NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 22248-79-9
名称 りん酸(Z)-2-クロロ-1-(2,4,5-トリクロロフェニル) ビニル=ジメチル (Tetrachlorvinphos)
物質ID m-nite-22248-79-9_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 自己反応性に関連する原子団 (不飽和結合) を含むが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水溶解度 (11 mg/L (20℃) (HSDB (Access on June 2016))) との測定結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - 酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、465~965 mg/kg (雌)、1,480 mg/kg (雄) (EPA TRED (2006))、4,000 mg/kg (雄)、9,100 mg/kg (雌) (IARC 30 (1983))、4,000 mg/kg (雄)、9,100 mg/kg (雌) (農薬時報別冊 (1993)) の6件の報告がある。2件は区分4に該当し、4件は区分外に該当するため、件数の最も多い区分外とした。ガイダンスの改訂に伴い、区分を見直した。
なお、本物質は専門家判断に基づき、情報源としてEPA TRED、IARC、農薬時報別冊のLD50値を優先的に採用した。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、> 10,000 mg/kg (雌雄不明) (IARC 30 (1983))、> 10,000 mg/kg (雌雄) (農薬時報別冊 (1993)) の2件の報告があり、ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (雌雄不明) (EPA TRED (2006)) の1件の報告がある。全て区分外に該当するため、区分外とした。ガイダンスの改訂に伴い、区分を見直した。
なお、本物質は専門家判断に基づき、情報源としてIARC、農薬時報別冊、EPA TREDのLD50値を優先的に採用した。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、ラットのLC50値として、> 3.61 mg/L (雌雄不明, ばく露時間不明) (EPA TRED (2006)) の1データの報告があり、マウスのLC50値として、1,500 mg/m3 (雄, ばく露時間不明) (農薬時報別冊 (1993)) の1データの報告があるが、いずれの報告もばく露時間が不明であり、4時間ばく露時の濃度が算出不可能であるため、これらの値からは区分を特定することはできない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギでごく軽度の刺激性が認められたとの記述があることから (EPA RED (1995))、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。ガイダンスに従い、区分を変更した。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた眼一次刺激性試験で中等度の刺激性 (虹彩炎及び発赤) が認められているが、3日後には症状が回復したことから (EPA RED (1995))、区分2Bとした。ガイダンスに従い、区分を変更した。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
モルモットの皮膚感作性試験 (ビューラー法を含む2試験) で感作性が認められている (EPA RED (1995))。また、モルモットを用いたマキシマイゼーション法で20匹中17匹に陽性が認められている (農薬時報別冊 (1993)) ことから、区分1とした。ガイダンスに従い、区分を変更した。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性 (HSDB (Access on June 2016))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (EPA RED (1995)、HSDB (Access on June 2016)、農薬時報 (1993))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ヒトの情報はない。実験動物ではマウスに80週間混餌投与で肝細胞腫瘍の増加 (雌雄)、ラットに同様に混餌投与で甲状腺C細胞腺腫の増加傾向 (雌) に加え副腎皮質腺腫の増加がみられたとの報告がある一方で、他のラットを用いた2年間混餌投与試験では投与と関連した腫瘍の増加はみられなかったとの報告がある (IARC 30 (1983))。IARCは本物質の発がん分類をかつてはグループ3としていた (IARC Suppl. 7 (1987)) が、最新の評価で実験動物での発がん性の証拠は十分としてグループ2Bに変更した (IARC 112 (in prep., Access on June 2016))。よって、本項は区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた混餌投与による3つの2世代又は3世代生殖毒性試験で親動物に体重増加抑制がみられる用量でも生殖能への悪影響はみられていない (HSDB (Access on June 2016))。一方、妊娠ラットに強制経口投与した発生毒性試験では、母動物毒性用量でも胎児に影響は認められなかったが、妊娠ウサギを用いた発生毒性試験では母動物に体重増加抑制がみられる用量で胚/胎児吸収の増加がみられたとの記述 (HSDB (Access on May 2016)) がある。以上、ウサギにおける発生影響を無視できないが、区分を付すにはデータ不足と判断し、分類できないとした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ヒトでは本物質はコリンエステラーゼを阻害し、神経系を過剰に刺激して、吐き気、めまい、錯乱を惹起し、さらに 事故や深刻な漏洩などの重度なばく露の場合には呼吸器系の麻痺と死亡を引き起こす可能性がある (HSDB (Access on June 2016))。また本物質を含む有機リン殺虫剤は、一般的に神経系のアセチルコリンエステラーゼを阻害する。アセチルコリンの蓄積により、軽症では頭痛、めまい、脱力感、中程度では吐き気、流涎、流涙、気管漏、下痢、嘔吐、筋線維束攣縮、重度では瞳孔収縮、呼吸困難、肺浮腫、チアノーゼ、痙攣、昏睡、徐脈又は頻脈、心虚血、不整脈などの症状が起こると記載されている (IPCS, PIM 001 (1989))。以上より区分1 (神経系) とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (神経系)


警告
H373 P260
P314
P501
ヒトについては、影響を示す報告はなく、ボランティアに毎日最大15 mgを摂食させた結果、血漿中及び赤血球中コリンエステラーゼ活性に影響がみられなかったとの報告がある (IARC 30 (1983))。一方、一般論として、有機リン系農薬の毒性影響は、もっぱら神経系でのアセチルコリンエステラーゼ活性の抑制に起因するといわれており (PIM G001 (1989))、本物質はヒトにおいてコリンエステラーゼ活性の抑制を引き起こす可能性があるとの記載がある (EPA TRED (2006))。
実験動物については、ラットを用いた混餌による13週間反復投与毒性試験において、区分2相当の 2,000 ppm (雄:43.2 mg/kg/day、雌:62.7 mg/kg/day) で血漿中及び赤血球中コリンエステラーゼ活性抑制、好塩基性尿細管 (雄)、副腎皮質脂肪蓄積増加 (雌)、小葉中心性肝細胞肥大 (雄は2,000 ppmのみ)、甲状腺濾胞細胞肥大が認められた (EPA RED (1995))。なお、副腎、肝臓及び甲状腺ついては適応反応あるいは二次的所見等が考えられることから分類根拠としなかった。
以上のように、ヒトにおいてデータはないものの一般論としてコリンエステラーゼ活性の抑制を引き起こす可能性が示唆され、実験動物においてコリンエステラーゼ活性の抑制が報告されていることから、区分2 (神経系) とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(オオミジンコ)LC50(時間不明) = 1.9 ppb(U.S.EPA: RED, 1995)であることから、区分1とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1986))、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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-
- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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