適合性認定

計量トレーサビリティとは

測定・試験データを国際的に相互比較し、受入れられるようにするために、データが一定の基準からどのくらいの位置にあるのかを統一的に特定して行こうとする考え方です。

「計量トレーサビリティ」の意味

「計量トレーサビリティ」は、ISO/IEC Guide 99:2007 [ 国際計量計測用語-基本及び一般概念並びに関連用語(VIM) ]において、次のように定義されています。

“個々の校正が測定不確かさに寄与する、文書化された切れ目のない校正の連鎖を通じて、測定結果を計量参照に関連付けることができる測定結果の性質。”

これらは、具体的には

  • 「切れ目のない校正の連鎖」
  • 「測定の不確かさ」
  • 「文書化(=校正記録や校正証明書)」
  • 「能力(校正技術)」
  • 「国際単位系(SI)への参照」
  • 「適切な周期での再校正」

という、6つの構成要素で実現されることになります(ISO/IEC Guide 99:2007 2.41注記7参照)。このように、昨今、現場における測定結果が、切れ目のない比較(校正)の連鎖を通じてより上位の標準へと遡る(トレース)過程の能力を文書化して表明することが重要視されるようになってきています。

これら6つの要素はISO/IEC 17025で認定された(=上位標準から切れ目なく校正を受けた、きちんとした管理体制と技術能力のあることが認められている)校正機関で校正を受けることによって最も確実かつ合理的に実現されます。ISO/IEC 17025で認定された認定校正機関の発行する認定シンボル付きの校正証明書は、それ自身でこのことを証明できるという非常に便利な手段です。

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なぜ「計量トレーサビリティ」が必要になってきたのでしょうか?

わかりやすいたとえ話:ザンジバール島の時計

従来は、国内のそれぞれ関係する企業グループの中や国内だけで統一的な計測管理ができていれば、一貫した品質の部品が供給され、そのグループ内の製品の品質が保証できるという仕組みになっていました。

 

昨今、産業や取引のグローバル化に伴い、海外も含めたいろいろな出所の部品を購入して製品を製造する場合、基準がまちまちでは製品の品質が安定しないため、基準をどこかに決めて統一的に管理する必要が出てきました。

 

東西冷戦時代に、アメリカはロシアに先んじて宇宙開発するため、違う出所の部品を一定の品質で効率よく調達する必要がありました。この時に導入されたのが、この「計量トレーサビリティ」の考え方でした。
この動きは、近年、各国間同士のデータのやり取りや国際貿易においても、技術的インフラとして重要となってきています。

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「計量トレーサビリティ」を説明する資料はないの?

認定センターではQMS審査登録機関等向けに、トレーサビリティの利用に関する説明会を実施しています。説明資料はこちらです。

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「計量トレーサビリティ」の情報を得るには?

日本を含め世界の国立標準研究所はどんな状況か・・・・BIPMの基幹比較データベース
JCSSで確保されるトレーサビリティ体系は・・・ JCSSで確保されるトレーサビリティ体系
JCSSの登録・認定事業者についての情報は・・・JCSS事業者一覧
標準物質供給機関についての情報は・・・RMinfo (国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センターホームページ)

認定センターは、JCSSを始めとする校正機関のISO/IEC 17025認定を通じて、「計量トレーサビリティ」確保をサポートしています。

お問い合わせ

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TEL:03-3481-1946  FAX:03-3481-1937
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