NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 78-79-5
名称 イソプレン
物質ID m-nite-78-79-5_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分1


危険
H224 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-54℃(密閉式)(ICSC(2004))は<23℃であり、かつ、初留点34℃は≦35℃であることから、区分1に該当する。なお、国連危険物輸送勧告では安定剤入りのものがクラス3、容器等級I(国連番号1218)。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 タイプG
-
-
- - 分子内に自己反応性に関わる原子団(不飽和C=C)を含むが、通常流通しているものは安定剤(通常p-tert-butylcatechol)が入っている。国連危険物輸送勧告では、これをUN1218(クラス3PGI)に分類している。したがって安定剤を含むものについて、タイプGとした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点220℃(ICSC(2004))により区分外とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 低沸点(34℃(ICSC(2004)))の液体に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値2,043 mg/kg(SIDS(2005))であることから、JIS分類基準区分外(国連分類基準区分5)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - ラットLD50>1ml/kg bw(=681 mg/kg bw)が記載されている(SIDS(2005))が、このデータのみでは分類できない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない
-
-
- - ラットLC50値180 mg/L/4h=64,607ppm/4h(SIDS(2005))に基づき、区分外とした。なお、被験物質の濃度63,600ppmは飽和蒸気濃度725,000ppmVの90%より低い値であることから、ガスの基準値を適用した。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギに長時間適用および反復適用した結果、また、1日2回5日間連続適用した結果、いずれも軽度の刺激性(slightly irritating)と判定されている(SIDS(2005))ことから、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3または区分外)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ボランティアにおいて、眼への軽度の刺激が認められたとの記述(CERI・NITE有害性評価書(2006))により区分2Bとした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
マウスに2週、13週、40週および80週間の吸入ばく露後の末梢赤血球を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)がいずれも陽性結果(NITE初期リスク評価書(2005)、NTP DB(2009))を示したことから、区分2とした。なお、マウス肺線維芽細胞を用いたin vivo小核試験、マウス骨髄細胞を用いたin vivo染色体異常試験においては陰性の結果が報告されている(NITE初期リスク評価書(2005))。また、in vitro変異原性試験として、エームス試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験などで陰性との報告(NITE初期リスク評価書(2005)、NTP DB(2009))がある。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
IARC(1999)で2B、NTP(2005)でR、日本産業衛生学会で2Bに分類されていることから、区分2とした。
なお、ラットに105週間吸入ばく露した試験において、乳腺の線維腺腫・癌腫、腎尿細管腺腫、精巣間質細胞の腺腫の発生頻度の増加(NTP TR486(1999))があり、マウスに80週間吸入ばく露した試験では、腫瘍発生頻度の増加が肝臓、腎臓、脾臓、ハーダー腺などで認められている(IARC vol.71(1999))。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットおよびマウスに器官形成期を含む期間吸入ばく露した発生毒性試験において、催奇形性を含め仔の発生に及ぼす悪影響は認められなかった(SIDS(2005))が、交配前からのばく露による親動物の性機能および生殖能に及ぼす影響については、データが不十分なため分類できない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性)


警告
H336
H335
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ボランティアでの官能検査において, 160mg/m3(58ppm)で上気道粘膜、喉頭、咽頭への軽度の刺激性が認められたとの記述(NITE初期リスク評価書(2005))、ヒトのボランティアが60ppmばく露後、上気道に刺激性を感じたとの記述(NTP TR486(1999))に基づき、区分3(気道刺激性)とした。また、ヒトで中枢神経系に影響を与え、呼吸機能や意識が低下することがあると記述され、マウスを用いた吸入ばく露試験では致死量に至らない高濃度(97.5-125.3 mg/L)のばく露により、正向反射の消失や中枢神経系の抑制が見られたとの記述(PATTY(5th, 2001))により、区分3(麻酔作用)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、上気道)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
マウスの吸入ばく露(蒸気)試験において、13週間のばく露では大球性貧血、前胃の過形成、嗅覚上皮の変性、肝細胞の変性の発生増加(SIDS(2005))があり、26週間のばく露(0.195~19.5 mg/L)では後肢麻痺、脊髄の変性、嗅覚上皮の変性、前胃上皮の過形成、大球性貧血の発生増加と、220ppm(0.613 mg/L)以上の群では対照群と比べ後肢握力が有意に低下した(SIDS(2005))。さらに、26週間の回復期間後に脊髄変性の有意な増加が全用量群で見られた(SIDS(2005))。脊髄変性が後肢麻痺の原因と考えられており、ガイダンス値範囲区分1に相当する用量で発生していることから、区分1(神経系)とした。また、上記の嗅覚上皮変性の発生頻度の有意な増加については、26週間回復期間終了時に220ppm(0.613 mg/L)以上の群で見られたが、イソプレンゴムの生産に携わった労働者にカタル性炎症、上気道の萎縮性変化、嗅索の変性が認められたとのヒトでの報告(IARC vol.71(1991))もあることから、区分1(上気道)とした。なお、上記の肝細胞の変性、前胃の過形成は区分2のガイダンス値を超えた用量で発生しているため分類根拠としなかった。またマウスの2週間の吸入ばく露試験で438ppm(90日換算:0.2 mg/L)以上で赤血球数及びヘモグロビン濃度の減少が見られたとの記載があるが(CERI・NITE有害性評価書(2006))、血液学検査以外に血液への影響に関する情報がないため分類根拠としなかった。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=3.2 mg/L(環境省生態影響試験, 2000)であることから、区分2とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(BODによる分解度:2%(既存点検, 1988))ことから、区分2とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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