NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 13429-07-7,34590-94-8
名称 1-(2-メトキシ-2-メチルエトキシ)-2-プロパノール
物質ID m-nite-13429-07-7_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点74℃ (測定法不明) (Lange (2017)) との情報が得られており、所定の密閉式測定法において引火点は60℃以上93℃未満と推定されるため、区分4とした。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(2)~(4)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分5)。なお、(1)より、本物質の異性体混合物であるジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGME)(CAS登録番号:34590-94-8)のデータを用いて分類を行った。

【根拠データ】
(1)本物質は個別では製造されておらず、異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)に40~50%含まれる形で市販されている(SIAR(2001))。
(2)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるラットのLD50:5,180~5,400 mg/kgの間(本物質換算:2,072~2,700 mg/kgの間)(SIAR (2001)、ECETOC TR (2005)、DFG MAK (1994))
(3)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるラットのLD50:> 5,000 mg/kg(本物質換算:> 2,000~2,500 mg/kg)(REACH登録情報 (Accessed July 2022))
(4)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるイヌのLD50:7,500 mg/kg(本物質換算:3,000~3,750 mg/kg)(SIAR (2001)、ECETOC TR (2005)、DFG MAK (1994))
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(2)~(5)より、区分に該当しない。なお、(1)より、本物質の異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)のデータを用いて分類を行った。

【根拠データ】
(1)本物質は個別では製造されておらず、異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)に40~50%含まれる形で市販されている(SIAR(2001))。
(2)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるウサギのLD50:9,500~19,000 mg/kgの間(本物質換算:3,800~9,500 mg/kgの間)(SIAR (2001)、DFG MAK (1994)、ECETOC TR (2005))
(3)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるウサギのLD50:> 19,000 mg/kg(本物質換算:> 7,600~9,500 mg/kg)(ECETOC TR (2005)、DFG MAK (1994))
(4)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるウサギのLD50:13,000~14,000 mg/kgの間(本物質換算:5,200~7,000 mg/kgの間)(DFG MAK (1994))
(5)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるウサギ(雄)のLD50:9,510 mg/kg(本物質換算:3,800~4,760 mg/kg)(REACH登録情報 (Accessed July 2022))
(6)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるウサギのLD50:19,020 mg/kg(本物質換算:7,610~9,510 mg/kg)(REACH登録情報 (Accessed July 2022))
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、異性体混合物では区分に該当しないが、40%~50%含まれる本物質に換算した場合、区分を特定できないことから、分類できない。

【根拠データ】
(1)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるラット(雄)のLC50(7時間):> 5.3 mg/L (本物質における4時間換算:> 1.59~2.19 mg/L)(SIAR (2002)、DFG MAK (1994)、ECETOC TR (2005)、REACH登録情報 (Accessed July 2022))
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(2)~(4)より、区分に該当しない。なお、(1)より、本物質の異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)のデータを用いて分類を行った。

【根拠データ】
(1)本物質は個別では製造されておらず、異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)に40~50%含まれる形で市販されている(SIAR(2001))。
(2)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、ウサギを用いた5つの皮膚刺激性試験で、いずれも刺激性みられなかったとの報告がある(SIAR (2002))。
(3)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、ウサギを用いた90日間経皮投与試験では、死亡例が生じた最高用量群(10 mL/kg/day)で軽度の刺激性(軽度の鱗状化)がみられたとの報告がある(DFG MAK (1994)、ECETOC TR95 vol. II (2005))。
(4)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、ウサギ(n=2)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、2時間適用、5日間観察)では、皮膚刺激性はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(2)、(3)より、区分に該当しない。なお、(1)より、本物質の異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)のデータを用いて分類を行った。用いる知見を精査し、分類結果を見直した。

