項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 22781-23-3 |
名称 | 2,2-ジメチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル-N-メチルカルバマート (別名:ベンダイオカルブ) |
物質ID | R02-B-041-MHLW, MOE |
分類実施年度 | 令和2年度(2020年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 2006年度(平成18年度) |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、可燃性 (GESTIS (Access on May, 2020)) という情報がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分2 |
危険 |
H300 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(7) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 雄: 25 mg/kg、雌: 27.3 mg/kg (CLH Report (2014)) (2) ラットのLD50: 雄: 25~156 mg/kg、雌: 27~40 mg/kg (EU CLP CLH (2015)) (3) ラットのLD50: 雌: 34~40 mg/kg、雄: 40~64 mg/kg (CLH Report (2014)、食安委 農薬評価書 (2009)) (4) ラットのLD50: 40~45 mg/kg (ACGIH (7th, 2018)) (5) ラットのLD50: 雄: 45~48 mg/kg (CLH Report (2014)) (6) ラットのLD50: 雄: 71.9~155.9 mg/kg (CLH Report (2014)) (7) ラットのLD50: 108~156 mg/kg (ACGIH (7th, 2018)、食安委 農薬評価書 (2009)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 | P302+P352 P361+P364 P280 P312 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分3とした。 なお、旧分類の分類結果が誤っていたため、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 566 mg/kg (CLH Report (2014)、食安委 農薬評価書 (2009)、GESTIS (Access on May 2020)) (2) ラットのLD50: 雄: 566~800 mg/kg (ACGIH (7th, 2018)、食安委 農薬評価書 (2009)) (3) ラットのLD50: 雌: 800 mg/kg (CLH Report (2014)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 |
危険 |
H330 | P304+P340 P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分2とした。 なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.0004 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 0.47 mg/L (CLH Report (2014)、EU CLP CLH (2015)) (2) ラットのLC50 (4時間): 0.55 mg/L (EU CLP CLH (2015)) (3) ラットのLC50 (4時間): 雄: 0.61 mg/L (CLH Report (2014)、EU CLP CLH (2015)) (4) 本物質の蒸気圧: 3.45E-005 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.0004 mg/L)) 【参考データ等】 (5) ラットのLC50 (6時間): 250 mg/L (4時間換算値: 375 mg/L) (ACGIH (7th, 2018)、食安委 農薬評価書 (2009)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、軽度の刺激性と報告されている (JMPR (1982)、ACGIH (7th, 2018))。 (2) 皮膚に対して軽度の刺激性が認められたと報告されている (食安委 農薬評価書 (2009))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことからを分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた眼刺激性試験で、ごく軽度の刺激性と報告されている (JMPR (1982)、ACGIH (7th, 2018))。 (2) 眼に対してごくわずかな刺激性が認められたと報告されている (食安委 農薬評価書 (2009))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性と報告されている (ACGIH (7th, 2018))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において陰性と報告されている (食安委 農薬評価書 (2009))。 【参考データ等】 (3) 入手可能な情報からいくつかのカーバメートは軽度~中等度の感作性を有する可能性を否定できない (EHC 64 (1986))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、ラットを用いた優性致死試験、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験、マウスやウサギの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2009)、CLH Report ANNEX_3 (2006)、JMPR (1982)、ACGIH (7th, 2018))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験において陽性 (S9+) の報告がある(同上)。 (3) 食安委農薬評価書において「生体において問題となる遺伝毒性はないものと考えられた」との記載がある (食安委 農薬評価書 (2009))。 【参考データ等】 (4)代謝物の2,2-dimethyl-1,3-benzoxodiol-4-olは、細菌を用いた復帰突然変異試験において陰性であった (食安委 農薬評価書 (2009))。 |
