NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 99-76-3
名称 4-ヒドロキシ安息香酸メチル(別名:メチルパラベン)
物質ID m-nite-99-76-3_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。なお、可燃性(GESTIS(Accessed Aug. 2021))との情報がある。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
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- - 発火点は>600℃(GESTIS(Accessed Aug. 2021))であり常温で発火しないと考えられる。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分に該当しない(国連分類基準における区分5)。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:2,100 mg/kg(MOE 初期評価 (2020)、EPA (2005) 、CIR (Int . J. Toxicol., 27 (Suppl. 4)) (2008))
(2)ラット(雄)のLD50:2,100 mg/kg(OECD TG 401)(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2021))
(3)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(OECD TG 401)(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報(Accessed Aug. 2021))
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)男女各 25 人のボランティアの皮膚に本物質の 5%溶液を 1 日おきに 10 回(4~8 時間/回)塗布した結果、刺激作用はみられなかった(MOE 初期評価 (2020))。
(2)ウサギ(n= 9)を用いた皮膚刺激性試験(24時間閉塞適用)の結果、皮膚刺激性はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2015))。
(3)ウサギ(n= 9)を用いた皮膚刺激性試験(24時間閉塞適用、72時間観察)において、皮膚一次刺激指数(PDII)は0.67であったとの報告がある(EPA (2005)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2021))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
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- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)本物質0.1~0.3%溶液を被験者の眼に点眼した結果、中等度の充血、軽度の流涙及び軽度の灼熱感を生じたが、すべて1分以内に消失した。100名以上の被験者の眼に毎日数回点眼した結果、眼刺激性を生じないことが確認されたとの報告がある(CIR (Int . J. Toxicol., 27 (Suppl. 4)) (2008))。
(2)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験において、ごく軽度の刺激性(刺激性スコア:110点中1点)を示したが、影響は完全回復したとの報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2021))。

【参考データ等】
(3)本物質は眼に中等度の刺激性を示す(Patty (6th, 2012))。

令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
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- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)91人の接触皮膚炎患者に対するパッチテストの結果、2人が本物質の1及び 5%溶液、他の2人が本物質の5%溶液に対して陽性反応を示したが、そのうち 3人はエチル体、プロピル体、ブチル体にも陽性反応を示し、そのうち 1人は 4-ヒドロキシ安息香酸にも陽性反応を示したことから、交差感作が示唆された(MOE 初期評価 (2020))。
(2)男女各 25 人のボランティアの皮膚に本物質の 5%溶液を 1 日おきに 10 回(4~8 時間/回)塗布した結果、刺激作用はみられなかった。また、3 週間後に再度塗布した結果、感作反応はみられなかった(MOE 初期評価 (2020))。
(3)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験において、陽性反応はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2015))。

【参考データ等】
(4)本物質はアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす(Patty (6th, 2012))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
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- - 【分類根拠】
(1)、(2)より区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、ラットを用いた優性致死試験(単回又は5日間連続強制経口投与)及びラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(単回又は5日間連続強制経口投与)で、結果は陰性であった(AICIS IMAP (2015)、MOE 初期評価 (2020)、EPA (2005)、REACH登録情報 (Accessed August 2021))。
(2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性、ほ乳類培養細胞(チャイニーズハムスター肺由来細胞(CHL/IU)及び同卵巣由来細胞(CHO))を用いた染色体異常試験ではCHL/IU細胞では陽性(+S9)及び陰性(-S9)、CHO細胞で陰性(+/-S9)の結果が得られている(AICIS IMAP (2015)、MOE 初期評価 (2020)、REACH登録情報 (Accessed August 2021))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 分類できない
-
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- - 【分類根拠】
評価に十分な発がん性試験報告も国内外の評価機関による既存分類結果もない。データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)ラットに52週間皮下注射(2回/週、0.6~3.5 mg/kg/day)した試験で、投与群の雌には注射部位、乳腺、子宮、その他部位に、雄では注射部位、その他部位に腫瘍発生がみられたが、担腫瘍動物の発生頻度には群間で用量相関性はみられていない。厳密な統計的解析は行われなかったが、著者らは投与群と対照群との間で腫瘍の発生頻度に有意な差はないと報告した(Canada CMP draft Screening Assessment (2020)、MOE 初期評価 (2020))。
(2)(1)の他、マウスを用いた皮下投与、静脈内投与による本物質の発がん性に関する検討が実施されており、発がん性の証拠は認められていない(AICIS IMAP (2015) 、MOE 初期評価 (2020))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - 【分類根拠】
疫学研究では相反する影響がみられているため、分類できない。なお、(1)~(3)の動物試験では、生殖発生影響はみられていないが、疫学研究報告からは、(4)より本物質の胎盤通過性及び乳汁移行性が示唆され、(5)、(6)よりヒトにおいて本物質が妊娠から分娩、出生児の生後発達に影響を及ぼす可能性が示唆されている。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性/生殖発生スクリーニング試験(OECD TG422、GLP)において、1,000 mg/kg/dayで雄親動物に血清T4レベルの軽度低値がみられた以外に、限度量の1,000 mg/kg/dayまで雌雄親動物の生殖能、性機能、児動物の発生・発達への影響(生後13日の血清T4測定値含めて)はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed August 2021))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による拡張一世代生殖毒性試験(OECD TG443、GLP)の各コホートにおいて、限度量の1,000 mg/kg/dayまで生殖発生影響、発達神経毒性、発達免疫毒性のいずれもみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed August 2021))。
(3)妊娠動物(ラット、マウス、ハムスター、ウサギ)を用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、器官形成期投与)において、ラット、マウスは550 mg/kg/dayまで、ハムスター、ウサギは300 mg/kg/dayまで、いずれの動物種についても母動物毒性、発生毒性ともにみられなかったとの報告がある(Canada CMP draft Screening Assessment (2020)、MOE 初期評価 (2020)、EPA (2005))。
(4)カナダの分娩後3ヵ月の女性から本物質が母乳中に中央値で0.22 μg/Lの濃度で検出された。本物質はバルセロナの女性12人の胎盤サンプル(最大濃度:11.77 ng/g)やインドの妊婦40人の羊水中から検出(幾何平均濃度:8.01 μg/L)された(Canada CMP draft Screening Assessment (2020))。
(5)中国の乳児コホートの中から、1,006組の母子を無作為抽出した調査では、出産前に母親から採取した尿中の本物質濃度と出生時の体重、身長との関係が検討された。その結果、尿中濃度と体重には男児(527人)で正、女児(479人)で負の相関がみられたが、有意な相関ではなかった。身長については男児で有意な正の相関がみられたが、女児では有意な相関はみられなかった。また、プエルトリコの妊婦922人を対象とした調査では、妊娠期の尿中の本物質は早産のオッズ比の低下(0.70, 95%CI: 0.49~0.98)、低出生体重児(SGA)のオッズ比の低下(0.66, 95%CI: 0.47~0.93)と相関していた(MOE 初期評価 (2020))。
(6)疫学研究報告の多くは、尿中の本物質レベルと生殖エンドポイントとの間に有意な相関を認めなかった。ただし、妊娠に至る時間の増加、子宮内授精の出生オッズ比の低下、妊婦における特定のホルモンレベル、男子の新生児と幼児における成長速度、アレルギー感作率と本物質尿中レベルとの間には弱い正の相関がみられた。また、青年、妊婦及び成人において、本物質の尿中レベルとBMI及び体重との間に負の相関が検出された。さらに、臍帯血中の本物質レベルと胎児のテストステロンレベルとの間に弱い負の相関がみられた等の報告がある。一方、新生児と幼児における成長速度と胎児のテストステロンレベル以外は、質的に同程度の他の研究で矛盾する結果が得られている(Canada CMP draft Screening Assessment (2020))。

