを阻害し、抑制性神経伝達物質であるGABAの脳内での濃度を増加させる結果、神経興奮を抑制するとの記載がある (IPCS, PIM 551 (1997))。ヒトでは、摂取の回数などの詳細は不明であるが、本物質の経口摂取により消化管の不調と中枢神経系抑制 (錯乱、見当識障害、鈍麻、呼吸不全を伴う昏睡) を起こし、頻脈を伴う血圧低下とQT間隔の延長が起こる場合もあるとの記載がある (HSDB (Access on August 2017))。本物質の単回ばく露の影響に関しては他に情報がないが、本物質のナトリウム塩であるバルプロ酸ナトリウム (CAS番号 1069-66-5) は、抗てんかん、躁病・躁状態、片頭痛治療剤として用いられており、誤飲または自殺企図による過量摂取が意識障害 (傾眠、昏睡)、痙攣、呼吸抑制、高アンモニア血症、脳水腫を起こした事例が報告されている (医療用医薬品集2017 (2016))。また、16歳の女性てんかん患者がバルプロ酸ナトリウムの錠剤30 gを摂取後に傾眠を発症したが、治療により12時間後に回復したとの報告及び15歳の少女がバルプロ酸ナトリウム (量不明) の摂取後、昏睡状態となり心肺停止により死亡したとの報告がある (いずれもIPCS, PIM 551 (1997))。これらの情報に基づき、バルプロ酸ナトリウムは平成23年度GHS分類において区分1 (中枢神経系) と分類されている。以上の情報は、本物質のみの情報ではなく本物質のナトリウム塩を含んだ情報と思われるが副作用は本物質に起因したと考えられる。したがって、上記の情報を基に分類を行い、区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、血液系、肝臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質のナトリウム塩は抗てんかん、躁病・躁状態、片頭痛治療剤として用いられている (医療用医薬品集2017 (2016))。
  ヒトについては、慢性使用の患者では致命的な肝不全の報告があり、膵炎が通常の治療用量においても報告されている。消化器系への影響で最も一般的に報告されている有害作用は、食欲不振、吐き気および嘔吐である。中枢神経系の影響は眠気であり、無関心、離脱、錯乱、不穏状態、多動も含まれ、頻繁ではないがてんかん発作や昏睡が現れることがある。鎮静作用は、薬物が他の抗てんかん薬と一緒に使用される場合により顕著である。造血系の影響には、血小板減少症、フィブリノゲンレベルの低下を伴う出血時間及び活性化部分トロンボプラスチン時間の異常、プロトンビン時間の延長などがあり、挫傷、斑状疱疹、血腫及び鼻出血をもたらすとの記載がある (IPCS, PIM 551 (1997)、HSDB (Access on August 2017))。
  また、医療用医薬品集2017 (2016) には、重篤な副作用として、劇症肝炎等の重篤な肝障害、高アンモニア血症を伴う意識障害、溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少、急性膵炎、間質性腎炎、ファンコニー症候群、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群 (スティーブン-ジョンソン症候群)、過敏症症候群、脳の萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状、横紋筋融解症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるとしており、副作用の発生頻度では血液系、精神神経系、消化器系、肝臓、過敏症、その他として高アンモニア血症の報告が多くみられている。
  以上の情報は、本物質のみの情報ではなく本物質のナトリウム塩を含んだ情報と思われるが副作用は本物質に起因したと考えられることから上記情報を基に重篤度、発生頻度等を考慮して分類を行った。
  したがって、区分1 (中枢神経系、血液系、肝臓) とした。
  なお、本物質のナトリウム塩であるバルプロ酸ナトリウム (CAS番号 1069-66-5) は、本邦のGHS分類 (平成23年度) において区分1 (中枢神経系、肝臓、血液系) に分類されている。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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