NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 11138-47-9
名称 過ホウ酸のナトリウム塩
物質ID m-nite-11138-47-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団(隣接した酸素原子)を含むが、不燃性(GESTIS (Accessed Nov. 2022))であり、区分に該当しない。なお、本物質には無水物(CAS登録番号:7632-04-4)一水和物(CAS登録番号:10332-33-9、15120-21-5、90568-23-3)、四水和物(CAS登録番号:10486-00-7、13517-20-9、125022-34-6、37244-98-7)、水和物数未定物質(CAS登録番号:10042-94-1)、一水和物でありナトリウム数不定物質(CAS登録番号:12040-72-1)が含まれる。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性(GESTIS (Accessed Nov. 2022))である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、20-150 ℃ で脱水反応、150 ℃ 以上で分解反応が起こることから(GESTIS (Accessed Nov. 2022)、Kocakusak S. et al., Ind. Eng. Chem. Res. (1997))、熱的に不安定とは言えないと考えられる。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性(GESTIS (Accessed Nov. 2022))である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性(GESTIS (Accessed Nov. 2022))である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 金属(Na)及び半金属(B)を含むが、水溶解度は15 g/L(GESTIS (Accessed Nov. 2022))との測定データが得られており、水と急激な反応をしないと考えられる。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素(B)と結合しているが、データがなく分類できない。なお、過ホウ酸のナトリウム塩一水和物は、UN 3377、クラス5.1、PGⅢに分類されている。また、可燃性物質と接触すると火災規模を拡大させる可能性があるとの情報(GESTIS (Accessed Nov. 2022))がある。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 無機化合物である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団(隣接した酸素原子)を含むが、不燃性(GESTIS (Accessed Nov. 2022))であり、区分に該当しない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
※:本物質には無水物(CAS登録番号:7632-04-4)一水和物(CAS登録番号:10332-33-9、15120-21-5、90568-23-3)、四水和物(CAS登録番号:10486-00-7、13517-20-9、125022-34-6、37244-98-7)、水和物数未定物質(CAS登録番号:10042-94-1)、一水和物でありナトリウム数不定物質(CAS登録番号:12040-72-1)が含まれる。以下、このCAS登録番号の定義に従い分類するものとする。

【分類根拠】
(1)~(3)より、有害性の高い区分を採用し、区分4とした。

【根拠データ】
(1)過ホウ酸ナトリウム一水和物(CAS登録番号:10332-33-9)におけるラットのLD50:1,120 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022)、AICIS IMAP (2018))
(2)過ホウ酸ナトリウム一水和物(CAS登録番号:10332-33-9)におけるラットのLD50:1,800 mg/kg(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022))
(3)過ホウ酸ナトリウム四水和物(CAS登録番号:10486-00-7)におけるラットのLD50:2,567 mg/kg(OECD TG401)(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022)、AICIS IMAP (2018))

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)過ホウ酸ナトリウム一水和物(CAS登録番号:10332-33-9)におけるウサギのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG402)(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022))

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
【分類根拠】
(1)より、区分4とした。

【根拠データ】
(1)過ホウ酸ナトリウム四水和物(CAS登録番号:10486-00-7)におけるラットのLC50(ダスト、4時間):1.16 mg/L(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022))

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)過ホウ酸ナトリウム一水和物0.2gを26名に4時間適用し72時間後まで観察した閉塞パッチテストの結果、1名で陽性反応がみられただけで、皮膚刺激性は陰性とされた(EURAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(2)過ホウ酸ナトリウム一水和物について、ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、軽度の刺激性がみられた(紅斑・痂皮スコア:1.3/1.3/0.7、浮腫スコア:0.3/1/0)(区分に該当しない範囲の結果)との報告がある(EU RAR (2007)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(3)過ホウ酸ナトリウム一水和物について、ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、4時間適用、72時間観察)において、平均刺激スコアは紅斑、浮腫ともに0であったとの報告がある(EU RAR (2007)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(4)過ホウ酸ナトリウム四水和物について、ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、4時間適用、72時間観察)において、平均刺激スコアは紅斑、浮腫ともに0であったとの報告がある(EU RAR (2007)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)~(3)より、区分1とした。

