NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 79-11-8
名称 クロロ酢酸【モノクロロ酢酸】
物質ID m-nite-79-11-8_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
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- - 可燃性を有する (ICSC (2003)) が、データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - 発火点が470℃ (GESTIS (Access on June 2015)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - フッ素を含まず酸素と塩素を含む有機化合物であるが、これらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、55-580 mg/kgの範囲内で11件 (55-165 mg/kg (IPCS, PIM 352)、55-200 mg/kg (ECETOC TR081 (2001))、55-580 mg/kg (ACGIH (7th, 2006))、90.4-450 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008))、55 mg/kg (EU-RAR (2005)、環境省リスク評価第3巻:暫定的有害性評価シート (2004))、76.2 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)、ECETOC JACC 038 (1999)、NTP TR396 (1992))、90.4 mg/kg (EU-RAR (2005)、SIDS (2004)、ECETOC JACC 038 (1999))、100-300 mg/kg (SIDS (2004))、102 mg/kg (ECETOC JACC 038 (1999))、108 mg/kg (NTP TR396 (1992))、277.5 mg/kg (EU-RAR (2005)、SIDS (2004))) の報告がある。最も多くのデータ (7件) が該当する区分3とした。なお、4件のデータは複数データをまとめた値であるため該当数に含めずに分類した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分2


危険
H310 P302+P352
P361+P364
P262
P264
P270
P280
P310
P321
P405
P501
ラットのLD50値として、145 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008)、ACGIH (7th, 2006))、305 mg/kg (EU-RAR (2005)、SIDS (2004)、ECETOC JACC 038 (1999)) との2件の報告がある。区分2及び区分3にそれぞれ1件づつ該当するので、ラットについては、LD50値の最小値が該当する区分2となる。ウサギのLD50値として、178 mg/kg (SIDS (2004))、230 mg/kg (IPCS, PIM 352)、250 mg/kg (EU-RAR (2005)、SIDS (2004)、ECETOC JACC 038 (1999)) との3件の報告がある。1件が区分2、2件が区分3に該当するので、ウサギについては、最も多くのデータが該当する区分3となる。ラットとウサギの区分を比較し、危険性の高いラットの区分を採用し、区分2とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。なお、ラットのLC50値 (1時間) として、> 66 ppm (4時間換算値:> 33 ppm) との報告 (NITE初期リスク評価書 (2008)、EU-RAR (2005)、SIDS (2004)) があるが区分を特定できない。20℃における飽和蒸気圧濃度 (137 ppm) (EU-RAR (2005)) よりLC50値が低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値 (4時間) として、0.18 mg/Lとの報告 (NITE初期リスク評価書 (2008)、ACGIH (7th, 2006)、EU-RAR (2005)、SIDS (2004)) に基づき、区分2とした。なお、20℃における飽和蒸気圧濃度 (0.53 mg/L) (EU-RAR (2005)) よりも低いが、試験はエアロゾルで行われたとの記載 (ACGIH (7th, 2006)) に基づき、ミストの基準値を適用した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
本物質は強酸性である (pH <1 at 800g/L, 20℃、GESTIS (Access on July 2015))。ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、500 mgを24時間の閉塞適用した結果、2匹が死亡し、重度の紅斑および浮腫がみられ皮膚一次刺激指数は7.66 (最大値8) であった (ECETOC JACC 38 (1999)) との報告や、本物質の75%溶液0.5 mLを適用した結果30秒後に壊死がみられたとの報告がある (SIDS (2009))。その他に、ラットやマウスを用いた試験において本物質適用による腐食性が報告されている (EU-RAR (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008))。また、ヒトの接触事故により化学火傷を引き起こしたとの報告が複数ある (EU-RAR (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008))。以上より、ウサギにおいて適用後30秒後に壊死がみられたことから区分1Aとした。なお、本物質はEU CLP分類において「Skin. Corr. 1B H314」に分類されている (ECHA CL inventory (Access on September 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質100 mgを0.9%食塩水0.01 mLに溶解して適用した結果腐食性がみられたとの報告や、本物質の高濃度溶液を適用した結果腐食性がみられたとの報告がある (EU-RAR (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008)、ECETOC JACC 38 (1999))。また、本物質は皮膚腐食性/刺激性の区分で区分1Aに分類されている。以上より区分1とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた皮膚感作性試験 (Open epicutaneous試験) で感作性なしとの報告 (EU-RAR (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008)、ECETOC JACC 38 (1999)) があるが、ガイダンス従い分類に用いなかった。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の染色体異常試験で陽性及び陰性の結果 (初期リスク評価書 (2008)、ECETOC JACC 038 (1999))、マウスの肝臓、脾臓、十二指腸、胃のDNA損傷試験及びラットの肝臓のDNA損傷試験で陰性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、EU-RAR (2005)、ECETOC JACC 038 (1999))。In vitroでは、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性結果があるが、それ以外のデータ、すなわち、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験、遺伝子突然変異試験 (HGPRT)、DNA損傷試験で陰性の結果である (初期リスク評価書 (2008)、SIDS (2004)、EU-RAR (2005)、ACGIH (7th, 2006)、ECETOC JACC 038 (1999)、NTP TR396 (1992))。なお、in vivoのマウス骨髄細胞染色体異常試験の陽性結果については、十分な評価ができないと記載されている (ECETOC JACC 038 (1999))。また、SIDS (2004)、EU-RAR (2005)、ECETOC JACC 038 (1999) ではいずれも本物質に変異原性はないと結論している。

