NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 14166-21-3
名称 trans-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物(別名ヘキサヒドロ無水フタル酸のtrans-異性体)
物質ID m-nite-14166-21-3_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含んでいない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、可燃性との情報や引火点 (>100 ℃) を有するとの情報(GESTIS (Accessed Nov. 2022))がある。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。なお、水中で分解するととともに、湿気と反応するとの情報(GESTIS (Accessed Nov. 2022))がある。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素以外の元素と化学結合していない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含んでいない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質(ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)のtrans-異性体)自体のデータはない。(1)~(3)より、HHPAのcis-異性体とtrans-異性体の混合物(CAS登録番号:85-42-7)のデータに基づき区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50(HHPA異性体混合物):2,700 mg/kg(AICIS IMAP (2016))
(2)ラットのLD50(HHPA異性体混合物):2,700~2,800 mg/kg(ACGIH (2015))
(3)ラットのLD50(HHPA異性体混合物):4,040 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質(ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)のtrans-異性体)自体のデータはない。(1)より、HHPAのcis-異性体とtrans-異性体の混合物(CAS登録番号:85-42-7)のデータに基づき区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50(HHPA異性体混合物):> 2,000 mg/kg(ACGIH (2015)、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 【分類根拠】
異性体混合物がGHSの定義における固体であることから、本物質も固体であると考えられ、区分に該当しないとした。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質(ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)のtrans-異性体)自体のデータはない。(1)より、HHPAのcis-異性体とtrans-異性体の混合物(CAS登録番号:85-42-7)のデータでは区分を特定できず分類できないとした。

【参考データ等】
(1)ラットのLC50(HHPA異性体混合物)(ダスト、4時間):> 1.1 mg/L(ACGIH (2015)、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の知見を用い、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、ウサギ(n= 6)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、24時間適用、6日間観察)において、24/72hの全例の平均スコアは紅斑0.0、浮腫0.33であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(2)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の本項は、区分に該当しないと判定している(2016年度GHS分類結果)。

【参考データ等】
(3)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の6.25~50%溶液について、ウサギを用いた皮膚刺激性試験(24時間適用)において、軽微な刺激性がみられたとの報告がある(ACGIH (2015)、AICIS IMAP (2016))。
(4)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の50%溶液について、ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(24時間適用)において、適用終了直後に3/6例で浮腫がみられたが、72時間後には刺激症状は全くみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の知見を用い、区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(21日観察)において、3例の非洗眼群で21日後まで影響が持続したとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、ACGIH (2015)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(2)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の本項は、区分1と判定している(2016年度GHS分類結果)。

【参考データ等】
(3)本物質及び本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)はともにEUでEye Dam. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2022))。
(4)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(14日観察)において、重度の眼刺激性影響がみられた(角膜混濁スコア:1/1/1.3、虹彩炎スコア:1/1/1、結膜発赤スコア:3/3/3、結膜浮腫スコア:2/3/2.3)との報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の知見を用い、区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)が鼻炎、結膜炎、喘鳴、咳などの初期症状に続き、胸部締めつけ感、息切れ、夜間の喘息症状を伴う職業喘息を生じ、発症は数年遅れて生じる可能性があるという科学的な証拠がある。HHPAへの暴露は暴露が長期化した後には持続性の呼吸器過敏症を生じるおそれがある。HHPAへの長期暴露後に職業性喘息を含む呼吸器疾患の発生がいくつかの疫学研究で報告されており、HHPAが重篤かつ持続性の肺機能障害を生じる可能性が高いことが確認されている(EU REACH SVHC (2012)、ACGIH (2015))。
(2)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の本項は、区分1と判定している(2016年度GHS分類結果)。

【参考データ等】
(3)本物質及び本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、ACGIHでは呼吸器感作性物質としてRSENに指定している(ACGIH (2015))。
(4)本物質及び本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、EUではResp. Sens. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2022))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の知見を用い、区分1とした。なお、(1)は区分1Aを示唆する知見であるが、本物質を含む異性体混合物の知見であることから細区分せず、区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(皮内投与:0.5%)において、惹起24、48時間後の陽性率はそれぞれ19/20例(95%)、16/20例(80%)であった(区分1Aに相当する結果)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(2)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の本項は、区分1と判定している(2016年度GHS分類結果)。

