FAQ(よくあるご質問(政府によるGHS分類結果))
政府によるGHS分類結果に関するよくあるご質問をまとめました
※ 質問をクリックすると、回答が表示されます。
1.政府によるGHS分類事業の目的などに関して
- 政府によるGHS分類結果の公開の目的はなんですか?
- A1-1
日本においては、SDS・ラベルの作成等を義務づけている安衛法、化管法、毒劇法などの規制対象物質を中心に、2006年度(平成18年度)から、GHS分類事業として厚生労働省、経済産業省、環境省等の関係各省が連携して化学物質のGHS分類を実施しています。
最終的な分類結果は「政府によるGHS分類結果」としてNITEのホームページから公開しており、各物質について、①危険有害性項目ごとの区分、②絵表示、③注意喚起語、④危険有害性情報、⑤分類根拠、等を掲載しています。現在約3,000物質が掲載されています。
政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際に参照してもらうことを目的としているものであり、実際に事業者がラベルやSDSに同じ内容を記載しなければならないという義務はありません。
- GHS分類の新規対象物質についてはどのように選定されていますか?
- A1-2
政府によるGHS分類事業では、法規制対象物質を中心に、製造・輸入数量、世間の注目度などの諸要因を考慮し、政府によって分類すべき対象物質が選定されています。
したがって、安衛法の通知・表示(SDS・ラベル)義務対象物質以外の物質についても行われておりますが、危険有害性を示す全ての化学物質について行われているわけではありません。GHSでは、危険有害性を有すると考えられるあらゆる物質や混合物について分類を行い、ラベル・SDS等により情報を共有することが推奨されています。
- GHS再分類の対象物質はどのように選定されていますか?
- A1-3
政府によるGHS分類事業では、過去に分類されたことがある化学物質に対して再度分類を行う場合があります。これは以前と比べて新たな情報が蓄積された物質やGHS分類に使用している「政府向けGHS分類ガイダンス」が更新されたこと等に伴い、再分類することが適切と判断された物質が選定されています。
そのため同じ物質で複数のGHS分類結果が公開されている場合は、最新の分類結果を参照することが推奨されます。また再分類の際、「発がん性(健康有害性)」や「引火性液体(物理化学的危険性)」など、一部の危険有害性項目のみ検討される場合があるため、注意が必要です。
再分類された一部の化学物質の「分類結果」欄に表示される「-」の記載の意味については以下を確認ください。
- GHS分類結果の公開時期を教えて下さい
- A1-4
政府によるGHS分類事業は各省により年度毎に実施され、その結果は、NITEによりとりまとめられ、NITEのWebサイトから公開しています。公開時期は各省からの結果の提供や作業の進行の度合いにより前後しますが、毎年6-9月頃を予定しています。
またGHS分類結果の分類根拠文の英訳については、日本語版のGHS分類結果が公開された後にNITE化学物質管理センターが翻訳を行うため、公開時期が日本語版に比べて遅くなります。
- 海外におけるGHS分類結果と違いがあるのはなぜですか?
- A1-5
日本以外の国においてもGHSの分類結果が公開されている場合があります。各国で公開しているGHSの分類結果は各国で使用している情報源や専門家判断の相違などにより、同じ物質でも異なる危険有害性区分が付与される場合があります。そのため日本で公開されているGHS分類結果をそのまま使用して海外へ輸出すると輸出先の法律違反となる可能性がありますので輸出先国の法規制を確認ください。
例えばEUのCLP規則では有害物質の調和された分類及び表示(GHSに相当するもの)を定めています。CLP規則の付属書VIで公開されている物質をEU域内で流通させる場合は、調和された分類結果を用いる必要があるため、一般に強制分類と呼ばれています。
CLP規則の調和分類についてはECHA(欧州化学品庁)が運用するWebサイト、またはNITE-CHRIPからも確認することが可能です。
また、CLP規則で危険有害性が調和されていない物質についても、EU域内で流通させる場合は各事業者から使用しているGHS分類結果について届出の義務が課されており、これらのデータもECHAのWebサイトから閲覧が可能です。
他にもニュージーランド、中国や韓国などの政府からGHS分類結果が公開されていますが、輸出の際には、それら分類結果を使用する義務があるかどうか、各国におけるルールを確認することをお勧めします。
ASEAN各国の一部の国のGHS分類結果についてはAJCSDより閲覧が可能です。
2.政府によるGHS分類事業の分類方法に関して
- 政府によるGHS分類はどのような方法で実施されていますか?