【根拠データ】
(1)本物質は個別では製造されておらず、異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)に40~50%含まれる形で市販されている(SIAR(2001))。
(2)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、20%水溶液を10人に1滴適用したところ、軽度の一過性知覚刺激、結膜血管の充血、眼内圧の軽度増加を生じた。全ての影響は2時間以内に消失したとの報告がある(MOE 初期評価暫定的有害性評価シート (2011)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed July 2022))。
(3)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、ウサギを用いた眼刺激性試験において、結膜と眼瞼の縁に刺激性変化がみられたが、7日以内に回復したとの報告がある(SIAR (2002)、ECETOC TR95 vol. II (2005))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、200人の背部皮膚にDPGMEを5日間接触させ、3週間後にDPGMEを同じ部位に48時間適用したが、皮膚感作性反応はみられなかった。また、50人の皮膚にDPGMEを1日おきに4~5時間計10回適用し、3週間後に24~48時間適用したが、皮膚感作性反応はみられなかったとの報告がある。(SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed July 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、細菌復帰突然変異試験(OECD TG471準拠又は相当、GLP)で、代謝活性化の有無にかかわらず複数の陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2022)、SIAR (2001)、DFG MAK (1994)、ECETOC TR95 vol. II (2005))。
(2)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、CHL細胞及びCHO細胞を用いた2つの染色体異常試験(OECD TG473準拠又は相当、GLP)で代謝活性化の有無にかかわらず陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2022)、SIAR (2001)、DFG MAK (1994)、ECETOC TR95 vol. II (2005))。ラット肝細胞を用いた染色体異常試験でも陰性(S9-)の報告がある (REACH登録情報 (Accessed July 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データがなく分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質の構造関連物質のプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)(CAS登録番号:107-98-2)について、ラットとマウスを用いた2年間吸入ばく露による慢性毒性/発がん性併合試験(OECD TG453、GLP:300~3,000 ppm)において、ラットでは雄の腎臓腫瘍(α2u―グロブリン関連性腫瘍)を含め、ヒトに妥当性のある腫瘍発生の増加は認められなかった。マウスも腫瘍発生の増加は認められなかった(REACH登録情報 (Accessed July 2022)、SIAR (2001))。
(2)本物質を構成成分とするDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)はPGMEには完全には加水分解されない。DPGMEの14C-放射標識体を経口投与後にはPGMEやPGME酢酸塩を経口投与した場合の尿中放射能排泄比率より高い比率(投与放射能の60%)で14C-DPMGEを尿中排泄した。DPGME投与後の動物の尿中からはDPGME、PGME、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールとDPGMEの硫酸抱合体及びグルクロン酸抱合体が同定された。DPGMEの尿中代謝物はPGMEと同じタイプであることから、両者は同一の代謝経路を介して代謝されると結論される(REACH登録情報 (Accessed July 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質自体のデータはない。(1)より、異性体混合物のDPGMEの発生毒性の懸念は低いと考えられることから、主構成成分である本物質も同様と考えられる。ただし、受胎能など生殖影響に関する情報はDPGMEからは得られず、データ不足のため分類できないとした。

【根拠データ】
(1)本物質の異性体混合物のDPGME(CAS登録番号: 34590-94-8)について、妊娠ラットと妊娠ウサギを用いた吸入ばく露による発生毒性試験(EPAガイドライン、GLP:妊娠6~15日(ラット)、妊娠7~19日(ウサギ)、50~300 ppm(蒸気))において、ラット、ウサギともに技術的に達成可能な最高濃度の300 ppmまで、母動物毒性、胚/胎児毒性及び催奇形性はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2022)、SIAR (2001)、ECETOC TR95 vol. II (2005))。

【参考データ等】
(2)構造関連物質のPGME(Propylene Glycol Monomethyl Ether)について、ラットを用いた吸入ばく露による二世代生殖毒性試験(OECD TG416、GLP:300~3,000 ppm(蒸気))では、P1及びP2母動物に鎮静、体重低下が認められる3,000 ppmで、P1、P2雌に性周期延長、受胎率の低下、卵巣萎縮等、F1、F2児動物に発生・発達影響(出生児の体重低値、生存率低下、同腹児数の減少、膣開口及び包皮分離の遅延等)が認められたが、雌親動物の体重低下による全身状態悪化によるストレス等による影響、母体毒性の二次的影響と考えられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2022)、SIAR (2001))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性、麻酔作用)


