項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 128-37-0 |
名称 | 2,6-t-ブチル-p-クレゾール (別名:ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)) |
物質ID | 25B0034 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - |
データがなく分類できない。旧分類の発火点345℃(GESTIS(Access on September 2006))が確認できず、分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットLD50値について5件の報告がある(890 mg/kg(環境省リスク評価第6巻(2008))、 1,700-1,900 mg/kg(DFGOT vol.23(2007))、 2,450 mg/kg(DFGOT vol.23(2007))、 > 2,930 mg/kg(SIDS(2002))、 > 10,000 mg/kg(SIDS(2002))が、890 mg/kg(環境省リスク評価第6巻(2008)の報告は詳細不明であるため不採用とし、4件中の3件が該当する区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - |
ラット LD50値が > 2,000 mg/kg であり、2,000 mg/kg の投与で死亡、毒性症状がない(SIDS(2002))との報告より、区分外とした。JIS分類基準に従い、区分5から区分外に変更した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギの閉塞塗布試験で非常に軽度の刺激との記載があり、またヒトに軽度の刺激あり(SIDS(2002))との記載がある。List 3のCERIハザードデータ集(1997)を削除し、以上の情報に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
ウサギを用いたドレイズ試験において、本物質100 mgを適用24時間後で、結膜に軽度の炎症が6/6例にみられたが、72時間後には完全に回復した(SIDS(2002))との記載より区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。SIDS(2002)とIUCLID(2000)に、モルモットを用いた試験で陰性とのデータがあるが、SIDS(2002)は限定的なデータとしている。また、ヒトに関しては、SIDS(2002)では、多数の作業者や患者に対して実施されたパッチテストにおいてすべて陰性であったとの結果があるが、本物質が完全に感作性なしとは判断できないとしている。List 3のCERIハザードデータ集(1997)を削除し、入手した情報を再確認した結果に基づき、分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | 分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。In vivoでは、マウスの相互転座試験、マウス及びラットの優性致死試験、マウスの特定座位試験、マウス骨髄細胞の小核試験、マウス及びラットの骨髄細胞の染色体異常試験でいずれも陰性(環境省リスク評価第6巻(2008)、 SIDS(2002))の報告がある。In vitroでは、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験は細胞毒性濃度において陽性知見が認められるものの、細菌の復帰突然変異試験では陰性であり、また、in vitro染色体異常試験では一部陽性知見が示されている(環境省リスク評価第6巻(2008)、SIDS(2002)、ACGIH(7th, 2001)、NTP DB(2013))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | IARCでグループ3(IARC 40(1987))、ACGIHでA4(ACGIH(1995))に分類されていることから、分類できないとした。ガイダンス改訂により分類区分を変更した。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
マウスに混餌投与した3世代試験では各世代ともに生殖発生毒性は認められなかったが、ラットに混餌投与した2世代試験で、F0において一般毒性がみられない用量で同腹児数の減少が認められた(SIDS(2002))。妊娠マウス及びラットへの経口投与では発生毒性は生じないが、母動物に顕著な毒性(死亡率10%以上)がみられる用量で胎児に骨化遅延がみられたに過ぎない(SIDS(2002))。したがって、本物質は発生毒性を生じないと考えられた。生殖能に対する影響については、ラットで認められたもののマウスでは認められていないことから、区分2とした。なお、ラットの2世代試験のデータについて、旧分類ではList 3の情報源を基にデータを採用し分類に用いたが、今回の分類にはSIDSのデータを採用し、最新ガイダンスにより分類したため分類結果が変わった。また、旧分類の分類根拠とされている無眼球症、小眼球症についての記載は、IARC 40(1986)において否定されているため削除した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質4 g又は80 gを摂取した女性2人に上部胃痙攣、吐気、嘔吐、疲労感、神経症状が見られたとの記述(SIDS(2002)、ACGIH(7th, 2001))、ヒトが経口摂取すると腹痛や錯乱、眩暈、吐気、嘔吐を生じるとの記述(環境省リスク評価第6巻(2008))から、区分1(神経系)に分類した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肺、肝臓) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
ヒトについての報告はなかった。マウスに4週間経皮投与した試験において、区分2のガイダンス値内の投与量(45 mg/kg/day(90日換算値))で肺のうっ血、腫大、肺胞上皮細胞の壊死、変性が認められた(SIDS(2002))。また、ラットに混餌投与(投与期間:雄は交配前5週間及び交配期間、雌はさらにF1児の離乳まで)した繁殖試験において、区分2のガイダンス値内の投与量(100 mg/kg/day)で肝臓の組織変化(小葉中心性肝細胞肥大、好酸性化、胆管増生)及び甲状腺機能亢進が見られた(SIDS(2002)、環境省リスク評価第6巻(2008))との記述がある。これらの所見のうち、甲状腺機能亢進は病理組織像の詳細及び程度が明らかでなく、甲状腺を標的臓器とするには証拠が十分ではないと判断した。以上の結果、区分2(肺、肝臓)とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)による48時間EC50=0.84 mg/L(環境庁生態影響試験, 1999; 環境省リスク評価第6巻, 2008)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
急速分解性がなく(BODによる分解度:4.5%(既存点検, 1979))、魚類(メダカ)のELS NOEC = 0.053 mg/L(環境省生態影響試験, 2007)であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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