- A2-1
日本においては、SDS・ラベルの作成等を義務づけている安衛法、化管法、毒劇法などの規制対象物質を中心に、2006年度(平成18年度)から、GHS分類事業として厚生労働省、経済産業省、環境省等の関係各省が連携して化学物質のGHS分類を実施しています。
政府によるGHS分類事業では、対象物質のGHS分類を効率的に実施し、かつ省庁間で方法に整合性を持たせるために、使用する情報源及び分類方法を記載した「政府向けGHS分類ガイダンス」に基づき分類が行われています。
「政府向けGHS分類ガイダンス」は国連GHS文書(パープルブック)の改訂やJIS(日本産業規格)の改正に伴い、内容が更新されます。そのため公開されているGHS分類結果がいつの時点におけるガイダンスを用いているかにより、使用されている情報源や判定論理が異なる場合があります。
その物質におけるGHS分類に使用されたガイダンスのバージョンは、NITEから公開しているGHS分類結果(Excel, HTML)に記載されています。また、過去の「政府向けGHS分類ガイダンス」(旧版)については経済産業省のWebサイトに掲載されています。
平成19年度以前の分類に使用されていた「GHS分類マニュアル」と「技術上の指針」については、国会図書館に所蔵されていますので、国立国会図書館デジタルコレクションから検索してください。
- GHS分類事業に使用されている情報源について教えて下さい
- A2-2
政府によるGHS分類事業で使用している政府向けGHSガイダンスでは、関係各省庁で行っているGHS分類作業に整合性を持たせるために利用可能な情報源を定めています。
特に国連GHS文書では、分類を行う場合に入手可能な全てのデータをあたることとしていますが、本ガイダンスでは利用可能なデータとして以下が挙げられています。また、得られた情報の原著を確認することができるかどうか(情報源の確からしさ)に基づき使用する情報源に優先順位を付与している場合もあります。
- 国際機関、主要各国等で作成され、信頼性が認知されている化学物質評価文書等
- 上記の評価書以外の有用な文書やデータベース等
- 一次文献検索データベース及び参考データベース等
詳細については「政府向けGHS分類ガイダンス」を確認ください。
また、GHS分類に使用された情報の中には適宜改訂・更新されるものがあるため、政府によるGHS分類結果を利用する場合はGHS分類に使用されたデータがいつのものなのかを継続的に見直すことが重要です。
なお政府向けGHS分類ガイダンスに記載されている情報源以外のデータを使用することが妨げられているわけではありません。個別事業者で所持しているデータ等も事業者の責任でGHS分類に使用することができます。
- 「政府によるGHS分類結果」の分類実施者について教えてください
- A2-3
政府によるGHS分類事業では主に厚生労働省、経済産業省、環境省によって分類が行われております。各省庁において分類事業委託先を定め、さらに危険有害性(物理化学的危険性、健康に対する有害性、環境に対する有害性)に精通した専門家をGHS分類検討委員として任命し、委員会の指導の下に「政府向けGHS分類ガイダンス」に基づいて分類が行われています。
そのため公開されているGHS分類の結果についてのご質問は下記へ連絡ください。また、分類された物質によって分類担当省庁が異なりますので、どの省庁が分類を実施したのかを確認ください。各物質の分類結果のページ(Excel, HTML)において記載されています。
<GHS分類内容に関する問い合わせ先>
・厚生労働省(MHLW)
対象物質:安衛法対象物質等
対象とする危険有害性項目:物理化学的危険性・健康に対する有害性
厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 化学物質対策課
TEL: 03-5253-1111 (内線 5517、5514、5509)
FAX: 03-3502-1598
・環境省(MOE)
対象物質:GHS分類対象物質全て
対象とする危険有害性項目:環境に対する有害性
環境省 大臣官房 環境保健部 環境安全課
TEL: 03-5521-8260
FAX: 03-3580-3596
・経済産業省(METI)
対象物質:化管法対象物質等
対象とする危険有害性項目:物理化学的危険性・健康に対する有害性
経済産業省 産業保安・安全グループ 化学物質管理課 化学物質リスク評価室
TEL: 03-3501-0080
<Webサイト公表情報に関する問い合わせ先>
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)
化学物質管理センター 情報基盤課
TEL: 03-3481-1999
Mail:お問い合わせフォーム
- GHS分類を行うにあたって使える資料として、国連GHS文書(パープルブック)、JIS Z 7252、政府向けGHS分類ガイダンス、事業者向けGHS分類ガイダンスなどがありますが、それぞれどのようなものですか?