6 | 発がん性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)~(3) より区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2018))、EPAでGroup E (Evidence of Non-Carcinogenicity for Humans) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):1997年分類) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2009))。 (3) 雌雄のマウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験において、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2009))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4) より、親動物毒性がみられる用量で、胎児、児動物に影響がみられていることから区分2とした。なお、新たな情報源を用いたため旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与での3世代繁殖試験において親動物毒性 (妊娠期間中の発育抑制(軽度)、雄で加齢性腎症の発生頻度増加及び重篤化、雌で不規則性周期) がみられる用量で、児動物に生存率低下がみられている (食安委 農薬評価書 (2009)、JMPR (1982))。 (2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (筋攣縮、唇鳴らし、流涎、振戦及び軽度 の体重増加抑制) がみられる用量で胎児に母動物あたりの総胚吸収及び着床後胚死亡 の発生頻度増加がみられ、これに関連して母動物あたりの生存胎児数減少が認められた (食安委 農薬評価書 (2009))。 (3) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害に特徴的な毒性症状) がみられる用量で、胎児に子宮内における後期の胎児死亡が認め られた (食安委 農薬評価書 (2009)、JMPR (1982))。 (4) 雌ウサギの妊娠6~28日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (全血ChE活性阻害 (20%以上)) がみられる用量で、胎児に眼の異常等が認められている (食安委 農薬評価書 (2009)、JMPR (1982))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (神経系) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分1 (神経系) とした。なお、新たな情報源を用いたため、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 男性ボランティアに0.004 mg/kgから出発して48時間間隔で5回、用量を増加させ、最大0.25 mg/kgまでの用量を経口投与した。0.125 mg/kgまでの用量投与では臨床症状も赤血球のAChEの阻害も生じなかったが、0.187 mg/kg以上の高用量2群ではめまい、吐き気及び嘔吐を含む症状とAChEの30~40%阻害が認められた。確認試験では影響を確認できなかったが、単回経口投与の用量が最高で0.12 mg/kgと低い (ACGIH (7th, 2018))。 (2) ラット、マウス、モルモット、ウサギの単回経口投与試験、ラットの単回経皮投与試験、ラットの吸入ばく露試験 (6時間) において、AChE中毒 (唾液分泌、縮瞳、振戦) がばく露後数分以内に見られた (ACGIH (7th, 2018)、食安委 農薬評価書 (2009))。 (3) 中毒の症状には、過度の発汗、頭痛、胸の圧迫感、めまい、吐き気、嘔吐、胃の痛み、唾液分泌、かすみ目、発話不明瞭、筋肉の痙攣などがある (HSDB (Access on May 2020))。 【参考データ等】 (4) 3人の男性のボランティアは、0.12 mg/kgの単回投与後、治療後30分で一過性うつ病が3人の被験者の1人に観察された (HSDB (Access on May 2020))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (神経系、眼) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分1の範囲で神経系への影響、(2) より、区分1の範囲で眼への影響が認められたことから区分1 (神経系、眼) とした。なお、新たな情報が得られたため旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌による90日間投与試験において、50 ppm (2.5 mg/kg/day、区分1の範囲) で全血コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害 (20%以上) が認められた (食安委 農薬評価書 (2009))。 (2) ラットを用いた混餌による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、20 ppm (1 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雄で水晶体混濁、200 ppm (10 mg/kg/day、区分1の範囲) の雌雄で脳ChE活性阻害 (20%以上)、雄で外的刺激に対する反応性亢進、前胃の過形成、過角化症または有棘層肥厚等が認められた (食安委 農薬評価書 (2009))。 (3) イヌを用いた混餌による16週間投与試験において、100 ppm (2.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 全血ChE活性阻害 (20%以上)、500/1,000 ppm (12.5/25 mg/kg/day、区分2の範囲) で脳ChE活性阻害 (20%以上)、甲状腺のC細胞限局性過形成及び限局性委縮 (雌雄各1例) が認められた (食安委 農薬評価書 (2009))。 【参考データ等】 (4) ラットを用いた90日間吸入ばく露試験 (投与頻度の記載なし) において、0.00197 mg/L以上で全血ChE活性阻害 (20%以上)、0.0193 mg/Lで肺胞マクロファージの増加及び脳ChE活性阻害 (20%以上) が認められた (食安委 農薬評価書 (2009))。 (5) ラットを用いた21日間経皮投与試験において、50 mg/kg/day (90日換算値: 12 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で全血ChE活性阻害 (20%以上)、200 mg/kg/day (90日換算値: 47 mg/kg/day、区分2の範囲) でChE阻害剤中毒に特徴的な毒性兆候 (詳細不明) が認められた (食安委 農薬評価書 (2009))。 (6) マウスを用いた混餌による2年間発がん性試験において、50 ppm (7.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌で腎絶対及び比重量増加、1,250 ppm (187.5 mg/kg/day、区分2超) で雄で白内障、精巣絶対及び比重量増加、雌で死亡率増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2009))。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.038 mg/L(EU CLP CLH, 2015)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.000882 mg/L(EU CLP CLH, 2015)から、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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