NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 142844-00-6
名称 リフラクトリーセラミックファイバー
物質ID m-nite-142844-00-6_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (ICSC(J) (2012))。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (ICSC(J) (2012))。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
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-
- - 不燃性である (HSDB (Access on May 2016))。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水に不溶 (厚労省リスク評価書 (2014)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 無機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
セラミックファイバー製造作業者の疫学調査において大気中の繊維濃度の増加と皮膚刺激性の発生と関係がみられたといった報告があり (厚労省リスク評価書 (2014)、NIOSH (2006))、さらにNIOSHでは複数の疫学報告で本物質ばく露による皮膚刺激性がみられていることにより、防御対策を行うことを推奨している (NIOSH (2006))。よって区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
セラミックファイバー製造作業者の疫学調査において大気中の繊維濃度の増加と眼刺激性の発生との関係がみられたといった報告があり (厚労省リスク評価書 (2014)、NIOSH (2006))、さらにNIOSHでは複数の疫学報告で本物質ばく露による眼刺激性がみられていることにより、防御対策を行うことを推奨している (NIOSH (2006))。よって区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - In vivoデータはない。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性、小核試験で陽性、染色体異常試験で陽性、陰性の結果である (厚労省リスク評価書 (2014)、IARC 81 (2002)、ECHA (Access on August 2016))。厚労省リスク評価書 (2014) は、本物質の遺伝毒性は二次的なものと結論している。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
米国で本物質 (リフラクトリーセラミックファイバー:RCF) にばく露された作業者の疫学研究結果は本物質の発がん性を評価するには不十分とされた (IARC 81 (2002))。実験動物ではラットにRCF (95 WHO f (fibres)/cm3、繊維の約90%が長さ<3 μm、直径<0.3 μm、粒子:繊維の比が約4:1) を10 mg/m3 で12ヵ月間全身吸入ばく露し、最長32ヵ月後まで観察した試験で、肺腫瘍 (腺腫、がん、悪性組織球腫) が8/48例に、腹膜の中皮腫を含む悪性、良性腫瘍が各8例に認められたとの報告、ハムスターに RCF (Fibrefrax: 200 f/cm3、幾何平均径: 0.9 μm、幾何平均長: 22 μm、粒子/繊維比: 33:1) を10.8 mg/m3 で24ヵ月間、又はRCF1 (215 WHO f/cm3、幾何平均径: 0.78 μm、幾何平均長: 15.9 μm) を30 mg/m3 で18ヵ月間、いずれも鼻部ばく露した2つの吸入試験において、腹膜又は胸膜の中皮腫が前者では1/70例に、後者では42/102例に認められたとの報告がある (IARC 81 (2002))。この他、ラット及びハムスターに腹腔内投与した試験で、腫瘍発生頻度は繊維の長さと用量に関連したとの記述もある (IARC 81 (2002))。以上より、IARCは本物質の発がん性の証拠はヒトでは不十分であるが、実験動物では十分な証拠があるとして、グループ2Bに分類した (IARC 81 (2002))。また、EPAがB2に (IRIS Summary (1992))、日本産業衛生学会が人造鉱物繊維 (セラミック繊維、ガラス微細繊維) に対し第2群Bに分類している (許容濃度の勧告 (2015))。一方、EUはアルカリ酸化物+アルカリ土類酸化物 (Na2O + K2O + CaO + MgO + BaO) が18重量%以下の人造繊維は Carc. 1B に分類され、RCFはこの基準に該当するとして、Carc. 1B に分類した (ECHA SVHC Suppot Document (2011))。
以上、IARCなどの分類結果からは区分2相当となるが、実験動物2種で発がん性の十分な証拠があること、並びにEUの最近の分類結果を踏まえ、本項は区分1Bとした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ヒトでは本物質を含むセラミックファイバーが、作業者に対して一時的な上気道の刺激を引き起こすとの記述がある (ACGIH (7th, 2001) "Synthetic Vitreous Fibers")。 この情報に基づき、セラミックファイバーは平成19年度GHS分類で区分3 (気道刺激性) と分類されている。したがって区分3 (気道刺激性) とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトについては、米国とヨーロッパのコホート研究で肺機能障害を生じることが報告されている。米国のコホート研究では736名のセラミックファイバー製造作業者における呼吸器症状の相対リスクは男性で2.9、女性は2.4であった。ヨーロッパのコホート研究では累積ばく露と気道閉塞の関連は喫煙者と既喫煙者に限られていた。このコホートの更新されたものでは累積ばく露と肺機能に負の相関が認められた (IARC 81 (2002))。また、ヨーロッパのセラミックファイバー製造作業者に胸膜プラーク (肥厚斑) の過度の出現が認められたが濃度依存性は認められていない。米国のコホートでは胸膜異常と潜伏期間、ばく露の累積期間に相関がみとめられ、最もばく露の多いクラスであるばく露期間20年以上、潜伏期間20年以上、累積ばく露量135 fibres/cm3/月以上ではオッズ比が各々3.7、6.1、6.0であった (IARC 81 (2002))。
実験動物では、ラットを用いた12ヵ月間吸入毒性試験において区分1相当の0.003 mg/L以上で肺の炎症を示すマクロファージの浸潤、小肉芽腫が認められた (IARC 81 (2002))。
したがって、区分1 (呼吸器) とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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