NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 110-89-4
名称 ピペリジン
物質ID m-nite-110-89-4_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点が4-16℃(Gangolli(2nd. 1999)、ICSC(J)(2003))と23℃未満であり、沸点が106℃(Merck(14th, 2006))の単一物質であることから初留点が35℃超が明らかである。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が365℃(ホンメル(1996))と70℃を超えている。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素または塩素、フッ素を含まない有機化合物である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
List 1の文書にLD50値としてラットのデータが3件(133 mg/kg, 447 mg/kg, 337 mg/kg)記載され(PATTY(5th,2001))、その中の2件が区分4に該当した。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
List 1の文書中にLD50としてラットのデータはなく、ウサギのデータが2件(257mg/kg、1000mg/kg)記載され(PATTY(5th,2001))、毒性値の低い方を採り区分3とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
ラットLC50(4h)<4000 ppm(PATTY(5th,2001))、ラットLC50(4h)>2000 ppm(HSDB(2008))、およびマウスLC50 = 1723 ppm/1h = 860 ppm/4h(PATTY(5th,2001))のうちマウスLC50より区分3とした。なお、20℃では蒸気圧30mbar(ホンメル(1996))より飽和濃度は約30000 ppmとなり、試験条件はほとんどミストを含まない蒸気とみなされる。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギを用いた試験で6匹の試験動物全てに壊死が観察され(PATTY(5th, 2001))、別の試験では腐食性があるとも記載されている(HSDB(2008))。また、ヒトの事故例で皮膚に3分以内の接触により重度の上皮損傷と化学熱傷が報告されている(PATTY(5th, 2001))。以上の動物およびヒトの情報に基づき区分1とした。なお、PH=12.6(20℃、100g/L)(GESTIS(access on 11.2008))、EUではR34に分類されている。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギ眼に適用により不可逆性の角膜損傷を示し(PATTY(5th, 2001))、あるいは別の試験で傷害程度が10段階評価のグレード9で重度の角膜損傷(HSDB(2008))が報告され、さらに一方では腐食性を有するとの記述(HSDB(2008))に基づき区分1とした。なお、PH=12.6(20℃、100g/L)(GESTIS(access on 11.2008))であり、また皮膚に対しては区分1に分類している。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - ゴム手袋着用によるアレルギー接触皮膚炎の症例4例中2例が、パッチテストでゴム手袋製造原料の一成分である当該物質ピペリジンに過敏症を示した(HSDB(2008))。しかし、現場でピペリジンを扱う作業者において1989-1998年の10年間に皮膚感作性の症例は観察されていない(HSDB(2008))ことから、報告された接触皮膚炎が本物質に因るかどうかが明確ではなく分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - マウスに最大耐量を経口投与による小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)での陰性結果(HSDB(2008))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験ではエームズ試験およびマウスリンパ腫細胞を用いた前進突然変異試験が一部で陽性(HSDB(2008))を示した。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - マウスに腹腔内注射により6.5週間、ラットに飲料水中0.1%で75週間および0.09%で50週間投与し、何れも発がん性の兆候は認められなかった(HSDB(2008))が、各試験とも1用量のみ試験で投与期間も短いなど現行ガイドラインから見て不十分な試験法で実施されているため、上述の陰性結果のみで区分外とするには疑義がある。したがって「分類できない」とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットの妊娠4日目に吸入ばく露により着床数および同腹胎児数が統計学的に有意に減少し、併せて有意な体重増加抑制が見られている(HSDB(2008))。別の4ヵ月間ばく露試験では、雄での精子形成の変化に加え妊娠期間を通したばく露を受けた雌で胚吸収率の増加が報告されている(HSDB(2008))。以上のように親動物での一般毒性が発現している用量で、着床数および同腹胎児数の減少、胚吸収率の増加など生殖毒性が認められたことから区分2とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ラットに経口投与後、100 mg/kgで脱力、呼吸困難、痙攣(PATTY(5th, 2001))を示し、別の試験では毒性症状として5~2000 mg/kgの用量範囲内で自発運動低下、振戦、呼吸影響、あるいはLD50値(337 mg/kg)を中心とした用量で自発運動低下、振戦、呼吸影響、運動失調、流涎がそれぞれ記載されている(HSDB(2008))。一方、ピペリジンは中枢神経シナプスの興奮または抑制をもたらすと記述されている(GESTIS(access on Nov. 2008))。以上より、毒性症状は神経系への影響と考えられ、低用量では100 mg/kgで認められていることから区分1(中枢神経系)とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ラットおよびウサギに1日4時間4ヵ月反復吸入ばく露により、0.01 mg/L(2.87ppm)[1日6時間補正値:0.008 mg/L(2.34 ppm)]で腎機能障害(利尿低下)、壊死域を含む心筋の瘢痕、肺胞壁の肥厚、肝臓蛋白のジストロフィー、腎臓の硝子滴変性等の影響が報告されている(HSDB(2008))が、一方、ラットに1日6時間4週間反復吸入ばく露した試験(OECD TG 412)において、0.348 mg/L(100 ppm)[90日補正値:0.107 mg/L(30.8 ppm)]で肝臓相対重量の軽度増加と体重増加抑制の傾向が記述されているのみで神経毒性を含めその他の影響については示されていない(HSDB(2008))。先の4ヵ月試験で観察された種ーの影響に関して、後の4週間試験では10倍以上の高濃度ばく露(0.008 mg/Lに対し0.107 mg/L)にも拘らず認められなかったことから、証拠としてのデータの一貫性・妥当性に疑義が残るため「分類できない」とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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