項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 99-65-0 |
名称 | m-ジニトロベンゼン |
物質ID | R01-B-049 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成20年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団としてニトロ基を含んでいるが、UNRTDGにおいて、UN 3443、クラス6.1に分類されており、優先評価項目である爆発物には該当しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | 可燃性との情報 (ICSC (2004)) があるが、データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団としてニトロ基を含んでいるが、UNRTDGにおいて、UN 3443、クラス6.1に分類されており、優先評価項目である自己反応性化学品には該当しないと考えられるため、タイプGとした。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | UNRTDGにおいて、UN 3443、クラス6.1に分類されており、優先評価項目の自然発火性固体には該当しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | 塩素及びフッ素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (N) と結合しているが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 湿性や希釈等により鈍性化がなされていないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分3とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 59 mg/kg (ATSDR (1995)、HSDB (Access on July 2019)) (2) ラットのLD50: 雄: 91 mg/kg、雌: 81 mg/kg (ATSDR (1995)、HSDB (Access on July 2019)) (3) ラットのLD50: 83 mg/kg (DFGOT vol.1 (1990)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994)、HSDB (Access on July 2019)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 |
警告 |
H312 |
P302+P352
P362+P364 P280 P312 P321 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 1,990 mg/kg (ATSDR (1995)、HSDB (Access on July 2019)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (GESTIS (Access on July 2019))。 (2) 詳細は不明だが、ウサギにおいて皮膚刺激性試験で刺激性を示さないとの報告がある (ATSDR (1995))。 【参考データ等】 (3) モルモットを用いた本物質を0.5%含む製剤の皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (ATSDR (1995))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) 本物質はウサギに対して軽度の眼刺激性を示す (ATSDR (1995))。 (2) 本物質は眼に軽度の刺激性と皮膚感作性を有する (GESTIS (Access on July 2019))。 |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 406に準拠したモルモット皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で陽性と報告されている (GESTIS (Access on July 2019))。 【参考データ等】 (2) 本物質はモルモットに対して皮膚感作性を示さない (ATSDR (1995))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性と陰性、哺乳類培養細胞の不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (ATSDR (1995)、DFGOT vol. 1 (1990)、IRIS (1998))。 |
6 | 発がん性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) の既存分類結果より、ガイダンスに従い、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでD (IRIS (1991)) に分類されている。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、精子形成に影響がみられ、雄の生殖能に影響がみられていることから区分2とした。 【根拠データ】 (1) 雄の離乳ラットに12週間強制経口投与し、無処置の雌と交配した試験において、精巣及び精巣上体尾部の無精子、精巣及び精巣上体重量減少、不妊がみられている (ATSDR (1995)、HSDB (Access on July 2019))。 (2) 雄ラットに経口投与した結果、5週間で精子形成低下を生じ、投与したラットの91%が授精能を喪失したが、投与中止5ヵ月で授精能が回復しなかったラットは18%のみであったことから部分的に可逆的であるとしている (ATSDR (1995))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、血液系、肝臓、生殖器(男性)) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分1 (中枢神経系、血液系、肝臓、生殖器 (男性)) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 電気部品製造工場の女性労働者1名が、本物質 0.5% (w/w) を含む溶液に浸漬された部品を扱う作業の開始3日後からチアノーゼ、全身不快感、食欲不振を生じて入院し、黄疸、触診可能な肝肥大、貧血を示した。