項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 109-86-4 |
名称 | エチレングリコールモノメチルエーテル (再分類) |
物質ID | H26-B-022, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成24年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 |
警告 |
H226 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点39℃(closed cup) (ICSC (2003)) に基づいて区分3とした。 なお、国連分類はUN1188、クラス3、PGIIIである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が285℃ (ICSC (2003)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、鋼及びステンレス鋼は容器として耐久性がある。銅及びアルミニウムは腐食される (ホンメル (1991)) という情報がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、2,370-5,490 mg/kg の範囲内での10件の報告(PATTY (6th, 2012)、CICAD 67 (2010)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2009)、NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2006)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、ECETOC TR95 (2005)、DFGOT vol. 6 (1994)、EHC 115 (1990)) に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 |
警告 |
H312 | P302+P352 P280 P312 P321 P362 P364 P501 |
ウサギのLD50値として、1,280-3,920 mg/kg の範囲内で11件の報告がある。 ガイダンスの改訂により、最も多くのデータ (7件) (1,280 mg/kg (環境省リスク評価第4巻 (2005))、1,290 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、1,300 mg/kg (ECETOC TR95 (2005)、EHC 115 (1990))、1,300 mg/kg (EHC 115 (1990))、2,000 mg/kg (環境省リスク評価第4巻 (2005))、2,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、2,000 mg/kg (DFGOT vol. 6 (1994)) が該当する区分4とした。 なお、1件が区分5に該当し、3件は複数データの集約であるため該当数に含めずに分類した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 |
警告 |
H332 | P304+P340 P261 P271 P312 |
ラットのLC50値 (4時間) として、16,000 mg/m3 (=5,136 ppm) (CICAD 67 (2010)) との報告に基づき、区分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (8,193 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。現行分類の7時間データに代えて、新たな情報源 (CICAD 67 (2010)) の4時間試験データを優先して分類を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギを用いた一次刺激性試験が複数あり、本物質原液0.5 mLを4時間適用した試験 (EECガイドライン準拠) で、刺激性なし (NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005)、BUA 198 (1996)) との報告や、本物質483 mgを24時間適用した試験において軽度の刺激性ありとの報告がある (IUCLID (2000))。以上の結果より、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405) において、本物質原液0.1 mLを適用した結果、適用後24-72時間の刺激性の平均スコアが結膜発赤 1.3-1.1、結膜浮腫 0.5-0.2、角膜混濁 0.2-0.0を示し、刺激性なしとの報告がある (BUA 198 (1996))。また、別のウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質の原液0.5 mLの適用により刺激性はみられなかった (NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005)) との報告がある。以上の結果から、区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験の結果、感作性はみられなかった (CICAD 67 (2010)) との報告はあるが、試験条件及び試験結果を含め詳細不明のため分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラット及びマウスの優性致死試験、染色体異常試験、マウスの小核試験、ヒト末梢血及びマウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験で弱い陽性結果も混じるが概ね陰性の結果である (NITE初期リスク評価書 (2007)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2009)、CEPA (2002)、ECETOC TR95 (2005)、CICAD 67 (2010)、DFGOT vol. 6 (1994)、PATTY (6th, 2012))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性、ヒトリンパ球の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験、ヒト線維芽細胞の不定期DNA合成試験で、1例の染色体異常陽性結果を除きすべて陰性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2009)、CEPA (2002)、ECETOC TR95 (2005)、CICAD 67 (2010)、DFGOT vol. 6 (1994)、PATTY (6th, 2012))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
