項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 108-57-6 |
名称 | m-ジビニルベンゼン |
物質ID | m-nite-108-57-6_v2 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
6 | 引火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 なお、o-,p-,m-の異性体混合物 (CAS番号1321-74-0) について、引火点76℃ (open cup) (ICSC (1997)) との情報があり「区分4」と推測されるが、混合比が不明なため採用しなかった。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団として不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 なお、o-, p-, m-の異性体混合物 (CAS番号 1321-74-0) の発火点は500℃ (ICSC (1997)) との情報から、「区分に該当しない」と推測されるが、混合比が不明なため採用しなかった。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 塩素、フッ素及び酸素を含まない有機化合物であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 | 令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1) ラットのLD50 (異性体混合物): 5 mL/kg (4,570 mg/kg) (環境省リスク評価書第14巻 (2016)) (2) ラットのLD50 (異性体混合物): > 2,000 mg/kg (環境省リスク評価書第14巻 (2016)) |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
【分類根拠】 (1) より、区分2とした。なお、本物質は異性体別のデータは確認できなかったため、異性体混合物のデータで分類した。 【根拠データ】 (1) 本物質の異性体混合物は皮膚及び眼に対して、中等度の刺激性を有する (PATTY (6th, 2012))。 【参考データ等】 (2) EU-CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315) に分類されている (EU CLP分類 (Access on November 2019))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。なお、本物質は異性体別のデータは確認できなかったため、異性体混合物のデータで分類した。 【根拠データ】 (1) 本物質の異性体混合物は皮膚及び眼に対して、中等度の刺激性を有する (PATTY (6th, 2012))。 (2) 本物質の異性体混合物 (0.1mL) のウサギの眼への適用は適用30秒以内に、中等度の痛み、不快感を呈すが、これらの症状は1時間以内に消失するが、結膜の発赤は適用8日後まで持続した (ACGIH (7th, 2001) Divinyl Benzene (異性体混合物))。 【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でEye Irrit. 2 (H319) に分類されている (EU CLP分類 (Access on November 2019))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。ACGIH (2022)で新たに評価されたため本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。 【参考データ等】 (1)本物質を含む、ジビニルベンゼンとエチルスチレンの混合物について、マウス(n=5/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)において、刺激指数(SI値)は4.09(25%)、5.00(50%)、6.78(100%)であり、EC3値は10.9%と算出されたとの報告がある(ACGIH (2022))。 (2)本物質を含む、ジビニルベンゼンとエチルスチレンの混合物について、ACGIHではDSENに分類されている(ACGIH (2022))。 (3)(1)のジビニルベンゼンとエチルスチレンの混合物は、ジビニルベンゼンとエチルスチレンの混合物(ジビニルベンゼン異性体類55%、エチルスチレン異性体類38~43%)である(ACGIH (2022))。 |
令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。なお、本物質は異性体別のデータは確認できなかったため、異性体混合物のデータを用いて分類を行った。そのため旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ジビニルベンゼン異性体混合物 (CAS番号 1321-74-0) について、in vivoでは、マウスの小核試験で陰性と陽性、染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験で陽性の報告がある (NTP TR534 (2006)、PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価書第14巻 (2016))。 (2) ジビニルベンゼン異性体混合物について、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及びマウスリンフォーマ試験で陰性の報告がある (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価書第14巻 (2016))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。本物質を含む異性体混合物の発がん性試験結果 (1)、(2) を用いた場合は、分類できないとなる。 【参考データ等】 (1) ラットに本物質を含む異性体混合物DVB-80 (m-ジビニルベンゼン (本物質) 60.3%、p-ジビニルベンゼン21.6%) を2年間吸入ばく露させた試験で、雄で尿細管がん及び脳に悪性神経膠細胞腫瘍 (2匹が星状膠細胞腫、1匹が乏突起膠細胞腫) がみられ、これらは自然発生率の範囲を超えていた。これより、NTPは雄ラットには発がん性の曖昧な証拠 (equivocal evidence) があると結論した (NTP TR534 (2006)、環境省リスク評価書第14巻 (2016)、PATTY (6th, 2012))。 (2) マウスに本物質を含む異性体混合物DVB-80 (m-ジビニルベンゼン (本物質) 60.3%、p-ジビニルベンゼン21.6%) を2年間吸入ばく露させた試験で、雌で肺腫瘍の発生率が自然発生率の範囲を超えていた。