項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 818-08-6 |
名称 | ジブチルスズオキサイド (再分類) |
物質ID | H26-B-051, R-022 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | ICSC (1999) では可燃性としているが、データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が279℃ (ICSC (1999)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水に不溶 (ICSC (1999)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないとみられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素 (Sn) と結合しているが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 | P301+P310 P361+P364 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、172 mg/kg、260 mg/kg (SIDS (2009))、520 mg/kg (EHC 15 (1980)) の3件の報告がある。2件が区分3、1件が区分4に該当するので、最も多くのデータが該当する区分3とした。なお、44.9 mg/kg、50 mg/kg (環境省リスク評価第8巻 (2010)) との報告もあるが、引用元がRTECSであり、SIDS (2009) ではこれらのデータを採用していないため、信頼性が不十分なものとして、分類には採用しなかった。新たな情報源 (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009)、EHC 15 (1980)) を追加し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (SIDS (2009))、ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (環境省リスク評価第8巻 (2010)) との報告に基づき、区分外とした。新たな情報源 (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009)) を追加し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ウサギに本物質の原液0.5 mLを4時間閉塞適用した結果、ごく軽度から軽度の浮腫及び紅斑がみられた。浮腫は72時間以内に回復したが、紅斑は観察期間 (14日間) を通して持続したとの報告がある (SIDS (2009))。 また、本物質は皮膚を刺激し、熱傷や痛みを生じることがある (環境省リスク評価第8巻 (2010)) との記載がある。以上の結果より区分2とした。SIDS (2009) の情報を追加し区分を変更した。なお、SIDS (2009) では、本試験に関して軽度の刺激性としているが、持続性の紅斑に基づき分類した。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405) において、最大スコアは19.5 (最大値110) であり、角膜浮腫、角膜血管新生、強膜静脈の形成がみられ、角膜に対する刺激性は21日後まで持続したとの報告がある (SIDS (2009))。以上の結果から区分1とした。情報の更新により区分を変更した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験において、母動物毒性がみられない用量 (19.9 mg/kg) において、外表奇形 (下顎裂、下唇裂、舌癒着、舌裂、外脳)、骨格奇形 (下顎骨癒合、頭蓋骨発育不全、肋骨癒合、肋骨欠損、椎弓癒合、上顎骨裂) がみられている (SIDS (2009))。 旧分類では母動物毒性に関する情報がなく区分2に分類していたが、母動物毒性が認められないことが判明したことから区分1Bとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) |
危険 警告 |
H370 H335 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
本物質は、気道を刺激する。また、中枢神経系に影響を与え機能障害を生じることがあり、死に至ることもある。吸入や経口摂取すると頭痛や耳鳴り、記憶喪失、失見当識を生じることがある (環境省リスク評価第8巻 (2010))。 実験動物では、ラットに本物質164-176 mg/kgを経口投与した結果、呼吸困難、鎮静、下痢、攻撃性の増加など物質に関連した行動学的な変化が示唆されるとの記載がある (SIDS (2009))。肺や肝臓に対する影響について、関連する知見は見当たらない。なお、実験動物への影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲であった。 以上より、本物質は中枢神経系への影響及び気道刺激性を有すると考えられ、区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | 本物質の反復ばく露に関する知見はなく、データ不足のため分類できない。なお、本物質は人工胃液中でジブチルスズ二塩化物 (CAS: 683-18-1) に変換するとの記述がある (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009))。 旧分類ではList 3の情報源より区分1 (肝臓、腎臓) と分類されたが、根拠と推定されるデータはList 1情報源からは特定されず、厳密には本物質ではなく、ジブチルスズ二塩化物の試験結果を主体とするジブチルスズ化合物のハザードとして分類された結果と推定された。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため、分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 | P273 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 1.5 mg DBTO/L (SIDS, 2006, CICAD 73, 2006) であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 | P273 P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BODによる分解度=0%(既存点検, 1984))、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 1.5 mg DBTO/L (SIDS, 2006, CICAD 73, 2006) であることから、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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