ラット、マウスを用いた経口経路 (飲水) での多世代生殖毒性試験において約20-200 mg/kg bw/day相当で生存産児数の減少、受胎率の低下、妊娠回数の減少等がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005))。 経口経路での催奇形性試験では、マウスにおいて母動物毒性がみられないか、体重増加抑制がみられる用量 (60-300 mg/kg/day) において胎児死亡、前後肢の指の奇形 (合指、短指、欠指、多指)、骨格奇形 (頚椎弓の分岐・分離)、外表奇形 (外脳) の発生率の増加、ラットでは、母動物毒性がみられない用量 (31 mg/kg/day相当) で心血管系の奇形 、アカゲザルでは、12 mg/kg/day以上で胎児の死亡、36 mg/kg/day では胎児の全例が死亡し、死亡胎児の1 例で両前肢に指の欠損が報告されている(NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005))。 吸入経路の催奇形性試験では、母動物に体重増加抑制がみられる濃度 (50 ppm) でマウスでは胎児に精巣低形成、骨格変異、ラットでは骨格変異、ウサギでは吸収胚の増加、胎児体重低値、外表奇形 (関節拘縮、内反足、無爪、短指、欠指、臍ヘルニア 等)、骨格奇形 (指骨欠損)、内臓奇形 (心室中隔欠損、鎖骨下動脈形成不全、無腎、腎奇形、腎盂拡張、横隔膜ヘルニア、卵巣欠損、膀胱低形成 等) が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005))。 経皮経路の催奇形性試験では、ラットにおいて母動物に体重増加抑制がみられる用量 (500 mg/kg) で外表奇形 (前肢屈曲)、内臓異常 (腎盂拡大、尿管拡張) が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005))。 以上のように、実験動物に対して明らかな生殖影響がみられており、また、産業衛生学会許容濃度等の勧告 (2013) で、生殖毒性第1群物質 (ヒトに対して生殖毒性を示すことが知られている物質) にリストアップされている(2013年提案暫定)。産業衛生学会許容濃度の提案理由書 (2009) には、ヒトでの生殖影響に関して「ラジオ・テレビ用のコンデンサー製造事業所において1970-1977年の間EGMEに平均4.6年間ばく露されていた女性労働者28人について追跡調査が行われた。28人から41人の子供が生まれた。妊娠中にばく露されていなかった子供を対照とした。その結果、ばく露群では先天異常及び染色体異常の頻度が有意に高かったとしているが、過去及び調査時点でのばく露レベルが不明であることと、本物質は遺伝毒性が陰性であり、観察された染色体構造異常頻度上昇には他の物質との混合ばく露の影響も考えられることから慎重な解釈が必要と思われる」と記載されている。 以上のように、実験動物に対して明らかな生殖影響がみられているが、ヒトへの影響は不明瞭である。従って、区分1Bとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) |
危険 警告 |
H370 H335 H336 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトにおいては、気道に軽度の刺激性を有する。吸入経路で、咳、咽頭痛、めまい、頭痛、吐気、嘔吐、錯乱を生じ、高濃度の場合には意識喪失の場合がある。経口経路では、事例報告より、急性影響として死亡、悪心、チアノーゼ、呼吸亢進、頻脈、代謝性アシドーシス、錯乱、激昂などの中枢神経症状、急性出血性胃炎、急性膵炎、腎臓の黒色化及び尿細管の変性、脳と髄膜にうっ血水腫 (NITE初期リスク評価書 (2007))、肝臓の脂肪変性、腎臓の黒色化及び尿細管の変性、脳及び髄膜の水腫、うっ血、代謝性アシドーシス、肺の障害 (環境省リスク評価第4巻 (2005)、CICAD 67 (2010)) の報告がある。さらに、CICAD 67 (2010) で、ヒト疫学的データから神経系への影響が示唆されるほか、血液系への影響があると明確な関連性が記載されている。 実験動物では、ラットなどで経口、吸入、経皮経路において、血液学的影響 (CICAD 67 (2010))、マウスの吸入で肺、腎臓の障害(産衛学会許容濃度の提案理由書 (2009)、ACGIH (7th, 2006))、経口で肺の浮腫、肝臓の軽度の傷害、腎臓の重度の傷害、ヘモグロビン尿(PATTY (6th, 2012))、ラット、マウスの395 mg/m3以上の吸入で、回避・逃避条件反応の抑制、バルビツール酸塩誘発性睡眠時間の延長、四肢の部分的麻痺といった神経毒性試験の報告 (CICAD 67 (2010)) がある。これらの所見は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。なお、肝臓、肺の所見については、本物質の二次的影響とした。 以上より、区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (血液系、精巣) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトの職業ばく露による疫学研究において、本物質にばく露された男性作業者の群では非ばく露対照群と比べて、赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値が有意に低下し、貧血の発症率は対照群の3.2%に比し、ばく露群では26.1%と増加していた。ばく露群において明確な血液毒性所見がみられた時点、その後、職場環境の改善を行った2.5ヵ月後及び6ヵ月後に作業場で測定した本物質気中濃度とばく露群における尿中代謝物 (メトキシ酢酸: MAA) 濃度を追跡測定した結果、両者は高い相関性を示し、本物質ばく露と血液毒性発症とは関連性があると考えられた (CICAD 67 (2010))。この他、疫学研究報告には精子形成阻害がみられたとの報告がある(NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005)、CICAD 67 (2010))。 実験動物では、ラットに13週間飲水投与した試験において、区分2に該当する用量 (70 mg/kg/day) で胸腺及び精巣の萎縮がみられ、マウスの13週間飲水投与試験でも区分外の高用量で精巣に重量減少及び組織変化がみられている (NITE初期リスク評価書 (2007)、CICAD 67 (2010))。また、ラット又はウサギに本物質蒸気を13週間吸入ばく露した試験においても、区分2相当の濃度 (0.31-0.93 mg/L) で、白血球数、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の減少、並びに精巣萎縮がみられている (NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005)、CICAD 67 (2010))。 以上より、ヒト及び実験動物での知見に基づき、区分1 (血液系、精巣) とした。なお、旧分類で採用された中枢神経系への影響(神経症状、脳症など) に関するヒトでの複数の知見はいずれも他物質との複合ばく露による急性又は反復ばく露影響であることを確認した (NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005)、CICAD 67 (2010)) ため、現行分類では標的臓器から削除した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
- |
- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
- |
- | - | - |
12 | オゾン層への有害性 | - |
- |
- | - | - |
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