これより、NTPは雌マウスには発がん性の曖昧な証拠 (equivocal evidence) があると結論した (NTP TR534 (2006)、環境省リスク評価書第14巻 (2016)、PATTY (6th, 2012))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より、異性体混合物であるジビニルベンゼン (CAS番号 1321-74-0) では、親動物毒性がみられる用量で生殖毒性がみられており、区分2に分類される。異性体別の情報はなく異性体毎の分類は困難であることから、異性体混合物のデータを用いて分類を行った。したがって旧分類から分類結果が変更となった。 【根拠データ】 (1) 異性体混合物であるジビニルベンゼン (CAS番号 1321-74-0) のラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、1,000 mg/kg/dayで親動物の一般毒性として雌雄で体重増加抑制、雄でALT、GGT増加等、雌で死亡あるいは瀕死 (各1例)、腎臓の皮髄境界部尿細管の変性・壊死等がみられ、乳腺の発育不良及び巣作り不良、7/9例で新生児が全例死亡、黄体数及び着床痕数の低値がみられ、また総出産児数、哺育0日の新生児数、出生率、哺育4日の生存児数及び生存率の低値、分娩率及び児の産出率の低値傾向がみられている (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on November 2019))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) |
警告 |
H336 H335 |
P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
【分類根拠】 異性体混合物であるジビニルベンゼン (CAS番号 1321-74-0) に関する (1)、(2) の情報から、区分3 (麻酔作用、気道刺激性) とした。 (3) でみられた死亡例での肝臓傷害の所見に関しては、原典情報がなく詳細確認不能であることから根拠としなかった。異性体別の情報がなく各異性体毎の分類は困難であることから、異性体混合物のデータを用いて分類を行った。したがって旧分類から分類結果が変更となった。 【根拠データ】 (1) 異性体混合物であるジビニルベンゼン (各異性体の混合比不明) に急性吸入ばく露された労働者で呼吸器に対して軽度の刺激症状がみられ、皮膚および眼への接触により軽度の刺激症状がみられた (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価書第14巻 (2016))。 (2) ジビニルベンゼン (各異性体の混合比不明) をラットに3,312 ppmで7時間単回吸入ばく露した試験で、鼻汁、鼻炎、体重減少と嗜眠がみられた (ACGIH (7th, 2001))。 【参考データ等】 (3) 本物質とm-ジビニルベンゼン (CAS番号 108-57-6) を各々約21%及び約60%含有するジビニルベンゼンをマウスに400 ppmで6時間単回吸入ばく露した結果、全例が死亡した。剖検により肝臓の傷害 (変性、壊死) が認められた。200 ppmの単回ばく露では、死亡例はなかった (GESTIS (Access on October 2019)) |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 異性体混合物であるジビニルベンゼン (CAS番号 1321-74-0) に関する (1)~(4) の情報から、区分1 (呼吸器) とした。異性体別の情報がなく各異性体毎の分類は困難であることから、異性体混合物のデータを用いて分類を行った。したがって旧分類から分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) 本物質を約60%含むジビニルベンゼン (CAS番号 1321-74-0) を用いたラットの14週間吸入ばく露試験 (6時間/日、5日/週) では、100 ppm (ガイダンス値換算: 0.4 mg/L、区分2の範囲) 以上で嗅上皮の基底細胞過形成、200 ppm (0.8 mg/L、区分2の範囲) で嗅上皮の変性がみられた (NTP TR534 (2006))。 (2) 本物質を約60%含むジビニルベンゼンを用いたマウスの14週間吸入ばく露試験 (6時間/日、5日/週) では、全てのばく露群 (12.5~200 ppm (ガイダンス値換算: 0.05~1.1 mg/L、区分1の範囲~区分2超) の雌雄で鼻腔側壁、嗅上皮と嗅腺の壊死がみられ、雌では嗅上皮と嗅腺の萎縮を伴っていた。200 ppm (ガイダンス値換算: 1.1 mg/L、区分2超) の雄全例 (10/10) と雌9/10例が死亡し、死亡例では肝臓と腎臓の壊死がみられた (NTP TR534 (2006))。 (3) 本物質を約60%含むジビニルベンゼンを用いたラットの105週間吸入ばく露試験 (6時間/日、5日/週) では、100 ppm (ガイダンス値換算: 0.5 mg/L、区分2の範囲) 以上の全ばく露群で鼻腔嗅上皮の変性及び再生様変化、400 ppm (2.1 mg/L) の雄では肺の限局性慢性炎症の増加、腎尿細管の過形成及び腎症の頻度増加がみられた (NTP TR534 (2006))。 (4) 本物質を約60%含むジビニルベンゼンを用いたマウスの105週間吸入暴露試験 (6時間/日、5日/週) では、10 ppm (ガイダンス値換算: 0.05 mg/L、区分1の範囲) 以上の雌雄の異型性の細気管支過形成の増加、30 ppm (ガイダンス値換算: 0.16 mg/L、区分1の範囲) 以上の雌で肺胞上皮の過形成の程度と頻度の増加がみられた (NTP TR534 (2006))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
10 | 誤えん有害性 | 区分1 |
危険 |
H304 | P301+P310 P331 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 炭化水素である。 (2) 動粘性率が20℃で1.17 mm2/s (20℃での粘性率1.09 mPa・s (HSDB (Access on November 2019)) と密度0.9294 g/cm3 (HSDB (Access on November 2019)) から算出) であることから、40℃の動粘度が20.5 mm2/s以下である。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。情報の見直しにより、旧分類から分類結果が変更となった。 | 令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。情報の見直しにより、旧分類から分類結果が変更となった。 | 令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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