NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 78-42-2
名称 リン酸トリス(2-エチルヘキシル)
物質ID m-nite-78-42-2_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない
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-
- - HSDB (Access on October 2016) による引火点207℃ (密閉式) に基づき区分外とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は370℃ (ICSC (1997)) であり常温で発火しないと考えられる。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 半金属 (P) を含むが、水溶解度 0.6 mg/L (HSDB (Access on October 2016)) というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられる。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 分類できない
-
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- - 炭素、水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を含んでいない有機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値 (OECD TG 401) として、> 2,000 mg/kg (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2016)) との報告に基づき、区分外とした。なお、旧分類ではラットのLD50値 37,000 mg/kg、>10,000 mg/kg、>36,800 mg/kg (EHC 218 (2000)) を分類根拠に用いていたが、ガイダンスフロー上で優先度の高いOECD TG 401 試験のLD50値が得られたため、これを用いて分類を行った。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
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- - ウサギのLD50値として、18,400 mg/kg (NITE有害性評価書 (2005)、BUA 172 (1995)) との報告に基づき、区分外とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
ラットのLC50値 (3.5時間) として、> 447 mg/m3 (4時間換算値: > 0.39 mg/L、EHC 218 (2000)、NITE有害性評価書 (2005)、BUA 172 (1995)) との報告があるが、これらの値のみからは区分を特定することができないため、分類できないとした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (0.00194 μg/L) より高いため、ミストとしての基準値を適用した。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404) において、明らかな紅斑、軽度から中等度の浮腫、痂皮形成、落屑が認められ、PII (一次刺激指数) は 4.2/8.0 であったことから、ウサギの皮膚に対し中等度の刺激性があると記載されている (CERI・NITE有害性評価書(2005)、EHC 218 (2000))。以上より、区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
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- - ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405) において、本物質は刺激性を示さなかったとの記載がある (CERI・NITE有害性評価書(2005))。その他、ウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質適用に中等度の結膜炎がみられたが24時間後に回復したとの報告がある (CERI・NITE有害性評価書(2005)、EHC 218 (2000))。テストガイドラインに準拠した試験結果をもとに、区分外と判断した。データを追加し区分を変更した。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いた試験で陰性の報告 (CERI・NITE有害性評価書(2005)) や、モルモットを用いたランドシュタイナー試験で弱い陽性の報告 (CERI・NITE有害性評価書(2005)) があるがいずれも詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞、末梢血赤血球の小核試験で陰性、ラットを用いた小核試験で陰性、マウス骨髄細胞の染色体異常試験で陰性、マウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験で陽性、マウスの肝臓を用いた不定期DNA合成試験で陰性である (NTP DB (Access on October 2016)、EHC 218 (2000)、NITE有害性評価書 (2005))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性である (NTP DB (Access on October 2016)、ECETOC JACC (1992)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2016)、NITE有害性評価書 (2005)、EHC 218 (2000))。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ラット又はマウスに2年間強制経口投与した発がん性試験では、雄ラットに副腎の褐色細胞腫の頻度増加がみられたが、対照群の発生率が背景データに比して低かったとの指摘がされており、発がん性の証拠としては不明瞭 (equivocal) と判断されている (NTP TR274 (1984)、NITE有害性評価書 (2005))。一方、マウスでは雌に肝細胞がん発生頻度の有意な増加がみられ、発がん性の証拠はある程度であると結論された。その他、雌ラットと雄マウスには発がん性の証拠はなかった(NTP TR274 (1984)、NITE有害性評価書 (2005))。以上、実験動物で発がん性の明確な証拠はなく、国際的な既存分類結果もない。したがって、データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。本物質のヒトでの単回ばく露のデータはない。実験動物ではラットの単回経口投与試験において、2,000 mg/kgで死亡例はなく、一般状態、体重の推移及び剖検所見においても毒性影響を示唆する変化は認められなかったとの報告がある (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on November 2016))。また、ラットに本物質460 mg/m3、3.5時間の単回吸入ばく露を行った試験で死亡例はなかったとの報告がある (EHC 218 (2000)、ECETOC JACC (1982)、NITE有害性評価書 (2005))。この他にも分類根拠となる情報がないため、ガイダンスに従い分類できないとした。

平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - ヒトに関する情報はない。
実験動物については、ラットあるいはマウスを用いた強制経口投与による複数の反復投与毒性試験が実施されている。このうちマウスを用いた13週間試験において区分2を超える用量である500 mg/kg/day (90日間換算値: 361 mg/kg/day) 以上の用量で胃粘膜の炎症性病変等がみられ (NTP TR274 (1984)、NITE有害性評価書 (2005))、マウスを用いた103週間試験において区分2を超える用量である500 mg/kg/day以上で甲状腺濾胞上皮細胞過形成の増加が報告されている (NTP TR274 (1984)、NITE有害性評価書 (2005)、EHC 218 (2000)、ECETOC JACC (1992))。また、モルモット、イヌ、アカゲザルを用いた3ヵ月間の吸入毒性試験が実施されている (NITE有害性評価書 (2005)、EHC 218 (2000)、ECETOC JACC (1992))。このうちイヌを用いた試験において肺実質に中等度の慢性的な炎症性変化、条件回避反応の用量依存的な有意な抑制がみられたとの報告があるが、雑種を用い使用動物数が雌雄各群1匹と少なく分類に用いることはできない。
したがって、分類できないとした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.13 mg/L (環境省リスク評価第9巻, 2011、NITE有害性評価書, 2005)であることから、区分1とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1985))、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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