【根拠データ】
(1)過ホウ酸ナトリウム一水和物について、ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、21日間観察)において、24/48/72hの平均スコアは角膜混濁で2、虹彩で2、結膜発赤で3、結膜浮腫で2.3であり、1/3例でみられた影響は21日以内に完全回復しなかった(区分1に相当する知見)との報告がある(EU RAR (2007)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。
(2)過ホウ酸ナトリウム一水和物について、ウサギ(n=1)を用いた眼刺激性試験(21日間観察)において、中程度の角膜混濁、重度の虹彩炎及び結膜刺激影響(重度の紅斑、結膜の壊死)がみられ、21日以内には完全回復しなかった(区分1に相当する知見)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(3)過ホウ酸ナトリウム四水和物について、ウサギ(n=2)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405相当、21日間観察)において、1例で角膜の膨張、瞬膜の壊死、パンヌスがみられ、影響は21日以内に回復しなかった(区分1に相当する知見)との報告がある(EU RAR (2007)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。

【参考データ等】
(4)過ホウ酸ナトリウム四水和物について、ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(7日間観察)において、全例で7日後でも重度の角膜損傷、虹彩炎及び結膜炎がにみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(5)EUではEye Dam. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2022))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、(1)の過ホウ酸ナトリウム一水和物の知見は経皮投与濃度が不明のため、分類には用いなかった。

【参考データ等】
(1)過ホウ酸ナトリウム一水和物について、モルモット(n=10)を用いたBuehler試験(OECD TG406、GLP、経皮投与:濃度不明)において、惹起終了24時間後に皮膚反応(軽度の紅斑)が投与群及び対照群の各1/10例にみられたとの報告がある(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、in vivo試験がなくデータ不足で分類できないとした。

【根拠データ】
(1)過ホウ酸ナトリウム四水和物(CAS登録番号:10486-00-7)について、細菌を用いた復帰突然変異試験で陽性(S9-)の報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022)、EU RAR (2007)、SCCS (2010))。
(2)過ホウ酸ナトリウム塩(CAS登録番号:11138-47-9)について、細菌を用いた復帰突然変異試験で陽性(S9-)、並びにチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1)を用いた染色体異常試験では高濃度(10 μg/mL以上)で陽性(S9-)の報告(S9+では陰性)がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022)、EU RAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018))。
(3)過ホウ酸ナトリウムの変異原性は水溶液中での分解生成物である過酸化水素(H2O2)によるものであり、カタラーゼ存在下では過ホウ酸ナトリウムの変異原性は消失する。生体内(in vivo)では過酸化水素の消去機構が作動するため、in vitroの陽性結果は反映しないと考えられている(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)過ホウ酸ナトリウムは経口投与後にホウ酸(CAS登録番号:10043-35-3)と過酸化水素(CAS登録番号:7722-84-1)に分解され、尿中にはホウ酸として排泄されると考えられている(EU RAR (2007)、AICIS IMAP (2018))。
(2)過ホウ酸塩の分解物であるホウ酸と過酸化水素についての利用可能な情報から、過ホウ酸塩のグループ化合物は発がん性を有するとは考えにくい(AICIS IMAP (2018))。
(3)無機ホウ酸塩化合物(ホウ酸含む)及び過酸化水素の発がん性既存分類に関して、ACGIHではそれぞれA4及びA3に分類されている(ACGIH TLVs and BEIs (2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、過ホウ酸ナトリウム塩類(水和物含む)は胎児毒性及び催奇形性物質であると示唆され、(2)、(3)より、この発生毒性としての性質は体内での分解過程でホウ酸を生成することと関連していると考えられることから、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1)過ホウ酸ナトリウム四水和物(CAS登録番号:10486-00-7)について、ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、100~1,000 mg/kg/day)において、母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少)のみられない低用量(100 mg/kg/day)で外表奇形(無眼瞼症、無頭蓋症、外脳症、巨大舌、口蓋裂、口唇裂、顔面裂)が2腹の胎児6例にみられ、統計的に有意な発生頻度の増加であり、陰性対照背景データから判断して、極めて稀な奇形で検体投与の影響と考えられたとの報告がある。母体毒性が生じた中用量(300 mg/kg/day)以上では、着床前胚損失率の増加、早期吸収胚の増加、低体重、骨化遅延など明らかな胎児毒性がみられ、最高用量(1,000 mg/kg/day)では、外表異常(小眼球症、無眼球症)以外に内臓奇形(水腎症、腎臓形成不全、血管輪、位置異常/二重動脈弓、ボタラスの位置異常)及び骨格奇形(癒合肋骨)がみられたとの報告がある(EU RAR (2007)、SCCS (2010))。この報告に関して、奇形発生の増加は1,000 mg/kg/dayのみとする報告もある(AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。
(2)過ホウ酸ナトリウムとホウ酸(CAS登録番号:10043-35-3)は投与後の体内動態が異なり、作用機序は多少異なるものの、奇形発生のパターンから考えて、ホウ素の遊離によって胎児毒性、発生影響を生じることが示唆されたとの報告がある(AICIS IMAP (2018))。
(3)過ホウ酸ナトリウム塩類は反応性酸化物で水溶液中では過酸化水素を遊離し、ホウ酸ナトリウム/ホウ酸を産生し、これが生殖発生への有害影響の誘発原因と考えられているとの報告がある(EU REACH SVHC (2014))。