【参考データ等】
(7)離乳後の雌ラットに生後21日~40日まで経口投与した結果、最高用量の1,000 mg/kg/dayで膣開口日の遅延と血清T4値の低下が認められた(Canada CMP draft Screening Assessment (2020)、MOE 初期評価 (2020))。
(8)本物質はラットを用いた子宮増殖試験において、極めて弱いエストロゲン作用を示す(Canada CMP draft Screening Assessment (2020))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用)


警告
H336 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分3(麻酔作用)とした。なお、新たな情報に基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ラット及びマウスを用いた単回経口投与試験において、2,000~8,000 mg/kg(区分2上限~区分に該当しない範囲)未満で運動失調、中枢神経系抑制が見られたとの報告がある(EPA (2005))。
(2)本物質の0.1%溶液を口に含むと、数分後に局所麻酔作用によって舌の麻痺や感覚の鈍化を起こしたと報告されている(MOE 初期評価 (2020)、JECFA FAS 5 (1974))。

【参考データ等】
(3)くも膜下腔内の化学療法後の患者に対麻痺がみられたとの症例報告において、化学療法剤に含まれたメチルパラベン(本物質)がくも膜下腔内の脊髄神経根を損傷し、神経障害を生じたとの報告がある(CIR (Int. J. Toxico., 27 (Supl. 4)) (2008))。
(4)カエルから単離した末梢神経及び脊髄神経を用いて、メチルパラベン(本物質)、エチルパラベン及びプロピルパラベンの麻酔効果を検討したin vitro実験の結果、3種のパラベン化合物は全て神経伝達をブロックした。(CIR (Int. J. Toxico., 27 (Supl. 4)) (2008))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4)より、経口及び経皮経路では区分に該当しない。ただし、吸入経路での毒性情報がなくデータ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与試験(OECD TG407、GLP)において、250 mg/kg/day以上(区分に該当しない範囲)で努力呼吸、ラ音、喘ぎ呼吸(雌1例)がみられ、1,000 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で立毛、円背姿勢、瀕死のため切迫と殺例(雌2例)がみられ、剖検により胃のびらんと胸腺及び脾臓の萎縮がみられたとの報告がある(Canada CMP draft Screening Assessment (2020)、AICIS IMAP (2015))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性/生殖発生毒性スクリーニング試験(雄:交配前14日間及び交配期間14日間の28日間、雌:交配14日前から哺育13日まで(最長63日間))(OECD TG422、GLP)において、1,000 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で投与に関連した変化はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2021))。
(3)ラットを用いた強制経口投与による90日間反復経口投与試験(OECD TG408、GLP)において、1,000 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で投与に関連した変化はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2021))。
(4)ラットを用いた13週間反復経皮投与試験において、0.7%(約288 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で、体重の低値、適用局所の所見以外に全身影響はみられなかったとの報告がある(Canada CMP draft Screening Assessment (2020))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 35.8 mg/L(MOE既存点検結果, 1999、MOE初期評価, 2020)であることから、区分3とした。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性に関する十分なデータが得られていない。甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.2 mg/L(AICIS IMAP, 2017、MOE既存点検結果, 1999、MOE初期評価, 2020)から、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性に関する十分なデータが得られていない。魚類(メダカ)の96時間LC50 = 59.5 mg/L(MOE既存点検結果, 1999、MOE初期評価, 2020)から、区分3となる。
以上の結果を比較し、区分2とした。慢性毒性の分類方法の変更及び新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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