- A2-4
GHSに基づく分類方法などをまとめた資料は複数あり、分類を行う事業者は必要に応じて参照することができます。国連GHS文書(パープルブック)、JIS Z 7252、GHS分類ガイダンスのそれぞれについて以下に説明します。
国連GHS文書(パープルブック):
国連GHS文書は「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)」として2003年に発行されたものであり、化学品(物質及び混合物)の危険有害性に関する分類および表示について、国際的に調和をはかるための基準等を定めたものです。それらの内容は国連において議論され、2年ごとに更新改訂されるもので、2019年10月現在、改訂8版まで発行されています。化学品の分類に関しては危険有害性を物理化学的危険性、健康に対する有害性、環境に対する有害性と定義し、それぞれの危険有害性の判定基準が記載されています。化学品の表示に関しては主に安全データシート(SDS)に関する要求事項などを中心に化学品の危険有害性の情報伝達に関する事項が記載されています。国連GHS文書の内容をどのように各国内の制度として整備するかは一定の自由裁量が与えられており、危険有害性の区分に対しては選択可能方式(ビルディングブロック)を採用しています。
JIS Z 7252(日本産業規格:GHSに基づく化学品の分類方法):
日本国内におけるGHSの分類基準を明確するために、国連GHS文書に基づいて日本産業規格(JIS)が制定されています。JISでは日本国内における法律の実情や制度等を考慮し、国連GHS文書の内容を一部選択的に採用しています(ビルディングブロック)。例えば国連GHS文書に記載されている急性毒性の区分5や皮膚腐食性/皮膚刺激性の区分3については日本国内で採用されていません。海外で化学品を取り扱う際は各国で採用されている法規制等に注意する必要があります。また、2019年5月に改正されたJIS Z 7252の最新版は国連GHS文書改訂6版に準拠しています。
※JIS Z 7253は「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法(ラベル・SDS等について)」で、JIS Z 7252と同様に2019年5月に改正されました。
政府向けGHS分類ガイダンス:
「政府向けGHS分類ガイダンス」は、政府によるGHS分類事業において関係各省庁が対象物質のGHS分類を効率的かつ整合的に行うためのガイダンスであり、各省庁で行っているGHS分類作業において、同一基準に基づくようにJIS Z 7252に即したより詳細な分類方法や収集するべきデータ等の情報源が記載されています。
なお、平成19年度までは、データ収集の方法やデータの信頼性基準等を定めた「GHS分類マニュアル」と健康有害性について詳細な技術的方針と判断基準を定めた「技術上の指針」を使用してGHS分類が行われていましたが、平成20年度以降はこれらの文書を統合し「政府向けGHS分類ガイダンス」として整備されています。
事業者向けGHS分類ガイダンス:
事業者がJIS Z 7252を用いてGHS分類を正確かつ効率的に実施するための手引きとした「事業者向けGHS分類ガイダンス」が経済産業省より公開されています。本ガイダンスは「政府向けGHS分類ガイダンス」をベースとして混合物のGHS分類の内容を加えた実務的なガイダンスとして構成されています。信頼性の高いGHS分類結果を得るためにはさらなる精査(原著確認、最新知見の収集、専門家への意見聴取など)が必要となる点に注意が必要です。
3.「政府によるGHS分類結果」と日本の法律等との関係性に関して
- 安衛法・化管法・毒劇法とGHSの関係性について教えてください
- A3-1
日本国内においてGHSに対応したSDS・ラベルに言及している法律は主に3つあり、それぞれの規制内容は異なっています。関係性については経済産業省・厚生労働省が作成したパンフレットにまとめられていますので詳細はこちらを参照ください。
各法律との関係性の要約は以下のとおりです。
<安衛法(労働安全衛生法)>
