項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 107-02-8 |
名称 | アクロレイン (再分類) |
物質ID | H26-B-003, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点-26℃ (closed cup)、沸点52.6℃ (HSDB (Access on June 2014)) に基づいて区分2とした。 なお、国連分類はUN1092、クラス6.1、副次危険クラス3、PGI (安定剤入りのもの) である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 分子内に自己反応性に関わる原子団 (不飽和結合) を含む。安定剤入りのものはタイプG。純物質及び安定剤含有量の少ない混合物については情報がなく、分類できない。安定剤としてはハイドロキノン0.1-0.25%が使用される (EU-RAR (2001))。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が220℃ (HSDB (Access on June 2014)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 低沸点の液体に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分2 |
危険 |
H300 | P301+P310 P361+P364 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、11 mg/kg (EPA RED (2008)、EPA RED Amendment (2009)、IRIS Tox. Review (2003))、26 mg/kg (環境省リスク評価第3巻 (2004))、29 mg/kg (IRIS Tox. Review (2003))、42 mg/kg (DFGOT vol.16 (2001))、46 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2007)、DFGOT vol. 16 (2001)、EHC 127 (1992)、EU-RAR (2001)、IARC 36 (1985))、7-46 mg/kg (CEPA (2000)、CICAD 43 (2002))、42-46 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2007)) との報告に基づき、区分2とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 | P302+P352 P280 P312 P321 P361 P364 P405 P501 |
ウサギのLD50値として、164-1,022 mg/kg の範囲内で11件の報告がある。ガイダンスの改訂により、最も多くのデータ (6件) (231 mg/kg (EPA RED (2008)、EPA RED Amendment (2009)、IRIS Tox. Review (2003))、238 mg/kg (EU-RAR (2001)、NITE初期リスク評価書 (2007))、335 mg/kg (EU-RAR (2001)、DFGOT vol. 16 (2001)、NITE初期リスク評価書 (2007))、560 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))、562 mg/kg (EU-RAR (2001)、DFGOT vol. 16 (2001)、NITE初期リスク評価書 (2007))、562 mg/kg (IARC 36 (1985)) が該当する区分3とした。なお、2件が区分2、1件が区分4、1件が区分2ないし区分4に該当する。また1件は複数データの集約であるため該当数に含めなかった。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 |
危険 |
H330 | P304+P340 P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットのLC50値 (4時間) として、7.4 ppm (EPA RED (2008))、7.8 ppm (EHC 127 (1991)、PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第3巻 (2004))、8.2 ppm (EPA RED (2008)、EPA RED Amendment (2009))、9.1 ppm (EHC 127 (1992))、9.2 ppm (DFGOT vol. 16 (2001))、7.8-65.4 ppm (NITE初期リスク評価書 (2007)) との報告に基づき、区分1とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (360,526 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ヒトに対する10%試験物質のパッチテストにおいて、適用 48 時間後に全被験者 (20 例) に水疱、壊死、炎症性細胞浸潤や乳頭層の浮腫がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001)、ATDSR (2007))。また、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において強度の刺激性 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001)) や、浮腫及び紅斑 (IRIS Tox. Review (2003)) が報告されている。以上の結果から、区分1とした。なお、本物質は、EU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「Skin. Corr. 1B H314」に分類されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
ウサギを用いた眼刺激性試験において、1%の試験物質の適用により強度の刺激性を示すという報告 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001))や、結膜浮腫 (EHC 127 (1992))、眼病変 (IRIS Tox. Review (2003)) を示すとの報告がある。ヒトに対するボランティアの試験において眼に対する刺激性が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001)、ATSDR (2007))。また、本物質は皮膚腐食性及び刺激性について区分1としており、眼に対する非可逆的作用を有すると考えられる。以上の結果から、区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験において陰性を示したとの報告がある (EU-RAR (2001)、NITE初期リスク評価書 (2007)、CEPA (2000))。しかしこの試験は詳細不明であり、EU-RAR (2001) は本試験から感作性について明確な判断ができないとしている。