項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 95-54-5 |
名称 | o-フェニレンジアミン |
物質ID | m-nite-95-54-5_v2 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点が540℃ (GESTIS (Access on May 2019)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 酸素、塩素及びフッ素を含まない有機化合物であり、分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:660~1,284 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) (2) ラットのLD50:500~1,300 mg/kg (DFGOT vol.21 (2005)) |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) (2) ウサギのLD50: > 5,000 mg/kg (環境省リスク評価第12巻 (2014)) (3) ウサギに 5,000 mg/kgを経皮適用して死亡例あり (ACGIH (7th, 2001)) |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) のいずれも区分を特定できず、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50値 (1時間):> 0.056 mg/L (4時間換算値:> 0.014 mg/L) (ACGIH (7th, 2001)) (2) マウスのLC50値 (4時間):> 0.091 mg/L (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第12巻 (2014)) |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 404に準拠し、ウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性なしと報告されている (DFGOT vol.13 (1999))。 (2) OECD TG 404に準拠し、3匹のウサギを用いた皮膚刺激性試験で48時間後にごく軽度の紅斑がみられたが72時間後には回復し、24/48/72 hの紅斑と浮腫の平均スコアは0.6及び0と報告されている (REACH登録情報 (Access on June 2019))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 (1) より、区分2Aとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 405に準拠した眼刺激性試験で刺激性を示し、平均スコアは角膜:2.1、虹彩:1、結膜発赤:3、結膜浮腫:2.9であったが、14日以内に回復している (REACH登録情報 (Access on June 2019))。 【参考データ等】 (2) OECD TG 405に準拠した眼刺激性試験で結膜の発赤・浮腫、角膜混濁、虹彩の炎症を引き起こすが14日以内に回復した (DFGOT vol.13 (1999))。 (3) EU-CLP分類でEye Irrit. 2 (H31) に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2019))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 産衛学会 感作性分類 皮膚3群に分類されている (産衛学会感作性分類基準 (暫定) の提案理由書 (2010))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験で10例中3~7例で軽度から中等度の感作性反応 (陽性率30~70%) が示されている (REACH登録情報 (Access on June 2019))。 【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2019))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、ガイダンスに従い区分2とした。 【根拠データ】 (1) in vivoではラットの優性致死試験及びマウススポット試験で陰性、マウス等の骨髄を用いた小核試験及び染色体異常試験で陽性の報告がある (DFGOT vol.6 (1994)、DFGOT vol.13 (1999)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1999)、ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第12巻 (2014))。 (2) in vitroではマウスリンフォーマ試験で陽性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び細菌の復帰突然変異試験の多くで陽性の報告がある (DFGOT vol.6 (1994)、DFGOT vol.13 (1999)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1999)、ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第12巻 (2014))。 (3) EU CLP調和分類では区分2に分類されている。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、動物種2種に悪性腫瘍を含む明らかな発がん性の証拠が認められたこと及び(4)より健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質であることを重視し、区分1Bとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。旧分類からIARC及び日本産業衛生学会の分類が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。 【根拠データ】 (1)o-フェニレンジアミン二塩酸塩(CAS番号 615-28-1)を被験物質としたラットの2年間飲水投与による発がん性試験(OECD TG451、GLP)において、雌雄の肝臓で肝細胞腺腫及び肝細胞がんの顕著な発生増加がみられ、さらに、雄の膀胱に移行上皮乳頭腫及び移行上皮乳頭腫と移行上皮がんを合わせた発生増加がみられた。これらの結果は o-フェニレンジアミン二塩酸塩の雌雄ラットに対するがん原性を示す明らかな証拠であると結論された(厚生労働省委託がん原性試験結果 (2004)、IARC 123 (2020))。 (2)o-フェニレンジアミン二塩酸塩を被験物質としたマウスの2年間飲水投与による発がん性試験(OECD TG451、GLP)において、雄では肝臓に肝細胞腺腫の発生増加が、雌では肝細胞腺腫及び肝細胞がんの顕著な発生増加が、さらに雌雄の胆嚢に乳頭状腺腫の発生増加がみられた。これらの結果は o-フェニレンジアミン二塩酸塩の雄マウスに対するがん原性を示す証拠と雌マウスに対するがん原性を示す明らかな証拠と結論された(厚生労働省委託がん原性試験結果 (2004)、IARC 123 (2020))。 (3)本物質は塩基性化合物で、酸-塩基反応を受ける。体内では本物質と本物質二塩酸塩との間でpH依存性の酸-塩基平衡関係が成立すると考えられることから、一方の発がん性試験結果を他方の発がん性評価に関する情報として利用できる(IARC 123 (2020))。 (4)本物質は厚生労働省化学物質による健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質である(令和2年2月7日付け健康障害を防止するための指針公示第27号)。 (5)国内外の評価機関による既存分類結果として、IARCではグループ2Bに(IARC 123 (2020))、日本産業衛生学会では第2群Bに(産衛誌62巻5号 (2020):2019年提案)、ACGIHではA3(ACGIH (7th, 2001))に、EUではCarc. 2に(CLP分類結果 (Accessed Sep. 2021))、DFGではCategory 3に(List of MAK and BAT values 2020 (Accessed Sep. 2021))それぞれ分類している。 【参考データ等】 (6)本物質の二塩酸塩を被験物質とし、雄ラット及び雌雄マウスに18ヵ月間混餌投与(ラットは6ヵ月後に剖検)した発がん性試験においても、肝細胞がんの発生増加がみられている(IARC 123 (2020)、厚労省リスク評価書 (2014)、MOE初期評価 (2014)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2013)、ACGIH (7th, 2001)、Patty (6th, 2012))。 (7)本物質の発がん性の評価に関して、利用可能なヒトのデータはない(IARC 123 (2020))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 本物質の生殖発生毒性を評価・分類するための十分な情報はなく、データ不足で分類できない。 【参考データ等】 (1) ラットに0.8 mg/kg/day を経口投与した結果、胎児への影響を認めたという報告があるが、詳細は不明である (厚労省初期リスク評価書 (2014))。 (2) 妊娠10 日の雌マウスに腹腔内投与したマウススポット試験の結果、妊娠の維持率の低下、出生前/出生後死亡の増加がみられた (環境省リスク評価第12巻 (2014)、DFGOT vol.13 (1999))。 (3) 雄ラットに腹腔内投与後、未処置の雌と交配させた優性致死試験の結果、着床数や吸収胚数、生存胎児数に影響はなかった (同上)。 (4) 本物質を含む毛染剤を妊娠1、4、7、10、13、16、19 日の雌ラットに塗布した結果、黄体数、着床数、生存胎児数、吸収胚数に有意な影響はなく、奇形の発生もなかった (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1999)、PATTY (6th, 2012)、厚労省初期リスク評価書 (2014))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液系)、区分2(中枢神経系)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370 H371 H335 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
【分類根拠】 本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物での (1)~(3) の情報より、区分1 (血液系)、区分2 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) とした。旧分類は呼吸器も標的臓器に含めていたが、根拠となる情報が経口投与試験でみられた呼吸困難のみであり、組織学的所見でも呼吸器の傷害に関する情報はない。したがって、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ネコの単回経口投与試験において、本物質25~50 mg/kgの用量 (区分1相当) で、血中メトヘモグロビン濃度増加がみられた (DFGOT vol.13 (1999)、ACGIH (7th, 2001)、BUA 97 (1992))。 (2) ラットの単回経口投与試験において、本物質500~2,000 mg/kgの用量 (区分2相当) で、一般状態悪化、興奮、抑うつ、呼吸困難、振戦、痙攣、麻痺が認められた (DFGOT vol.13 (1999)、BUA 97 (1992))。 (3) ラット及びマウスに本物質の蒸気と粉じんの混合物0.0905 mg/Lを4時間、吸入ばく露した試験で、鼻粘膜の軽度の刺激がみられた (DFGOT vol.13 (1999))。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(鼻腔、腎臓、膀胱、血液系) |
警告 |
H373 | P260 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、実験動物への本物質の二塩酸塩 (CAS番号 615-28-1) の経口投与で区分2の範囲で鼻腔、腎臓、膀胱、血液系への影響がみられていることから、区分2 (鼻腔、腎臓、膀胱、血液系) とした。ハーダー腺についてはヒトへの外挿性がないと考えられることから標的臓器としなかった。なお、新たな情報源の情報を加えて検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットに本物質の二塩酸塩250~3,000 ppm (区分2の範囲) を13週間飲水投与した結果、ハーダー腺の炎症、血液系への影響 (赤血球数とヘマトクリット値の減少等)、腎臓への影響 (乳頭変性、尿素窒素増加等)、鼻腔への影響 (嗅腺の管拡張、嗅上皮の壊死)、膀胱への影響 (移行上皮細胞の単純過形成) がみられた (厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2019))。 (2) マウスに本物質の二塩酸塩500~5,000 ppmを13週間飲水投与した結果、1,000 ppm (概ね区分2の範囲) 以上で血液系への影響 (MCV及び血小板数増加)、腎臓への影響 (尿素窒素増加等) がみられた (厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2019))。 【参考データ等】 (3) ラット、マウスに二塩酸塩を104週間飲水投与した結果、区分2の範囲以上で鼻腔と腎臓に本物質の投与による影響と考えられる非腫瘍性病変がみられた (厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2019)) 。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
藻類(セレナストラム)72時間EC50 = 0.821 mg/L(環境省生態影響試験, 2001、環境省リスク評価第12巻, 2014)であることから、区分1とした。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2001)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.083 mg/L(環境省生態影響試験, 2001、環境省リスク評価第12巻, 2014)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:2%(既存点検, 2001)、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 4.6 mg/L(環境省生態影響試験, 2001、環境省リスク評価第12巻, 2014)であることから、区分2となる。 以上の結果を比較し、区分1とした。 |
令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 令和元年度(2019年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 |
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