政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 68131-39-5
名称 ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(アルキル基の炭素数が12から15 までのもの及びその混合物に限る。)
物質ID R03-B-040-METI, MOE
分類実施年度 令和3年度(2021年度)
分類実施者 経済産業省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 引火点が165.56℃(closed cup)(REACH(Accessed May 2021))である。
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は235℃(REACH(Accessed May 2016))であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:5,000~10,000 mg/kgの間(REACH登録情報 (Accessed May 2021))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(CERI 有害性評価書 (2007)、REACH登録情報 (Accessed May 2021))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質に包含される複数の物質(ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-14、酸化エチレン付加モル数6(EO6)、C=12-14,EO3及びC=13,EO3))について、ウサギに対する皮膚刺激性試験(OECD TG 404、4時間適用、14日観察)において、重度の刺激性がみられ、皮膚刺激性指数(PII)は6.3~7.1であったとの報告がある(AICIS IMAP (2019)、HERA (2009))。

【参考データ等】
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、剪毛された背部に 0.5 mLの原液を閉塞塗布した。24 時間後に洗浄し、皮膚反応を観察した。72 時間後に再観察した。その結果、中等度から強度の刺激性を示したとの報告がある(CERI 有害性評価書 (2007))。
(3)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、21日観察)において、全例の紅斑スコアの平均は1.4、浮腫スコアの平均は0であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2021))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質に包含されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-13,EO6及びC=14-15,EO7)について、ウサギを用いた眼刺激性試験において、結膜のうに原液 0.1 mLを点眼し、1時間後と7日目まで毎日、その後は週毎に回復するまで観察した結果、強度の刺激性を示し、35日に至っても正常には戻らなかったとの報告がある(CERI 有害性評価書 (2007))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、原液を適用したところ、重度の刺激性がみられたとの報告がある。(AICIS IMAP (2019))

【参考データ等】
(3)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405 相当、7日観察)において、結膜発赤がみられたが、7日以内に回復したとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2021))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】

(1)本物質に包含されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-15)について、モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、皮内投与:0.05%溶液)において、惹起24時間、48時間後の陽性率はともに0%であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2021))。

【参考データ等】
(2)本物質に包含されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-13,EO6及びC=14-15,EO7)について、.5%水溶液を、それぞれ、176 名と144 名のボランティアに3 週間 (24時間、隔日、3 日/週) 閉塞適用して感作し、最終感作の17 日後に惹起を行った。48、96 時間後に皮膚反応を観察した結果、C12-13AE6 適用において1 名にのみ陽性反応が認められたが、C14-15AE7適用では全員陰性であった。C12-13AE6 陽性被験者は以前業務でC12-13AE6 を含む洗剤を扱ったことがあり、その洗剤でパッチテストを行ったところ、陰性であった。この結果、著者は、初めの陽性結果は疑陽性であろうと考察し、通常の使用濃度 (メーカー推奨濃度0.1%) では感作性を示すリスクは極めて低いと結論している。(CERI 有害性評価書 (2007))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラット又はハムスターの骨髄細胞を用いた小核試験(250~3,400 mg/kg、単回経口投与)で陰性の報告がある(AICIS IMAP (2019))。
(2)細菌復帰突然変異試験において、陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2021)、CERI 有害性評価書 (2007))。
(3)本物質に含有されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-14)について、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG474相当、GLP)で陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2021))。
(4)利用可能な試験結果から総合的に判断し、本物質に遺伝毒性はないものと見解を示している(AICIS IMAP (2015) )。
6 発がん性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)本物質に含有されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-13)及び(C=14-15)について、ラットを用いた2年間混餌投与試験で、1%(10,000 ppm:500 mg/kg/day相当)の用量まで腫瘍性病変の頻度増加は認められなかった(AICIS IMAP (2015)、CERI 有害性評価書 (2007))。
(2)本物質に含有されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C12-13)について、マウスを用いた18カ月間経皮投与試験において、250 mg/kg/day相当までの用量で投与に関連した病変は認められなかった(AICIS IMAP (2015)、CERI 有害性評価書 (2007))。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質に含有されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-13)を被験物質とする、ラットを用いた混餌投与による104週間反復経口投与試験において、250 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で肝臓の絶対重量増加傾向(雄)、心臓絶対重量減少(雌)、肝臓・腎臓・脳の相対重量増加(雌)がみられ、500 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で心臓と腎臓の絶対重量減少(雄)、肝臓の相対重量増加(雄)、腎臓絶対重量減少(雌)がみられたとの報告がある(CERI 有害性評価書 (2007))。
(2)本物質に含有されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=14-15)を被験物質とする、ラットを用いた混餌投与による104週間反復経口投与試験において、250 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で脳の絶対重量減少(雄)がみられ、500 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で肝臓・生殖腺・甲状腺の相対重量増加、副腎絶対重量減少(雄)、脳の相対重量増加(雄)、肝臓、腎臓、心臓及び甲状腺の絶対重量減少(雌)、腎臓及び心臓の相対重量増加(雌)がみられたとの報告がある(CERI 有害性評価書 (2007))。
(3)本物質に含有されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-13)を被験物質とする、マウスを用いた18ヵ月間反復経皮投与試験(3日/週)において、10 mg/kg/day(ガイダンス値換算:4.29 mg/kg/day、区分1の範囲)で用量に依存した影響はなかったとの報告がある(CERI 有害性評価書 (2007))。
(4)本物質に含有されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=12-13)を被験物質とする、ウサギを用いた13週間反復経皮投与試験(5日/週)において、20 mg/kg/day(ガイダンス値換算:14.3 mg/kg/day、区分1の範囲)で中等度の皮膚刺激がみられ、50 mg/kg/day(35.7 mg/kg/day、区分2の範囲)で紅斑、浮腫、亀裂、落屑、剥離を伴う中等度から強度の皮膚刺激がみられたとの報告がある(CERI 有害性評価書 (2007))。
(5)本物質に含有されるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(C=14-15)を被験物質とする、ウサギを用いた13週間反復経皮投与試験(5日/週)において、50 mg/kg/day(ガイダンス値換算:35.7 mg/kg/day、区分2の範囲)で軽度の皮膚刺激がみられたとの報告がある(CERI 有害性評価書 (2007))。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(ムレミカヅキモ)96時間EC50 = 0.7 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2007)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分1であることから、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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