項目 | 情報 |
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CAS番号 | 7681-11-0 |
名称 | ヨウ化カリウム |
物質ID | H27-B-019/C-040B_P |
分類実施年度 | 平成27年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 (危険物/有害物) | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成22年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイト |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイト |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - |
爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - |
GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - |
エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - |
GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - |
GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - |
GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - |
不燃性である (GESTIS (Access on June2015))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - |
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - |
GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - |
不燃性である (GESTIS (Access on June2015))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - |
不燃性である (GESTIS (Access on June2015))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - |
水溶解度が測定されており、水と激しく反応しないと推定される。 水溶解度:148 g/100 g (HSDB (Access on June2015))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - |
GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - |
酸素を含まずハロゲン (I) を含む無機化合物であるがデータがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - |
無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - |
固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - |
データ不足のため分類できない。 なお、マウスのLDLo値として、1,862 mg/kgとの報告 (PATTY (6th, 202)) があるが、このデータのみでは分類できない。 なお、List3情報として、ラットのLD50値として2,779 mg/kgとの報告 (GESTIS (Accesss on June 2015)) があるが、引用元を確認できないため、分類には使用しなかった。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - |
データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - |
データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - |
データ不足のため分類できない。 なお、詳細は不明であるが、ヒトへの急性の毒性症状として、顔・首の浮腫の記載がある (CICAD 72 (2009))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
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H320 |
P305+P351+P338 P337+P313 P264 |
ウサギを用いた試験において、本物質 (3%溶液) を角膜に適用したところわずかな刺激性がみられ、刺激の程度は最大100に対し17であったとの報告がある (HSDB (Access on July 2015))。 以上の結果から区分2Bとした。 なお、長期連用による副作用として結膜炎、眼瞼浮腫などが記載されている (医療用医薬品集 2016 (2015))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - |
データ不足のため分類できない。 なお、本物質の長期連用による副作用として喘息発作が記載されている (医療用医薬品集 2016 (2015))。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - |
データ不足のため分類できない。 なおヒトに本物質の25%水溶液を適用した結果感作性はみられなかったとの報告があるが (GESTIS (Access on July 2015))、詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。 また、本物質の長期連用による副作用として発疹、じんま疹が記載されている (医療用医薬品集 2016 (2015))。 なお、日本産業衛生学会は、ヨウ素及びその化合物として皮膚感作性第2群としているが、全ての化合物が同定されているわけではないとの注意書きがある (日本産業衛生学会許容濃度の勧告 (2014))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - |
データ不足のため分類できない。 すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性である (ATSDR (2004)、CICAD 72 (2009))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - |
ヨウ素摂取と甲状腺がん発症との関連性については、複数の大規模疫学研究の結果、特にヨウ素欠乏の集団、風土病的な甲状腺腫多発地域など特定の集団ではヨウ素摂取量の増加が甲状腺腫瘍のリスク要因となるおそれのあることが示唆されたが、必ずしも全ての研究で発がんリスクの増加がみられたわけではなく、ヨウ素摂取と甲状腺腫瘍との関連性については、依然不明である (CICAD 72 (2009)) との記述、またヨウ素欠乏土壌に居住する住民の集団で、ヨウ素摂取の増加後に甲状腺がん、特に甲状腺乳頭がんの発生率の増加の報告もある (CICAD 72 (2009)、ATSDR (2004))。 実験動物では本物質を約50 mg/kg/dayの用量で生涯経口ばく露 (混餌) したラット雌雄に唾液腺腫瘍の発生 (雌雄を合わせた統計検定でのみ有意な増加) がみられたのみであったとの報告 (CICAD 72 (2009))、並びにニトロソアミンでイニシエーション後にラットに本物質を経口 (飲水) 投与した2段階発がん試験において、甲状腺濾胞上皮細胞がんを誘発したため、プロモーション作用が示唆されたとの報告 (CICAD 72 (2009)) がある。 ACGIHはヨウ素、及びヨウ化物に対し、2008年にA4に分類した (ACGIH (7th, 2008))。 以上より、本項は分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B 追加区分:授乳に対する、又は授乳を介した影響 |
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H360 H362 |
P201 P202 P260 P263 P264 P270 P280 P308+P313 P405 P501 |
ヒトでは摂取したヨウ素の体外への一排泄経路として、母乳中排泄があり、放射性ヨウ素を投与した研究結果から、吸収されたヨウ素の母乳への排泄率は甲状腺組織機能の状態により異なり、甲状腺機能亢進症の患者にヨウ化ナトリウム (Na123I) を経口投与後5.5日間に母乳中へ投与放射能の約2.5%が排泄されたとの報告 (CICAD 72 (2009))、同様に甲状腺機能亢進症患者で母乳中ヨウ素排泄率が約2.6%であったとの報告 (CICAD 72 (2009)) があるのに対し、甲状腺機能低下症の患者では放射性ヨウ化ナトリウムを経口投与後41時間以内に投与放射能の25%が母乳中に排泄されたとの報告がある (CICAD 72 (2009)、ATSDR (2004))。 ヒトでのヨウ素過剰摂取による健康影響としては、甲状腺腫、甲状腺機能障害、新生児、及び小児ではそれに関連したクレチン症、脳機能障害などが、また成人では生殖器系への二次的影響として、子宮出血、無排卵を含め月経周期異常を生じる可能性がある (ATSDR (2004)) との記述がある。 一方、実験動物ではヨウ素を妊娠ラットの妊娠期後半の12日間混餌投与 (2,500 mg/kg/day) した結果、母動物の25%が難産で分娩遅延をきたし、新生児死亡率の増加がみられたとの報告 (CICAD 72 (2009))、及び妊娠ウサギにヨウ化物 (本物質かは不明) を分娩前の2日間経口投与 (250 mg/kg/day) で、新生児の2/3が死亡したとの報告がある (CICAD 72 (2009))。 以上、ヒトでヨウ素の過剰摂取により、甲状腺機能障害をきたし、二次的影響として月経異常など性機能への影響が生じる可能性があること、吸収されたヨウ素が母乳中に排泄されるとの知見があること、母乳を介して新生児に移行したヨウ素が乳幼児の発達障害を及ぼす可能性が考えられる。 ヨウ化物への過剰ばく露による生殖毒性のヒトでの証拠は十分とは言えず、本項は区分1B として、授乳影響の区分を追加した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (甲状腺) |
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H370 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒト事例では、New York City Medical Examiners Office (USA) の報告によると、ヨードチンキ (ヨウ素をエタノールに溶かしたもので、添加物としてヨウ化カリウム (KI) が含まれる) の経口摂取による18例の自殺例があり、そのヨードチンキの濃度は、1,200-9,500 mg (17-120 mg/kg 体重)で、摂取後48時間以内に死亡が認められている他、本物質溶液 (ヨードとして15 g) で自殺を試みたが回復したとの報告もある (CICAD 72 (2009)、ATSDR (2004)、PATTY (6th, 2012))。また、ヨードの急性過剰摂取は、一過性の甲状腺ホルモンの産生を低下させるとの記載がある (ATSDR (2004))。 ヨウ化化合物による症状として、致死量あるいは致死量近傍の毒性症状は、腹部痙攣、出血性下痢、消化管潰瘍、顔・首の浮腫、肺炎、溶血性貧血、代謝性アシドーシス、肝臓の脂肪変性、腎不全であるとの記載がある (CICAD 72 (2009))。 (これらについては、詳細情報が記載されていないため、採用しなかった。) 以上より、本物質は甲状腺への影響があり、区分1 (甲状腺) とした。 新たな情報を追加し旧分類を見直した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (皮膚、甲状腺、全身毒性) |
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H372 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
薬物治療に本物質を経口摂取した例でヨウ素疹がみられている。 ヨウ素疹は、ざ瘡様膿疱を特徴とし、膿疱が合体した増殖性の結節病変が顔面、四肢、体幹などにみられた複数の事例があり、また、薬物治療に本物質を用いた例で発熱がみられた事例が報告されている。 また、本物質の過剰な経口ばく露により、甲状腺機能低下がみられ、一方、甲状腺機能亢進を示す事例も報告されている (ATSDR (2004)、CICAD 72 (2009))。 このほか、長期連用による重大な副作用として、ヨウ素中毒として皮膚や甲状腺の病変のほかに、喉頭炎、気管支炎、声門浮腫、喘息発作、唾液腺浮腫、耳下腺炎、胃炎、ヨウ素悪液質として、全身衰弱、心悸亢進、抑うつ、不眠、神経過敏などが記載されている (医療用医薬品集 2016 (2015))。 以上のように、皮膚、甲状腺のほか標的臓器の特定が困難な全身性の諸症状がみられた。 したがって、区分1 (皮膚、甲状腺、全身毒性) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - |
データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - |
適切なデータが得られておらず分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - |
適切なデータが得られておらず分類できない。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
2017/2/23 分類情報の修正:生殖毒性 (正誤表 (Excel file)) |
2016/6/8 公表 |