【参考データ等】
(3)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、53名に5%溶液を経皮適用したところ、4名で弱い感作性反応、1名で顕著な反応がみられたとの報告がある。(AICIS IMAP (2015))。
(4)本物質及び本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、EUではSkin Sens. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2022))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号: 85-42-7)について、in vivoデータはないが、HHPAは急速に加水分解され、その加水分解物(HHP酸:CAS登録番号:1687-30-5)は腎臓から半減期2時間で排泄される。そのため、細胞内で遺伝物質と相互作用する可能性は低いと考えられる(AICIS IMAP (2016)、ACGIH (2015)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(2)HHPAについて、in vitroでは、ネズミチフス菌及び大腸菌を用いた復帰突然変異原性試験(OECD TG 471、GLP)、マウスリンパ腫(L5178Y)細胞を用いた遺伝子突然変異試験(OECD TG 476、GLP)及びヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(OECD TG 473、GLP)で、代謝活性化の有無に関わらず結果はいずれも陰性であった(AICIS IMAP (2016)、ACGIH (2015)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。





令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPAでは生殖及び発生に影響はみられていないものの、スクリーニング試験であること、発生毒性試験のデータがないことからデータ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)HHPA(異性体混合物)について、ラットを用いた強制経口投与による生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP)において、限度量の1,000 mg/kg/dayで親動物には明確な一般毒性影響(体重及び摂餌量の低下、脾臓・卵巣重量増加等)がみられたが、親動物の生殖影響並びに出生児には生後7日まで異常はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、区分3(気道刺激性)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)HHPA(異性体混合物)はヒトにおいて、一過性の影響(皮膚、眼、呼吸器への刺激性)がみられ、貧血、頭痛、発熱、めまいなどの一般的な徴候もみられるとの報告がある。(HSDB in PubChem (Accessed Nov. 2022))

【参考データ等】
(2)HHPA(異性体混合物)を被験物質とした、ラットを用いた単回経口投与試験において、2,520 mg/kgで死亡例はなく、症状として活動性低下、立毛、運動失調がみられた。LD50が2,700 mg/kgの他試験でも活動性低下、尿失禁がみられただけであったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(3)HHPA(異性体混合物)を被験物質とした、ウサギを用いた単回経皮投与試験において、2,000 mg/kgで適用部位の刺激がみられた以外に症状はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(4)HHPA(異性体混合物)を被験物質とした、ラットを用いた単回吸入ばく露試験(ダスト、4時間)において、達成可能な最高濃度の1.1 mg/Lでばく露中にみられた症状は活動性低下であった(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、HHPA(異性体混合物)のデータでは、経口経路では区分2上限近傍で胃粘膜刺激(局所刺激)のみで、全身毒性は区分に該当しない範囲でみられた。よって異性体混合物では区分2までの範囲では全身毒性を生じないと考え、経口経路では区分に該当しないと判断した。ただし、他経路では分類に十分な情報がなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)HHPA(異性体混合物)を被験物質とした、ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与試験において、300 mg/kg/day(90日換算:93.3 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で胃の刺激性変化(胃底腺部の過形成、腺胃部粘膜下の炎症、非腺胃部の過角化・上皮過形成・血管増生・粘膜及び粘膜下の炎症・潰瘍)、1,000 mg/kg/day(311 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で臨床症状(死亡、顎をこする動作、流涎、鼻甲介上皮の炎症細胞を伴う呼吸障害)、血液系(雄:白血球数増加、好中球・好酸球・単球・巨細胞比率の増加)、腎臓(雌雄:尿量・ナトリウム増加、腎皮質尿細管の塩基性化/皮質尿細管拡張、雄:尿素・クレアチニン増加など)等への影響がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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