化学物質管理

(4)繊維製品(家庭用衣料品)に関連する法規制等

繊維製品(家庭用衣料品)を対象として、繊維加工と化学物質の関係において安全性や品質性能について直接的に規定している国内法規は「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」、「家庭用品品質表示法」です。また、SEKマーク、エコマークなどの自主管理制度も実施されています。

「6.家庭用衣料品」表紙画像

1.有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律

「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」(有害物質規制法)はホルムアルデヒドの樹脂加工及び有機水銀化合物等の抗菌加工等について、化学物質毎に有害な化学物質の使用を以下のとおり規制しています。

化学物質の使用の規制
化学物質名 対象繊維製品 基準 加工の種類
トリフェニルスズ化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれかけ、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした。 検出せず 防菌・防かび剤
トリブチルスズ化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれかけ、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした。 検出せず 防菌・防かび剤
有機水銀化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした。 検出せず 防菌・防かび剤
4、6-ジクロル-7-(2、4、5-トリクロルフェノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール(DTTB) 繊維製品のうち、おしめカバー、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具及び床敷物。家庭用毛糸。 30ppm(試料1gあたり30μg)以下 防虫加工剤
ヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエキソジメタノナフタリン〔ディルドリン〕 繊維製品のうち、おしめカバー、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具及び床敷物。家庭用毛糸。 30ppm(試料1gあたり30μg)以下 防虫加工剤
トリス(1-アジリジニル)ホスフィンオキシド(APO) 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 検出せず 防炎加工剤
トリス(2、3-ジブロムプロピル)ホスフェート(TDBPP) 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 検出せず 防炎加工剤
ビス(2、3-ジブロムプロピル)ホスフェート化合物(BDBPP化合物) 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 検出せず 防炎加工剤
ホルムアルデヒド 1)繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具であって生後24ヶ月以下の乳幼児用のもの
2)繊維製品のうち、下着、寝衣、手袋、くつした、及びたび、かつら、つけまつげ、つけひげ又はくつしたどめに使用される接着剤
1)吸光度差が0.05以下
又は16ppm
(試料1gあたり16μg)以下2)75 ppm
(試料1g当り75 μg)以下
樹脂加工剤(防縮、防しわ等)

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2.家庭用品品質表示法

「家庭用品品質表示法」はレインコート等のはっ水性の品質性能について、レインコート等には性能基準以上のはっ水性能に基づく「はっ水性」の表示をしなければならないことを以下のとおり規定しています。

はっ水性の表示の規制
加工に関する表示事項 対象繊維製品 表示
はっ水性 オーバーコート、トップコート、スプリングコート、レインコート、その他のコート はっ水(水をはじきやすい)

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3.加工繊維製品の自主管理例

3.1.SEKマーク

加工繊維製品において、品質・安全性を確保し保証するための製品への表示として、社団法人繊維評価技術協議会が自主的な管理により靴下などに表示しているSEK(「S:清潔」「E:衛生」「K:快適」)マーク表示があります。

社団法人繊維評価技術協議会が実施しているSEKマーク認証事業では、加工繊維製品の安全性の確保のため、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律等に抵触しないこと、皮膚貼付試験等の安全性基準に適合すること、試験は化学物質の試験を適切に実施できる優良試験所で実施すること及び安全性等の審査は第三者等で構成される認証判定委員会において判定されること等を規定するなど安全性に関する規制をしています。

SEKマーク認証に際しては、黄色ぶどう球菌、肺炎桿菌、緑膿菌、大腸菌、MRSAを対象として、JISの試験法に基づく抗菌防臭加工、制菌加工、光触媒抗菌加工の性能評価を行うとともに、安全性に関しては、使用する加工剤と製品の両面から評価しています。

また、直接肌に触れる製品については、皮膚貼付試験で安全性の確認をしています。

マークの表示に関しては、その対象製品や用途により、マークの色を区別されています。2009年4月1日からは、これら4種類に加え防かび加工のSEKマークも新しく加わりました。

SEKマークの説明イラスト

SEKマークイメージイラスト

また、表示の際には以下の項目を明示するよう義務付けています。

  1. (1)SEKマーク(所定のカラーまたはモノクロ)
  2. (2)協議会の名称
  3. (3)認証番号
  4. (4)表示用語(「抗菌防臭加工」などの加工名)
  5. (5)付記用語(「繊維上の細菌の~」などの説明を記載)
  6. (6)加工部位(部分使用製品の場合に記載)
  7. (7)試験方法(制菌加工特定用途の場合に記載)
  8. (8)剤名表示(加工剤の種類を「大分類(中又は小分類)」で記載)
  9. (9)社名または商標(申請した会社の社名または商標)
  10. (10)注意表示(抗かび加工製品の場合に記載)

3.2.エコマーク

エコマークのロゴイラスト

エコマークは、財団法人日本環境協会が実施する事業で、様々な商品(製品及びサービス)の中で、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。