この事例の調査を目的として、同様の作業を行なった男性ボランティア1名では、一回の作業直後に血中メトヘモグロビン濃度の増加 (約11%) が認められた。作業時に着用されていた手袋の内側から本物質が検出され、中毒は本物質の経皮吸収によるものと結論された (DFGOT vol.1 (1990)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994)、ATSDR (1995))。 (2) 本物質及び工業用ジニトロベンゼンの主要な急性毒性影響は、血液系 (メトヘモグロビン生成)、中枢神経系 (呼吸困難、めまい、知覚異常) 及び肝臓 (肝肥大、黄疸) に対する影響であるとの記載がある (DFGOT vol.1 (1990)、GESTIS (Access on July 2019))。 (3) ラットの単回経口投与試験において、本物質20 mg/kgで後肢開脚幅増加 (splayed hind limbs) と前肢の弛緩性麻痺、25 mg/kgで血中メトヘモグロビン生成 (28%) とチアノーゼが認められた (ATSDR (1995)、DFGOT vol.1 (1990))。別のラットの単回経口投与試験において、16 mg/kgでチアノーゼ、48 mg/kgで運動失調と平衡感覚喪失がみられた (ATSDR (1995))。更に別のラットの単回経口投与試験において、25 mg/kgで精巣にセルトリ細胞の空胞形成と生殖細胞の変性・剥離が認められた (DFGOT vol.1 (1990)) 。これらの影響がみられた用量は区分1に相当する。 【参考データ等】 (4) 工業用ジニトロベンゼンの主成分は本物質から成り、痕跡量のo-ジニトロベンゼン (CAS番号 528-29-0) 及びp-ジニトロベンゼン (CAS番号 100-25-4) が含まれる (DFGOT vol.1 (1990))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系、視覚器、血液系、肝臓、生殖器(男性)) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4) より、ヒトの経皮及び吸入ばく露で中枢神経系、視覚器、血液系、肝臓、腎臓への影響がみられている。(5)、(6) より、ラットへの経口投与で区分1の範囲で中枢神経系、血液系、脾臓、精巣への影響がみられている。このうち腎臓、脾臓への影響については血液毒性に伴う二次的変化と考えられる。したがって、区分1 (中枢神経系、視覚器、血液系、肝臓、生殖器 (男性)) とした。新たな情報源を加えて検討を行い、旧分類を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質へのばく露期間が1~6ヵ月間の3症例、6~12ヵ月間の3症例、及び1~3年間の8症例で視力障害がみられたとの報告がある (DEGOT vol.1 (1990))。 (2) ジニトロベンゼン (CAS番号 25154-54-5) は、肺及び皮膚から容易に吸収され、メトヘモグロビンを形成する。ばく露初期症状としてはチアノーゼ、頭痛、悪心、倦怠感などが出現し、形成されたメトヘモグロビンは消失しにくいとされ、肝障害を起こす。体内代謝物のニトロアニリンは溶血作用があり、肝毒性も強いとされる。肝障害時に急性黄色肝萎縮が生じる他、腎の変性、中枢神経の損傷も発現する (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994))。 (3) ジニトロベンゼン (CAS番号 25154-54-5) の亜慢性/慢性毒性としてチアノーゼが知られ、黄疸や視覚障害を伴う場合もある (DFGOT vol.1 (1990))。 (4) ジニトロベンゼン (CAS番号 25154-54-5) の作業者への慢性ばく露により貧血症が生じ、数例で肝障害が報告されている。視覚障害 (視力低下、中心暗点) が生じる (ACGIH (7th, 2019)。 (5) ラットに本物質を16週間飲水投与した結果、雄/雌: 1.13/1.32 mg/kg/day (区分1の範囲) で脾臓重量増加、2.64/3.1 mg/kg/day (区分1の範囲) の雄でヘモグロビン減少、精巣重量減少、精子形成の減少がみられた (ATSDR (1995))。 (6) 雄ラットに本物質を12週間 (5日/週) 強制経口投与した結果、0.75 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で脾臓の髄外造血亢進、1.5 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で脾臓重量増加、精子産生の減少、3 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上でよろめき歩行、平衡感覚の喪失、筋肉の硬直、精巣上体の精子数減少、非運動性精子及び形態異常精子の増加、精細管萎縮、不完全な精子形成がみられた (ATSDR (1995)、HSDB (Access on July 2019))。 【参考データ等】 (7) 工業用ジニトロベンゼンの大部分はm-ジニトロベンゼンから成り、痕跡量のo-ジニトロベンゼン、p-ジニトロベンゼンが含まれる (DFGOT vol.1 (1990))。 (8) 工業用ジニトロベンゼンの毒性はm-ジニトロベンゼンの毒性と大きな違いはない。ヒト及び実験動物では血液、肝臓、中枢神経系が最も影響を受けやすく、脾臓への影響、実験動物では精巣への影響もみられる (DFGOT vol.1 (1990))。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
藻類(クラミドモナス)72時間EC50 = 0.1 mg/L(ECETOC , 2003)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(セレナストラム)の72時間NOEC = 0.063 mg/L(環境省生態影響試験, 2012)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 12 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 35 mg/L(いずれも環境省生態影響試験, 2005)であることから、区分3となる。 以上の結果を比較し、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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