平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - ヒトでの発がん性に関する情報はない。実験動物では、ラット、又はマウスに2年間強制経口投与した発がん性試験において、ラット、マウスの雌雄ともに対照群と比べ生存率の低下がみられる用量 (ラット: 30 mg/kg/day、マウス: 100 mg/kg/day) まで投与しても、腫瘍発生の増加はみられなかった (ACGIH (7th, 2006)、EU-RAR (2005)、NITEI初期リスク評価書 (2008)) との記述、並びにマウスに本物質を46.4 mg/kg/dayで21日間強制経口投与後、さらに17ヶ月間混餌投与 (149 ppm: 24.8 mg/kg/day相当) した試験でも腫瘍発生がみられなかった (ACGIH (7th, 2006)、NITE初期リスク評価書 (2008)) との記述がある。また、経皮経路では、雌マウスに本物質2 mg/動物を3回/週、63週間皮膚へ塗布した結果、皮膚の腫瘍は乳頭腫を含め発生しなかった (EU-RAR (2005)、ACGIH (7th, 2006)、NITE初期リスク評価書 (2008)) との記述、及び雌マウスに同0.5 mg/動物を1回/週、63週間皮下注射した結果、投与群では局所の肉腫が3/50例 (対照群: 1/50例) にみられたが、統計的に有意な増加ではなかった (EU-RAR (2005)、ACGIH (7th, 2006)、NITE初期リスク評価書 (2008)) との記述がある。すなわち、実験動物では経口及び経皮経路で発がん性を示す証拠はないが、吸入経路での発がん性に関する情報はない。ACGIHは本物質の発がん性分類をA4としている (ACGIH (7th, 2006)) が、他の国際機関による分類結果はない。
以上、区分外とするにはヒトで利用可能な情報がないことも含め、データが不足していると判断し、本項は分類ガイダンスに従い分類できないとした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
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- - ヒトの生殖影響に関する情報はない。
実験動物では、妊娠ラット (例数不明) の器官形成期 (妊娠6-15日) に強制経口投与した結果、最高用量の140 mg/kg/dayで、母動物に体重増加抑制、胎児に心血管系の奇形 (主に左胸心 (levocardia)) がみられたと報告されている (ACGIH (7th, 2006)、EU RAR (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008))。しかし、本報告は原著確認の結果、学会の講演要旨としての簡略な記述のため分類に用いるには不適切な試験結果と判断された。この他、妊娠ラット (10匹/群) の妊娠期間を通して飲水投与した発生毒性試験では、母動物、胎児ともに異常はみられていない (ACGIH (7th, 2006)、EU RAR (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008)) との記述、並びに in vitroの胎児培養実験の結果、神経管欠損、心臓奇形など奇形発現頻度の増加がみられた (EU RAR (2005)、ACGIH (7th, 2006)) との記述がある。以上、本項はデータ不足のため、分類できないとした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質は、腐食性を有し、眼、皮膚、気道に激しい局所刺激症状を引き起こす。本物質による複数のばく露中毒例 (経口、吸入、経皮を含む) が報告されている。吸入ばく露で気道刺激性、肺水腫、経口ばく露では中等度~重度の急性全身毒性、経皮ばく露では重度の急性全身毒性を示す (以上、ACGIH (7th, 2006))。中毒例のうち多くの事例は、経皮ばく露によるものであり、8件が死亡例、15件が生存例であるが、いずれも臨床症状ならびに (血液) 生化学的特徴は類似する。すなわち、急性症状としては、皮膚腐食性による火傷、皮膚傷害に始まり、全身毒性が現れる。全身毒性発症の早期には、嘔吐、下痢を呈し、その後、興奮、見当職障害、痙攣、昏睡などの中枢神経系障害、重度の代謝性アシドーシス、低カリウム血症、低カルシウム血症、ミオグロビン血症、白血球増加症、(血液) 凝固障害、高血糖、血圧低下、不整脈、頻脈を伴う心臓障害、心筋障害、心血管ショック、それに起因する腎不全 (12時間以内との記載あり)、腎尿細管壊死などを引き起こす (ECETOC TR081 (2001)、ECETOC JACC 038 (1999)、ACGIH (7th, 2006)、初期リスク評価書 (2008)、ACGIH (7th, 2006)、EU-RAR (2005)、環境省リスク評価第3巻:暫定的有害性評価シート (2004))。
実験動物では、ラットの55-580 mg/kgの経口投与で、呼吸数減少、間代性・強直性痙攣、ラット、マウス、ウサギの経口投与または経皮適用で、神経行動学的影響や前肢の麻痺など神経毒性影響が報告されている。ラット、マウス、ウサギの経皮適用で重度の毒性が認められ、40%溶液0.5 mLの経皮適用では、表皮及び内皮組織の膠原線維束の変性、急性全身影響として肝臓の肝細胞傷害、腎不全、糖新生障害、アンモニア代謝障害などを引き起こすとの報告がある (EU-RAR 52 (2005)、初期リスク評価書 (2008)、ACGIH (7th, 2006)、EU-RAR (2005)、SIDS (2004))。
以上より、本物質は中枢神経系及び末梢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓に影響を与え、区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓) とした。なお、中枢神経系及び末梢神経系をまとめ「神経系」、また、肝臓、腎臓への影響については、代謝や血液系などに起因した影響とも考えられるが、本物質投与により急性的に現れる臓器障害であり、区分対象とした。
新しい情報を追加し旧分類を見直した。