繊維製品(家庭用衣料品)に関しては、以下の製品を対象に認定基準が設けられています。

  1. A.制服、事務服、作業服、衛生衣およびスポーツ着および外衣
  2. B.下着
  3. C.寝衣
  4. D.和服
  5. E.くつ下・パンティストッキング・タイツ・足袋
  6. F.帽子・手袋
  7. G.その他の衣服

繊維製品における化学物質の基準は、以下のものが挙げられます。

製品の各種加工
加工の名称 加工時の配慮事項
ホルマリン樹脂加工 遊離ホルムアルデヒド量(外衣類:300ppm以下、中衣類※:75 ppm以下)試験方法は厚生省令34号
蛍光増白加工 必要最小限の加工にとどめ、過剰加工にならないよう十分注意すること。乳幼児用製品には、できる限り加工を避けること。
難燃加工 必要最小限の加工にとどめ、過剰加工にならないよう十分注意すること。
柔軟加工
衛生加工 人体の安全性に疑義のある加工剤の使用は自粛すること。
製品漂白加工 製品漂白加工を企画する場合は、製品の安全性を確認した上で製品化すること。

※中衣類:下着を除く直接肌に触れる可能性の高い衣服

製品中のホルムアルデヒド等の含有
名称 基準値 対象製品 条件
有機水銀化合物 検出しないこと 全製品(法律は下着類) 防かび加工がなされている製品について、加工剤を記述すること。
トリフェニルすず化合物
トリブチルすず化合物
ホルムアルデヒド 検出しないこと 乳幼児用( 生後24月以下)衣服 厚生省令34号に定める試験結果を異なる生地毎に提出すること。
75ppm以下 下乳幼児用以外の下着類、寝衣、手袋、くつした、たび
ディルドリン 30ppm以下 外衣類、中衣類、下着類 毛製品について、厚生省令34号への適合を説明する証明書を提出すること。
DTTB
APO 検出しないこと 寝衣 防炎加工がなされている製品について、加工剤を記述し、防炎物品または防炎製品であることの証明書を提出すること。
TDBPP
ビス(2・3-ジブロムプロピル)ホスフェイト化合物

※試験方法は全て厚生省令34号

製品に使用する染料において、次に定める染料を処方構成成分として添加していないこと。
  1. (1)分解して発癌性アミン類を生成する可能性があるアゾ系染料(24種のうちの一つ以上が30mg/製品kgを超えないこと)
  2. (2)発癌性染料(8種)
  3. (3)皮膚感作性染料(20種)
    また、羊毛以外の繊維は、クロム系染料を処方構成成分として添加していないこと。
ハロゲン系元素で構成される樹脂(繊維としての樹脂および加工、着色剤、フッ素系添加剤は除く)の使用のないこと。

その他にも、「製品全体の重量比50%以上の再生PET樹脂が使用されていること」、「製造にあたっては、関係する環境保全に関する法規、条例、公害防止協定等を遵守していること」、「品質及び安全性について、関連する法規、基準、規格等に合致していること」などのさまざまな認定基準を満たしていることが求められます。

3.3.グリーン購入ガイドライン

グリーン購入ネットワーク(GPN)は、環境に配慮した消費行動を促すため、東京都や事業者・消費者団体等と連携して、食品・衣服のグリーン購入ガイドラインの普及に取り組んでいます。

対象範囲は下記の項目とし、皮製衣類及び毛皮製品は除きます。

食品・衣服のグリーン購入ガイドライン
外衣 背広・ドレス・オーバー・コート・セーター・シャツ・スポーツウェア・制服類・衛生衣・サービスウェア・イベントウェア等
下着 肌着・防寒下着等
寝衣 パジャマ・ネグリジェ等
和服 浴衣・羽織・じゅばん・帯・はかま等
くつ下 くつ下・ストッキング・タイツ等
帽子  
手袋 ゴム製を除く

衣服の購入にあたっては、衣服本体を示す(1)~(4)の中から1つ以上を満たしていることを考慮して購入することをすすめており、(1)の中で、有害化学物質の使用抑制について、対象化学物質の定義を示しています。

  1. (1)環境に配慮した素材を使用していること
  2. (2)省エネルギー・省資源に繋がる製品設計がされていること
  3. (3)長期使用を可能にするための製品設計がされていること
  4. (4)使用後に回収され、原料または各種素材としてリサイクルされること

3.4.ペットボトルリサイクル推奨マーク

ペットボトルリサイクル推奨マークのイメージイラスト

財団法人日本容器包装リサイクル協会では、「自治体または事業系ルートで回収され、日本国内で再商品化されたフレーク、ペレットまたはパウダーが25%以上原料として使用されており、商品の主要構成部材として利用されている」などの要件を満たした商品にペットボトルリサイクル推奨マークの表示を許可しています。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター
TEL:03-3481-1977  FAX:03-3481-2900
住所:〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10 地図
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