項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 25214-70-4 |
名称 | アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物 |
物質ID | m-nite-25214-70-4_v1 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類ガイダンス等(外部リンク) | ガイダンス一覧へ |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書へ |
FAQ(よくある問い合わせ) | よくある問い合わせへ |
情報源のリスト(Excelファイル) | 情報源のリストへ |
用語のリスト(Excelファイル) | 用語のリストへ |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortalへ |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体または固体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体または固体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体または固体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 | P370+P378 P210 P280 P403 P501 |
引火点70℃ (方式不明) (MOLBASE (Access on September 2015)) というデータがあり、所定の試験方法において区分4に該当すると考えられる。政府による分類では「区分4 (液体と判定された場合)」という条件付きである。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。政府による分類では「分類できない (固体と判定された場合)」という条件付きである。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。政府による分類では「分類できない (液体と判定された場合)」という条件付きである。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。政府による分類では「分類できない (固体と判定された場合)」という条件付きである。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体および固体で融点が140℃以下のものについては液体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない (試験温度140℃)。融点が140℃超のものについてはデータがなく分類できない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 酸素、フッ素及び塩素をほとんど含まない有機化合物 (ホルムアルデヒドの酸素は、縮合過程で外れると推察される)。政府による分類では「分類対象外(液体と判定された場合)」という条件付きである。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 酸素、フッ素及び塩素をほとんど含まない有機化合物 (ホルムアルデヒドの酸素は、縮合過程で外れると推察される)。政府による分類では「分類対象外(固体と判定された場合)」という条件付きである。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
- |
- | - | 本物質は別名がメチレンジアニリン (MDA) の工業等級品 (technical grade MDA) で、tri- and polynuclear amines (いわゆるポリマー) 可変成分の異なる含量で構成されるUVCB物質 (Substances of Unknown or Variable composition, Complex reaction products or Biological materials) である。EUでの調査によると、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を約47~65%未満の含量で含む本物質の典型的標準産物は、室温で液体であり、他の成分としては 2,4'-MDA (1.4~約10%)、2,2'-MDA (約 0.2~3%)、MDAのオリゴマー (約38.4~65%未満) などを含む (ECHA SVC Support Document (2011)、EU-RAR (2001))。 データ不足のため分類できない。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。(固体の場合) GHSの定義における液体である。(液体の場合) |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 固体か液体かで判定が分かれるもので、政府による分類では以下の理由により「分類対象外(固体の場合)、分類できない (液体の場合)」であるが、NITEにより「分類できない」とした。 GHSの定義における固体である。(固体の場合) データ不足のため分類できない。(液体の場合) |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ウサギの皮膚に本物質の主要な構成成分である4,4'-MDA (CAS番号: 101-77-9) 500 mgを24時間適用した皮膚刺激性試験において、軽度の紅斑がみられたのみであったとの報告がある (EU-RAR (2001))。