【参考データ等】
(4)EUでは過ホウ酸ナトリウム四水和物をRepr. 1Bに分類し(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2022))、これを本物質(過ホウ酸ナトリウム塩混合物)の分類にも準用し、SVHC候補物質リストに挙げている(EU REACH SVHC (2014))。
(5)主たる分解物と考えられているホウ酸(CAS登録番号:10043-35-3)の本項は区分1Bである(2013年度GHS分類結果)。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分3(気道刺激性)とした。

【根拠データ】
(1)過ホウ酸ナトリウム四水和物(CAS登録番号:10486-00-7)について、ラットを用いた単回吸入ばく露試験(ダスト、4時間)において、0.16 mg/L以上(区分1の範囲)で喘ぎ、赤色鼻分泌物、0.48 mg/L以上(区分1の範囲)で努力呼吸、1.1 mg/L以上(区分2の範囲)で驚愕反応喪失、赤色分泌物(眼、鼻、口)、下痢、喘ぎ、呼吸雑音がみられた。また、LD50は1.165 mg/L(区分2の範囲)との報告がある(EU RAR (2007)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。
(2)本物質の製造4工場の作業者に対するアンケートの結果、鼻粘膜への軽度回復性の刺激性影響がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2018)、EU RAR (2007))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)過ホウ酸ナトリウム四水和物(CAS登録番号:10486-00-7)について、ラットを用いた28日間強制経口投与試験において、1,000 mg/kg/day(90日換算:311 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)において、胃(前胃のアカントーシス及び過角化、噴門部粘膜の過形成)、血液系(赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット・リンパ球数の減少、血小板数の増加)、脾臓(全体と実質のサイズの減少)への影響がみられたとの報告がある(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2022))。
(2)過ホウ酸ナトリウム四水和物(CAS登録番号:10486-00-7)の10%水溶液について、ウサギを用いた3週間経皮投与試験(有傷皮膚)では、200 mg/kg/day(90日換算:44.4 mg/kg/day、区分2の範囲)で適用部皮膚はほぼ正常(わずかな刺激性)であり、他の臓器には異常はみられなかったとの報告がある(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2022))。
(3)過ホウ酸ナトリウム四水和物(CAS登録番号:10486-00-7)の2.5%水溶液について、ウサギを用いた13週間経皮投与試験(5日/週)では、50 mg/kg/day(同36.1 mg/kg/day)で皮膚及び全身への影響はみられなかったとの報告がある(EU RAR (2007)、SCCS (2010)、AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2022))。
(4)過ホウ酸塩の製造工場の作業者約100人を対象に肺機能検査が実施された結果、高濃度でのばく露が想定される作業場の作業者でさえ喘息や慢性気管支炎等の閉塞性肺疾患を示唆する所見はないと結論された。その後数年から20年以上追跡調査が実施された作業者においても努力性肺活量(FVC)、1秒量、肺活量、及びピークフロー値(PEF)の測定値からは肺機能の悪化は見られなかったとの報告がある。(AICIS IMAP (2018)、EU RAR (2007))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
藻類(ムレミカヅキモ)72時間ErC50 = 6.3 mg/L(REACH登録情報, 2022)であることから、区分2とした。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
-
- - 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。
本物質は水と速やかに反応し、分解すると考えられるが、慢性毒性を分類するための一般環境中における存在形態の情報が不足しているため、専門家判断により、分類できないとした。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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