平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (心臓、肝臓、腎臓)


警告
H373 P260
P314
P501
ヒトに関する情報はない。
実験動物では、ラットを用いた13週間強制経口投与毒性試験において、60 mg/kg/day (90日換算:43 mg/kg/day) 以上で心筋症、心筋症による死亡、血清BUN・ALT・ASTの増加、肝臓・腎臓の相対重量増加がみられた (NTP TR396 (1992)、初期リスク評価書 (2008)、ECETOC JACC 038 (1999)、EU-RAR (2005))。また、ラットを用いた90日間強制経口投与毒性試験 (飲水投与) において、19 mg/kg/dayで肝臓の絶対重量減少、肝臓門脈域の胆管増殖、浮腫、炎症性細胞増加が報告されている (初期リスク評価書 (2008)、ECETOC JACC 038 (1999)、EU-RAR (2005))。また、単回投与において腎尿細管壊死などがみられている。以上のように心臓、肝臓、腎臓に対する影響が区分2の範囲でみられた。
したがって、区分2 (心臓、肝臓、腎臓) とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(セネデスムス)72時間EC50 = 0.033 mg/L(EU-RAR, 2005、NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分1とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急速分解性があり(試験期間3週間の標準法で、BOD : 65.0%、TOC : 98.8%、GC : 100%(通産省公報, 1976)、4つの試験で、10-14日間ウィンドウで60-70%の分解度を示した (EU-RAR, 2005))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC < 0.005 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分1とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


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