主な遵守項目
- SDSの提供義務
- ラベルの表示義務 など
法規制対象物質
- ラベル表示及びSDS交付義務物質
- それ以外で危険有害性区分を有する物質(ラベル表示及びSDS交付努力義務)
問い合わせ先
厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 化学物質対策課
TEL: 03-5253-1111 (内線 5517、5514、5509)
FAX: 03-3502-1598
<化管法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)>
主な遵守項目
- SDSの提供義務
- ラベル表示の努力義務 など
法規制対象物質
- 第一種指定化学物質
- 第二種指定化学物質
問い合わせ先
経済産業省 産業保安・安全グループ 化学物質管理課 化学物質リスク評価室
TEL: 03-3501-0080
<毒劇法(毒物及び劇物取り締まり法)>
主な遵守項目
- 名称、成分、含量、製造・輸入業者の情報等の表示義務
- 性状・取扱に関する情報等の提供義務 など
法規制対象物質
- 毒物
- 劇物
問い合わせ先
厚生労働省 医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 化学物質安全対策室
TEL: 03-5253-1111(代表)
このように各法律における要求項目は異なりますが、一般的にはこれらの法律で定められた遵守事項を達成するためにJIS Z 7252・7253に準拠したGHS対応SDSおよびラベルを作成することが求められます。
法律の詳細情報や最新情報については各法律の所轄官庁へお問い合わせをお願いいたします。
- 他の法律とGHSの関係性について教えてください
- A3-2
GHS及びJIS Z 7252・7253に言及した法律は主に安衛法・化管法・毒劇法の3つですが、それ以外の法律においても化学品の危険有害性情報の通知・表示が求められる場合があります。表示に言及した法律としては消防法・農薬取締法・高圧ガス保安法・火薬取締法などが知られています。
また、JIS Z 7253ではSDSの「項目15-適用法令」について、安衛法・化管法・毒劇法以外の適用される国内法律の名称及びその国内法律に基づく規制に関する情報を含めることが望ましいとしています。記載例については厚労省のモデルラベル・SDSをご参照ください。
なお安衛法・化管法・毒劇法を含めて一部法律についてはNITE-CHRIPで検索することが可能です。
- 厚生労働省のモデルラベル・SDSとの関係性について教えてください
- A3-3
厚生労働省の職場のあんぜんサイトではSDSやラベル作成の際に参考となるようにGHSに対応したモデルラベル及びモデルSDSが公開されています。モデルラベル及びモデルSDSに記載されている危険有害性の項目については「政府によるGHS分類結果」を使用して作成されています。
しかしながら、モデルラベル・SDSの危険有害性の情報が公開作業の進捗の度合いから政府によるGHS分類結果と一致していない場合があります。最新情報についてはNITEで公開している「政府によるGHS分類結果」をご確認ください。
4.「政府によるGHS分類結果」の表示内容に関して
- GHS分類結果において危険有害性区分が付与される場合の意味を教えてください
- A4-1
「政府によるGHS分類結果」では関係各省の実施したGHS分類の結果を公開しています。その内容は個別物質のエクセル及びWebページ(HTML)における「分類結果」の欄に記載されています。
「分類結果」にはGHSに基づく危険有害性の分類結果が表示されます。そのためGHSに基づいて危険有害性の分類が付与される場合は、その物質の固有な性質として、物理化学的危険性、健康に対する有害性あるいは環境に対する有害性を有することを意味するため、取扱の際には注意が必要です。
各危険有害性項目に付与される区分の具体的な意味や危険性についてはJIS Z 7252・7253及び国連GHS文書にまとめられていますのでこちらを参照ください。