警告
H335
H336
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(2)~(4)より、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。なお、(1)より、本物質の異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)のデータを用いて分類を行った。

【根拠データ】
(1)本物質は個別では製造されておらず、異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)に40~50%含まれる形で市販されている(SIAR(2001))。
(2)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)において、300~400 ppm(1,850~2,500 mg/m3)の気中濃度でヒトは極めて不快感を示すと報告されているとの報告がある(ECETOC TR95 (2005))。
(3)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)における中毒に関する公表報告はない。ボランティアは300 ppmの気中濃度で不快感を示した。35 ppm以上で軽度の鼻の刺激、75 ppm以上で眼と気道の刺激を生じる可能性があるとの報告がある(DFG MAK (1994)、SIAR (2001))。
(4)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるラットを用いた単回吸入(蒸気)ばく露試験において、3.03 mg/L(本物質換算:1.21~1.51 mg/L、区分1の範囲)で一時的な軽度の麻酔症状がみられたとの報告がある(SIAR (2001))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(2)~(7)より、経口及び経皮経路では異性体混合物、本物質換算ともに区分に該当しないが、吸入経路では異性体混合物で区分に該当しないものの、本物質換算では区分を特定できないため、分類できない。なお、(1)より、本項目は本物質の異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)のデータを用いて分類を行った。

【根拠データ】
(1)本物質は個別では製造されておらず、異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)に40~50%含まれる形で市販されている(SIAR(2001))。
(2)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるラットを用いた強制経口による4週間反復経口投与試験(GLP)において、1,000 mg/kg/day(本物質における90日換算:124~156 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で一過性流涎、肝臓絶対/相対重量増加(雄)、小葉中心性肝細胞肥大がみられたとの報告がある(SIAR(2001)、ECETOC TR (2005))。
(3)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるラットを用いた4週間経皮投与試験(4時間/日、5日/週)において、1,000 mg/kg/day(本物質における90日換算:286~357 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で影響はみられなかったとの報告がある(SIAR(2001)、ECETOC TR (2005))。
(4)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるウサギを用いた90日間経皮投与試験(5日/週)において、4,750 mg/kg/day(本物質換算:1,360~1,700 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で麻酔作用、死亡がみられたとの報告がある(SIAR(2001)、ECETOC TR (2005)、DFG MAK (1994)、REACH登録情報 (Accessed July 2022))。
(5)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるラットを用いた13週間吸入ばく露試験(GLP、蒸気、6時間/日、5日/週)において、1.21 mg/L(本物質換算:0.346~0.432 mg/L、区分2の範囲)で影響はみられなかったとの報告がある(SIAR(2001)、ECETOC TR(2005)、DFG MAK (1994)、REACH登録情報 (Accessed July 2022))。
(6)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるウサギを用いた13週間吸入ばく露試験(GLP、蒸気、6時間/日、5日/週)において、1.21 mg/L(本物質換算:0.864 mg/L、区分2の範囲)で影響はみられなかったとの報告がある(SIAR(2001)、ECETOC TR (2005)、DFG MAK (1994)、REACH登録情報 (Accessed July 2022))。
(7)本物質の異性体混合物DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)におけるラット、ウサギ、モルモット、サルを用いた吸入ばく露試験(蒸気、7時間/日、5日/週)において、1.82 mg/L(本物質換算:0.608~0.76 mg/L、区分2の範囲)で軽度の麻酔(ラット)、軽度の肝臓傷害(モルモット(雌)、ウサギ、サル)がみられたとの報告がある(DFG MAK (1994)、SIAR (2001))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データがなく分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。旧分類で使用されたデータが確認できなかったため、旧分類から分類結果が変更となった。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。旧分類で使用されたデータが確認できなかったため、旧分類から分類結果が変更となった。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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