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ウサギの結膜嚢に本物質の主要な構成成分である、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) 100 mgを適用した結果、軽度から中等度の刺激性がみられたが7日以内に回復したとの報告がある (EU-RAR (2001))。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質の主要な構成成分である、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) をモルモットに適用したマキシマイゼーション試験において、感作性はみられなかったとの報告があるが、ヒトに対するパッチテストにおいて感作性を引き起こしたとの報告が多数あることから、EUは4,4'-MDAはヒトに対して感作性をもつ可能性があるとしている (EU-RAR (2001))。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
本物質のデータはない。本物質はポリマーであり、標準的な工業グレードの本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を約47~65%未満、2,4'-MDA (1.4~約10%)、2,2'-MDA (約 0.2~3%)、MDAのオリゴマー (約38.4~65%未満) などを含む (ECHA SVC Support Document (2011)、EU-RAR (2001))。構成成分のうち1%以上含む成分の生殖細胞変異原性について、4,4'-MDAのデータが得られたが、2,4’-MDA、2,2’-MDAの生殖細胞変異原性のデータは得られなかった。従って、本物質の主要な構成成分である4,4'-MDAの生殖細胞変異原性について下記に示す。 4,4’-MDAは、in vivoでは体細胞変異原性試験 (小核試験、染色体異常試験) で陽性 (NTP DB (Access on March 2006)、EU-RAR (2001)、SIDS (2002))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色文体交換試験でいずれも陽性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001)、SIDS (2002))。 本物質は4,4'-MDAを1.0%以上含むことから、本物質の分類を区分2とした。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を含む混合物であり、4,4'-MDAの分類結果が適用可能である。 4,4'-MDAの国際機関による分類結果では、IARCがグループ2Bに (IARC 39 Sup.7 (1987))、ACGIH がA3に (ACGIH (7th, 2001))、NTPがRに (NTP RoC (13th, 2014))、日本産業衛生学会が2Bに (許容濃度の勧告 (2015))、EUがCarc. 1B に (ECHA CL Inventory (Access on August 2015))、それぞれ分類されている。これらのうち、分類ガイダンス上は、EUが区分1Bに、EU、NTP以外は区分2に該当する。 EU-RAR (2001) の評価では、4,4'-MDAはラット及びマウスの経口経路による発がん性試験において、甲状腺と肝臓に腫瘍発生率を有意に増加させ、ラットでは低頻度ではあるが膀胱移行上皮の乳頭腫がみられ、希少な腫瘍であるため、本物質投与との関連性が否定できないとされた。すなわち、実験動物では十分な証拠があると結論された (EU-RAR (2001))。一方、ヒトでは本物質への職業ばく露と膀胱がんの発生との関連性が示唆されたが、疫学知見からは関連性について明確な結論を導けないと結論された。これらより、4,4'-MDAは実験動物に対し発がん性物質であるが、ヒトに対しての発がん性については情報が不十分で、67/548/EEC指令の基準に照らし、カテゴリー2 (現行CLP分類でCarc. 1Bに該当) とした (EU-RAR (2001))。 以上、4,4'-MDの発がん性分類結果について、IARCの評価後に発がん分類を行ったEUの分類結果 (NTPの2014年評価とも矛盾しない) を採用し、本物質にも適用が可能であることから、本項は区分1Bとした。 なお、EUは4,4'-MDAの結果を本物質の発がん評価に適用し、区分1Bとなることから、本物質をSVHC指定した (ECHA SVHC Support Document (2011))。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を含む混合物であり、4,4'-MDAの分類結果が適用可能である。4,4'-MDAの生殖影響については、情報が極めて限られており、唯一、妊娠ラットに4,4'-MDAの塩酸塩50 mg/kg/day を妊娠14~20日に強制経口投与し、妊娠21日に帝王切開した結果、母動物に肝臓影響 (退色、胆管の増生、門脈域の細胞増殖及び初期線維化)、胎児に肝臓の組織変化 (肝実質の脂肪浸潤 (胆管と門脈域の区別ができないほど重度)) がみられたとの記述がある (DFGOT vol. 7 (1996))。なお、4,4'-MDAを約30%含む製剤 (EMP IV) を妊娠ラット又は妊娠ウサギに対し、器官形成期に強制経口投与した催奇形性試験では、いずれの試験でも母動物が死亡する用量まで投与しても、胎児に胎児毒性、奇形発生はみられなかったとの記述がある (環境省リスク評価第10巻 (2012))。