- 国連GHS文書(改訂第8版)(国連UNECE Webサイト)
- 国連GHS文書(仮訳)(経済産業省 Webサイト)
- JISリスト(日本産業標準調査会 Webサイト)※リンク先で「Z7253」と検索して下さい。
また、各危険有害性区分に紐づけられた危険有害性情報(Hコード)および注意書き(Pコード)の内容も確認することを推奨します。
GHSに基づき危険有害性区分が付与されない場合でも、その物質が「安全」であることを保証するものではありません。政府によるGHSの分類結果は、分類時点で入手可能なデータに基づき実施されているため、情報がなく区分が付与されていない場合もあります。あらゆる化学物質は誤った使用方法により、人の健康や環境へ害を及ぼす可能性がありますので注意が必要です。
- GHS分類結果において危険有害性区分が付与されない場合(区分外・区分に該当しない・分類できない・分類対象外)の意味について教えてください
- A4-2
政府によるGHS分類結果では、物理化学的危険性、健康に対する有害性、および環境に対する有害性に応じてGHS分類結果が表示されますが、危険有害性の区分が付与されない場合は以下の文言が表示されます。それぞれの意味は以下のとおりです。
分類結果での語句 説明内容 「区分外」※平成30年度(2018年度)以前「区分に該当しない」(Not classified, No classification) GHS分類を行うのに十分な情報が得られており、分類を行った結果、JISで規定する危険有害性区分のいずれの区分にも該当しない場合(JISでは採用していない国連GHS急性毒性区分5に該当することを示すデータがあり、区分1から区分4には該当しない場合なども含む)、あるいは分類区分を付与するだけの明確な有害性の証拠とは判断されなかった場合。 「分類できない」(Classification not possible) 各種の情報源等を検討した結果、GHS分類の判断を行うためのデータが全くない場合、又はGHS分類を行うための十分な情報が得られなかった場合。 「分類対象外」(No applicable) GHS分類の手順で用いられる物理的状態又は化学構造が該当しないため、当該区分での分類の対象となっていない場合。 GHSに基づき危険有害性区分が付与されない場合でも、その物質が「安全」であることを保証するものではありません。政府によるGHSの分類結果は、分類時点で入手可能なデータに基づき実施されているため、情報がなく区分が付与されていない場合もあります。あらゆる化学物質は誤った使用方法により、人の健康や環境へ害を及ぼす可能性がありますので注意が必要です。
- 再分類の結果に表示される「-」の意味について教えてください
- A4-3
政府によるGHS分類結果では、すでにGHS分類が行われた物質に対して再度、最新のデータや更新された政府向けGHS分類ガイダンスに基づきGHS分類を行う場合があります。
再分類の際には一部の危険有害性項目(発がん性、引火性液体、環境に対する有害性など)についてのみGHS分類を検討する場合があり、そのようなケースでは再分類の対象となっていない項目の分類結果には「-」ハイフンが表示されます。「-」が表示された危険有害性項目については前回実施したGHSの分類結果が最新情報になりますので当該年度以前のGHS分類結果を参照ください。
- 分類結果に表示される「※」の意味について教えてください
- A4-4
令和元年度(2019年度)の「政府によるGHS分類結果」では、対象物質がGHSにおける危険有害性の区分が付与されない場合(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)、分類結果には「※」米印が表示されています。分類の判定の詳細については各対象物質の分類根拠欄を参照してください。
- 分類根拠・問題点に記載された内容について説明してください
- A4-5