従って分類に用いるには不十分なデータと判断した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験で陰性、ラットの骨髄細胞及び末梢血リンパ球の染色体異常試験で陰性結果が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIAP (2000)、EU-RAR (2003))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性、陽性の結果が混じる (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIAP (2000)、EU-RAR (2003)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2007)) が、SIAP (2000)、EU-RAR (2003) では、これらの陽性結果は総じて細胞毒性を示す用量あるいはその近傍での誘発であり、細胞毒性による影響と評価している。なお、ヒトの培養細胞を用いるDNA単鎖切断やDNA-タンパク質架橋形成試験では陽性を示している (NITE初期リスク評価書 (2007))。 以上より、本物質は、DNAに対し損傷を与えるが、in vivoにおいては遺伝毒性を有しないと考えられた。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | IARCでグループ3 (IARC 63 (1995))、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2001))、DFGOTで3B (DFGOT vol. 16 (2001)) でいずれもヒトに対する発がん性物質として分類できないと報告されている。また、EPA (1988) ではCに分類されており、これはGHSの区分2に相当するが、このEPAの評価は古く、より新しい評価では、IRIS Tox. Review (2003) において発がん性については不十分、EU-RAR (2003)、SIAP (2000) においてもヒト発がん性を示すデータが不十分と評価している。以上より、「分類できない」とした。データを追加し区分を変更した。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 |
- |
- | - | ラットを用いた経口経路での2世代生殖毒性試験において、親動物毒性 (体重減少及び腺胃粘膜のびらん、前胃粘膜の過形成/角化亢進)、死亡) がみられる用量で児動物の体重低下がみられている (NITE初期リスク評価書 (2007))。ラットを用いた吸入経路の生殖発生毒性試験では、生存・死亡胎仔、吸収胚、黄体の数に影響はみられていない (環境省リスク評価第3巻 (2004))。 ラットを用いた経口経路での催奇形性試験において母動物の死亡 (14/40例) がみられる用量で、骨格異常、化骨遅延、胎児の平均及び同腹児体重の低下が認められた。一方、ウサギを用いた経口経路での催奇形性試験では母動物毒性がみられる用量において胚毒性、胎児毒性、催奇形性は認められていない (NITE初期リスク評価書 (2007))。 上記のとおり、生殖能に影響はみられず、児の発生に対しては重篤な母動物毒性がみられる用量でのみ影響がみられることから区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (呼吸器、中枢神経系、肝臓)、区分3 (麻酔作用) |
危険 警告 |
H370 H336 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトでは、経口経路あるいは吸入経路による有害影響は、主にばく露 (接触) 部位である胃あるいは気道に限局して生じ、大量摂取あるいはばく露時には衰弱、悪心、嘔吐、下痢、浅速呼吸、気管支炎、肺水腫、意識消失が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1973))。 ラット、マウス、ウサギ、あるいはモルモットでは、吸入経路で呼吸器刺激性、中等度の麻酔作用を起こすが数時間で回復 (ACGIH (7th, 2001))、また気管支あるいは気管に剥離、浮腫、炎症、うっ血、出血性壊死、さらに中枢神経系の抑制 (CICAD 43 (2002)、CEPA (2000))、鼻部の刺激、呼吸数減少、肺の変色、うっ血、出血及び壊死 (NITE初期リスク評価書 (2007)、CEPA (2000)、EU-RAR (2003)、IRIS Tox. Review (2003)) などが報告されている。経口経路では、肝臓の退行性変化 (微小空胞変性を伴った好酸性変性)、前胃及び腺胃の退行性変化 (重度炎症、出血性胃炎、多巣性潰瘍形成、フィブリン沈着、限局的出血、浮腫、多形核白血球浸潤) (CICAD 43 (2002)、CEPA (2000))、胃腸管の水腫及び出血、自発運動低下、昏睡、反射並びに筋緊張の消失、振戦、呼吸困難 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2003)、IRIS Tox. Review (2003)) が報告されている。 以上、本物質はばく露 (接触) 部位に刺激性が認められるほか、呼吸器、中枢神経系、肝臓に毒性影響を及ぼし、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 したがって、区分1 (呼吸器、中枢神経系、肝臓)、区分3 (麻酔作用) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトでの反復ばく露による知見はない。実験動物ではラット及びマウスに90日間強制経口投与した試験で、1.25 mg/kg/day以上の用量で、前胃及び腺胃に出血、壊死、炎症がみられ (NITE初期リスク評価書 (2007)、CICAD 43 (2002))、イヌに53週間強制経口投与した試験でも2 mg/kg/day投与群で嘔吐が観察された (EU-RAR (2003)) が、これら消化管への影響は本物質の刺激性によるものと考えられ、標的臓器の対象とはしない。 一方、吸入経路では本物質の蒸気をラット、ハムスター、モルモット、ウサギ及びイヌに90日間吸入ばく露した試験で、区分1の範囲内の濃度 (0.0005-0.0032 mg/L) で、各動物種間で概ね共通して鼻腔、気管支、肺に炎症性変化、上皮の扁平化生、過形成などがみられた。また、NITE初期リスク評価書 (2007) にはラット及びモルモットに肝臓の壊死がみられたとの記述があるが、EU-RAR (2003) には、全ての動物種で肝臓、腎臓等に非特異的な炎症がみられたと記述されている。さらに、ATSDR (2007) ではラット及びモルモットでみられた肝臓の壊死 (巣状壊死) は、より高濃度群ではみられなかったこと、これより後に実施されたより高濃度ばく露による別の試験でも、ラット (一部が死亡する濃度)、モルモット、ハムスター、ウサギ、イヌのいずれにも肝臓への影響がみられなかったことを付記している。なお、CICAD 43 (2002) でも本物質反復吸入ばく露による影響は鼻腔から肺までの呼吸器に限定的であり、体内の特定臓器に関する有害性の記述はない。 以上より、旧分類が採用した肝臓及び腎臓を標的臓器とする証拠は不十分であると判断し、区分1 (呼吸器) に分類した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
- |
- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
- |
- | - | - |
12 | オゾン層への有害性 | - |
- |
- | - | - |
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