以上より、4,4'-MDAは旧分類と同様に、DFGOTに記載のデータより、区分2が妥当と判断され、本物質についても4,4'-MDAの分類結果が適用可能であることから、本項は区分2とした。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、視覚器、心臓、肝臓、腎臓) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質のデータはない。本物質はポリマーであり、標準的な工業グレードの本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を約47~65%未満、2,4'-MDA (1.4~約10%)、2,2'-MDA (約 0.2~3%)、MDAのオリゴマー (約38.4~65%未満) などを含む (ECHA SVC Support Document (2011)、EU-RAR (2001))。構成成分のうち1%以上含む成分の単回ばく露毒性について、4,4'-MDAのデータが得られたが、2,4’-MDA、2,2’-MDAの単回ばく露毒性のデータは得られなかった。従って、本物質の主要な構成成分である4,4'-MDAの単回ばく露毒性について下記に示す。 ヒトにおいては、4,4’-MDAは経口、吸入、経皮経路による急性毒性症状として、吐き気、嘔吐、発熱、悪寒、右上腹部痛、黄疸を伴う急性肝炎、肝臓腫大、胆管炎、門脈域の炎症と胆汁うっ帯、肝細胞壊死及び変性、心筋の障害、心筋損傷をうかがわせる心電図異常、網膜障害の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012)、EU-RAR (2001)、ACGIH (7th, 2001))。実験動物 (ラット、マウスなど) では、4,4’-MDAは経口投与 (区分1相当の用量) で、出血を伴う肝細胞壊死、多巣性細胆管性肝炎、胆管壊死、肝傷害、腎傷害、網膜萎縮による失明、吸入ばく露 (区分1相当の用量) で、振戦、円背位、眼球突出の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2001)、EU-RAR (2001)、ATSDR (1998))。 以上のように、4,4'-MDAの影響は中枢神経系、視覚器、心臓、肝臓、腎臓である。本物質は4,4'-MDAを10%以上含むことから、本物質の分類を区分1 (中枢神経系、視覚器、心臓、肝臓、腎臓) とした。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (肝臓、心臓、甲状腺、腎臓)、区分2 (血液系) |
危険 警告 |
H372 H373 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
本物質に関するデータはない。しかし、本物質はポリマーであり、標準的な工業グレードの本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を約47~65%未満 、 2,4'-MDA (1.4~約10%)、2,2'-MDA (約 0.2~3%)、MDAのオリゴマー (約38.4~65%未満) などを含む (ECHA SVC Support Document (2011)、EU-RAR (2001))。 構成成分のうち1%以上含む成分の反復毒性について、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9)についてデータが得られた。2,4’-MDA (CAS番号: 1208-52-2)、2,2’-MDA (CAS番号: 6582-52-1) の反復投与毒性については、データは得られなかった。本物質の主要な構成成分である4,4'-MDA (CAS番号: 101-77-9) の反復毒性について下記に示す。 ヒトについては、4,4'-MDAの単回ばく露や2週間以内での短期ばく露において、主に急性肝炎が報告され、心電図の異常がみられた例も報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (1998)、EU-RAR (2001)) 実験動物については、反復投与毒性として、ラットを用いた103週間飲水投与毒性試験において、150 ppm (9~10 mg/kg/day) 以上で脂肪肝、甲状腺濾胞上皮細胞ののう腫及び過形成、300 ppm (16 mg/kg/day) で腎臓の鉱質沈着 (雄)、ラットを用いた3ヶ月間飲水投与毒性試験において、80 ppm (雄: 7.5 mg/kg/day、雌: 8 mg/kg/day) 以上で腎臓石灰化、甲状腺濾胞上皮細胞変性、400 ppm (雄: 22 mg/kg/day、雌: 23 mg/kg/day) 以上で摂餌量・摂水量減少、体重増加抑制、貧血、ALP・ALT・AST・尿素窒素・胆汁色素・コレステロールの増加、甲状腺濾胞上皮細胞の巣状結節性過形成、800 ppm (雄: 31 mg/kg/day、雌: 32 mg/kg/day) で白血球増加、好中球増加、プロトロンビン時間延長、肝臓小胆管の過形成、甲状腺濾胞上皮細胞過形成がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007))。これらの影響のうち、肝臓、甲状腺、腎臓への影響が区分1の範囲、血液への影響が区分2の範囲でみられた。 以上のように、4,4'-MDAの影響はヒトで肝臓、心臓にみられ、実験動物で肝臓、甲状腺、腎臓への影響が区分1の範囲、血液への影響が区分2の範囲でみられた。 本物質は、4,4'-メチレンジアニリンを10%以上含むことから、本物質の分類を区分1 (肝臓、心臓、甲状腺、腎臓)、区分2 (血液系) とした。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
|