項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 149961-52-4 |
名称 | (E)-2-[2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル]-2-メトキシイミノ-N-メチルアセトアミド(別名:ジモキシストロビン) |
物質ID | R03-A-004-MHLW, MOE |
分類実施年度 | 令和3年度(2021年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、可燃性との情報(GESTIS (Accessed Sep. 2021))がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140 ℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (N) と結合しているが、データがなく、分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50(GLP):> 5,000 mg/kg(CLH Report (2019)、EFSA (2005)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(CLH Report (2019)、EFSA (2005)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 |
警告 |
H332 |
P304+P340
P261 P271 P312 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLC50(4時間、粉塵):1.9 mg/L(CLH Report (2019)) (2)ラット(雌)のLC50(4時間、粉塵):1.3 mg/L(CLH Report (2019)、EFSA (2005)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n = 6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、9日観察)において、みられた影響は8日以内に回復した(紅斑・痂皮スコア:0/0/0/0.7/1/2、浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2019)、EFSA (2005))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n = 6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、みられた影響は72時間以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0/0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0/0.3/0/0、結膜発赤スコア:0/0.3/0.7/1.7/0.7/0.3、結膜浮腫スコア:0/0/0/0.7/0/0)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2019)、EFSA (2005))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモット(n = 20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:5%溶液)において、皮膚反応はみられなかったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2019)、EFSA (2005))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)4つのin vitro試験、及び1つのin vivo試験(染色体異常)のデータが評価されたが、本物質の遺伝毒性の証拠は示されなかった(EFSA (2005))。 |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた2つの2年間投与による発がん性試験では、高用量群で十二指腸粘膜の肥厚がみられたのみで腫瘍の発生増加はみられなかった(EFSA (2005))。 (2)マウスの18ヵ月間投与による発がん性試験では、最高用量群で十二指腸に腺腫と腺がんの発生頻度増加と前腫瘍性病変とみなされる限局性過形成が十二指腸にみられた(EFSA (2005))。 【参考データ等】 (3)発がん性分類結果として、EUではCarc. 2に分類している(CLP分類結果 (Accessed Sep. 2021))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、親動物に明らかな一般毒性影響がみられない用量から、児動物に心肥大、貧血、肝臓の黄色化、胸腺の低形成などがみられたため、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG 416、GLP)において、F0及びF1親動物に一般毒性影響がみられなかった用量(150 ppm)で、F1児動物に胸腺重量減少、肝臓の黄色化、心肥大(離乳時)が、500及び1,200 ppmでF0及び/又はF1親動物に体重低下/体重増加抑制、摂餌量減少、F1児動物に出生児数減少・死産児数増加・吸収胎児数増加、胸腺の低形成等、F2児動物に発達指標の遅延がみられた。なお、親動物の生殖能は影響を受けなかったとの報告がある(CLH Report (2019)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (2)ラットを用いた混餌投与による一世代生殖毒性試験(OECD TG 415、GLP)において、150 ppmで親動物に軽度の小球性低色素性貧血、児動物で貧血と網状赤血球増加が、500 ppm以上で親動物に摂餌量低下、小球性低色素性貧血、児動物に小球性低色素性貧血、心臓相対重量増加・心肥大(離乳時)、肝臓の黄色化、腎臓の蒼白化等がみられた。なお、親動物の生殖能は影響を受けなかったとの報告がある(CLH Report (2019)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 【参考データ等】 (3)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG 414、GLP)において、120 ppm以上で摂餌量減少、体重増加抑制、補正体重増加量減少がみられたが、300 ppmまで児動物に影響はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2019)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (4)2件のウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG 414、GLP)において、母動物に死亡を含む重篤な毒性を生じた用量(75~100 mg/kg/day)で、流産・妊娠子宮重量の減少、吸収胚増加・着床後胎児死亡率の増加、生存胎児に骨格変異(胸骨癒合)の増加等がみられたが、多くは母動物毒性による影響と考えられるとの報告がある(CLH Report (2019)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(全身毒性) |
警告 |
H371 |
P308+P311
P260 P264 P270 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(2)より、区分2(全身毒性)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、2,000(区分2の範囲)及び5,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)で全身状態不良、呼吸困難、アパシー、よろめき歩行、下痢などの症状がみられたが、6日後までに回復したとの報告がある(CLH Report (2019))。 (2)ラットを用いた単回吸入(粉塵)ばく露試験(4時間)において、0.51 mg/L(区分1の範囲)及び1.28 mg/L(区分2の範囲)で逃避行動、不規則(促進・間欠)呼吸、うずくまり姿勢、立毛、被毛の汚染等がみられたとの報告がある(CLH Report (2019))。 【参考データ等】 (3)ラットを用いた単回経皮投与試験において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で死亡例及び症状発現はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2019))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(消化管) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、消化管への影響(十二指腸粘膜の肥厚)が区分2の用量範囲でみられることから、区分2(消化管)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、300 ppm(21 mg/kg/day(雄)、24 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で十二指腸粘膜の肥厚がみられたとの報告がある(EFSA (2005))。 (2)ラット及びマウスを用いた長期の反復経口投与試験(ラット2年間、マウス18ヵ月間)において、ラットで十二指腸粘膜の肥厚、マウスで十二指腸粘膜の過形成がみられたとの報告がある(EFSA (2005))。 【参考データ等】 (3)ラット(雄、10週齢)に本物質4,500 ppm(232 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)を最長5週間混餌投与、又は3週(19日)間混餌投与後2週間休薬させ、血清中鉄レベルの経時的変化及び血液パラメータ測定を行った機序検討実験の結果、本物質投与群では投与開始24時間後から血清中鉄レベルの減少がみられ、休薬後11日後には回復し、対照群より高値を示した。投与群の30日後の血液検査では、ヘモグロビン、MCV及びMCHの顕著な減少がみられ、19日間投与後11日間休薬させた群ではこれら血液パラメータ値は改善傾向にはあったが、正常値までには戻らなったとの報告がある(CLH Report (2019))。 (4)本物質は血清中鉄レベルを低下させ、ヘモグロビン、MCH及びMCVの低下で特徴づけられる小球性低色素性貧血を生じる(CLH Report (2019))。 (5)十二指腸は鉄吸収の主要部位であり、十二指腸の肥厚と血清中鉄レベルの減少とは関連することが示唆される(EFSA (2005))。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
藻類(ナビクラ属)72時間ErC50 = 0.0078 mg/L(EU CLP CLH, 2019)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
急速分解性に関する十分なデータが得られていない。魚類(ニジマス)の97日間NOAEC = 0.001 mg/L(EU CLP CLH, 2019)から、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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