項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 7803-57-8 |
名称 | ヒドラジン一水和物 |
物質ID | m-nite-7803-57-8_v1 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類できない |
- |
- | - | ヒドラジン類であり、爆発性に関わる原子団を含むが、データがなく分類できない。 国連危険物輸送勧告が、クラス・区分6.1およびクラス8(ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 |
平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 | P370+P378 P210 P280 P403 P501 |
BUA205(1996)による引火点は75℃(開放式)であり、「区分4」に該当する。なお、国連危険物輸送勧告では、クラス・区分6.1およびクラス8 容器等級I~III(ただし、容器等級がIのもので「引火点が60℃以下の物質は引火性液体の副標札を貼付しなければならない」との特別規定あり)(ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | ヒドラジン類であり、爆発性に関わる原子団を含むが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告が、クラス・区分6.1およびクラス8(ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告が、クラス・区分6.1およびクラス8(ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | ハロゲンを含まず酸素を含む無機化合物であるが、この酸素が水和物として付加する水分子以外と化学結合していない。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 有機化合物でない。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | Merck(13th,2001)ではステンレス鋼に対する腐食性では、V2A、SUS304、SUS347は侵さないが、SUS316のようなモリブデン系は使用すべきでない、としているがデータがなく分類できない。なお、国連危険物輸送勧告では腐食性物質に該当しているが、皮膚腐食性も含む分類なので、金属腐食性に該当するのか判別できない(ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 262 mg/kg、169 mg/kg、220 mg/kg(厚労省報告(2003))に基づき、区分3とした。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
NITE初期リスク評価書 No.73(2005)のウサギを用いた4時間適用試験結果において「55%溶液を適用したところ、7/11 匹にて皮膚適用部位に腐食がみられた」との報告が得られたことから、区分1とした。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
有害性情報「2.皮膚腐食/刺激性」において、区分1と判断していることから、分類ガイダンスに従い、区分1とした。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
NITE初期リスク評価書 No.73(2005)のヒトへの健康影響の記述にて、「感作性については、ヒドラジンとその塩はヒトに接触アレルギーを発症する」という報告が得られていること。また、日本産業衛生学会では、皮膚感作性「第2群」と分類していることから、区分1とした。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
NITE有害性初期リスク評価書 No.73(2005)、EHC 68(1987)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(マウススポット試験)で陽性、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なし、であることから「区分2」とした。 健康有害性については、【ID56、ヒドラジン、CAS:302-01-2】も参照のこと。 |
平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 ヒトでの発がん性についての情報は、(4)に限られている。 適切な試験ガイドラインとGLP基準に準拠して実施された(1)及び(2)において、動物種2種に悪性腫瘍を含む明らかな発がん性の証拠が認められたことから、区分1Bとした。 なお、旧分類と同じ試験結果に基づき分類したが、厚労省のがん原性試験結果報告で動物で発がん性ありとされ、有害性評価小検討会の審議を経てヒトにおける懸念から同省が指針を出したことを重視し、区分を変更した。 また、本物質の無水物であるヒドラジン(CAS:302-01-2)の政府によるGHS分類結果も1Bである。 【根拠データ】 (1)ラットを用いたがん原性試験(2年間飲水投与)において、雄に肝細胞腺腫のわずかな発生増加、雌には肝細胞腺腫と肝細胞がんの発生増加が認められた(厚労省委託がん原性試験結果(2000))。 (2)マウスを用いたがん原性試験(2年間飲水投与)において、雄に腫瘍の発生増加を示す証拠は認められなかったが、雌に肝細胞腺腫の発生増加と肝細胞がんのわずかな増加が認められた(厚労省委託がん原性試験結果(2000))。 (3)国内外の分類機関による既存分類は、IARCは、ヒドラジンの発がん性分類をグループ2A(IARC 115(2018))、ACGIHがヒドラジンに対してA3(ACGIH(7th, 2001))、日本産業衛生学会が無水ヒドラジン及びヒドラジン一水和物に対し2B(許容濃度の勧告等(2017):1998年提案)、EU CLPではヒドラジン(対象とされるEC番号の範囲には水和物である本物質も含まれる)に対しCarc. 1Bに、それぞれ分類している。 【参考データ等】 (4)カリフォルニアのロケット試験施設に従事していた作業者のコホートを対象とした2つの調査で、肺がんの過剰発生がみられ、ヒドラジンばく露と肺がん発生のばく露反応関係に有意な正の相関がみられた(IARC 115(2018))。 (5)IARCは本物質の無水物であるヒドラジンを本物質と一緒に評価しているが、(4)をヒドラジンのヒトでの発がん性の限定的な証拠とみなし、実験動物では発がん性の十分な証拠があることと併せて、ヒドラジンの発がん性分類をグループ2Aとしている(IARC 115(2018))。 (6)本物質は労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づき、厚生労働大臣が定める化学物質による労働者の健康障害を防止するための改正指針の対象物質である(平成24年10月10日付け健康障害を防止するための指針公示第23号)。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足により、分類できない。 健康有害性については、【ID56、ヒドラジン、CAS:302-01-2】も参照のこと。 |
平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、肝臓、腎臓) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトについては、「急性暴露によって中枢神経系、肝臓、腎臓に影響を及ぼすことが知られている。」(環境省リスク評価第1巻(2002))の記述があることから、中枢神経系、肝臓、腎臓が標的器官と考えられた。 以上より、分類は区分1(中枢神経系、肝臓、腎臓)とした。 本物質の分類に際しては、評価書にヒドラジン水和物で試験を行ったとする明確な記述がある報告に限定し、それを分類の資料として採用した。しかし、本物質はヒドラジン(ID: 0056、CAS No.302-01-2)と水が反応して容易に形成される。そのため動物を用いた試験等でヒドラジンを水に溶解して暴露する場合はヒドラジン(一)水和物の状態であると考えられる。よって、ヒドラジン(ID: 0056、CAS No.302-01-2)の分類結果も合わせて参照し、評価すること。 |
平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、神経系、消化管、腎臓) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトについては、「肝毒性、神経症状、心臓症状」、「黄疸、死後の剖検で重度腎炎、尿細管壊死、糸球体腎炎、限局性肝細胞壊死がみられた。」(NITE初期リスク評価書 No.73(2005))、「胃炎、振戦, 嗜眠, 言動の一貫性喪失, 黄疸, 肝臓の肥大で易触診, 血中ビリルビン量の上昇, 血中クレアチニン量の上昇, 蛋白尿、剖検所見:重度の尿細管壊死」(IARC(1987))等の記述があることから、肝臓、神経系、消化管、腎臓が標的臓器と考えられた。なお、消化管への影響については、経皮暴露試験での影響のため、標的臓器として採用した。 以上より、分類は区分1(肝臓、神経系、消化管、腎臓)とした。 本物質の分類に際しては、評価書にヒドラジン水和物で試験を行ったとする明確な記述がある報告に限定し、それを分類の資料として採用した。しかし、本物質はヒドラジン(ID: 0056、CAS No.302-01-2)と水が反応して容易に形成される。そのため動物を用いた試験等でヒドラジンを水に溶解して暴露する場合はヒドラジン(一)水和物の状態であると考えられる。よって、ヒドラジン(ID: 0056、CAS No.302-01-2)の分類結果も合わせて参照し、評価すること。 |
平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成20年度(2008年度) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
藻類(セレナストラム)の72時間ErC50=0.19mg/L(環境省生態影響試験、2001)から、区分1とした。 | 平成18年度(2006年度) | マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=-2.07(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(ヒドラジンのBODによる分解度:2%(既存化学物質安全性点検データ)から類推)ことから、区分1とした。 | 平成18年度(2006年度) | マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) |
12 | オゾン層への有害性 | - |
- |
- | - | - | - | - |
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