NITEから公開している「政府によるGHS分類結果」は、事業者がラベルやSDSを作成する際に参照してもらうことを目的としているため、どのような情報を用いてGHS分類が行われたのかがわかるように、そのGHS分類結果の判断に至った理由や分類時点における留意事項を「分類根拠・問題点」として記載しています。
すなわち、一部の危険有害性項目については定量的なデータによって危険有害性区分が付与されますが、他の多くの項目については半定量的または定性的な判定基準によるため、データの解釈には専門家の判断が必要な場合があり、その判断等を記載しているものです。
- 危険有害性情報(Hコード)、注意書き(Pコード)について教えてください
- A4-6
政府によるGHS分類結果では、付与された危険有害性区分に基づき、危険有害性情報(Hコード)及び注意書き(Pコード)を表示しています。
危険有害性情報(Hコード)(Hazard statement)
- 危険有害性の性質を、該当する程度も含めて記述したもの
注意書き(Pコード)(Precautionary statement)
- 危険有害性をもつ物質への暴露、または、その不適切な保管や取扱いから生じる被害を防止し、または最小にするためにとるべき推奨措置を記述したもの
表示されているHコードとPコードについては危険有害性区分に基づき、3桁のコード(例:P260、H370など)を付与・表示しています。これらのHコード及びPコードとGHS危険有害性区分の対応表についてはJIS Z 7253を参照しています。
なお、Hコード、PコードについてはGHS文書の改訂に伴い、適宜、見直し等が行われているため、最新の情報については国連GHS文書を参照ください。
<参考情報>
HコードやPコードは、GHSにおける危険有害性情報や注意書きの文言を参照するためのものであり、文言の一部ではないので、文言の代わりに用いることはできません。
なお、ラベルやSDSには原則、全ての要素を記載することが求められていますが、JIS Z 7253では、ラベルについては「視認性の良い記載とし、詳細についてはSDSを参照する旨記載することが望ましい」とした上で、「ラベル表示を行う者が適切な注意書きを選択し、記載する。」と規定しています。
5.NITEによる独自コンテンツに関して
- 「政府によるGHS分類結果」の英訳は誰が行っていますか?
- A5-1
「政府によるGHS分類結果」については主に厚生労働省・経済産業省・環境省が分類を行ったものをNITEがとりまとめてWebサイトに公開していますが、英訳については、2006年度を除き※NITEが翻訳を実施しています。
※平成18年度についてはGHS関係省庁連絡会議が英訳を実施。
「物質名称」や「危険有害性区分」などの基本的な情報は日本語版の公開と同時に英語版をNITEから公開していますが、「根拠文・問題点」については日本語版のGHS分類結果が公開された後に翻訳作業を行うため公開時期が日本語版に比べて遅くなっています。また、過去の「政府によるGHS分類結果」における「根拠文・問題点」の英訳については順次翻訳を行っていますが全ての英訳が終了しているわけではありませんのでご注意下さい。
- 「政府によるGHS分類結果」の全対象物質の危険有害性区分の一覧表の利用方法を教えてください
- A5-2
「政府によるGHS分類結果」は個別対象物質ごとにHTML・Excelファイルで閲覧することが可能ですが、全ての物質の危険有害性区分をまとめて閲覧したいという要望に応えるためNITEでは全対象物質の危険有害性区分の一覧表を作成しています。
特定の区分が判定されている物質のみを抽出したい場合や過去のGHS分類結果との比較を行いたい場合はこちらのファイルが有用です。
- ダウンロードはこちらから「政府によるGHS分類結果」の全対象物質の危険有害性区分の一覧表
- 国連GHS文書の次回改訂予定などについて教えてください
- A5-3
国連GHS文書(パープルブック)は2年おきに改訂されており、その議論は国連GHS専門家小委員会で行われています。GHSの改訂内容については主に各国・機関の専門家から提案がなされ、専門家の合意を経て決定されています。改訂された国連GHS文書の内容は定期的にJIS規格に反映されるため、今後どのような変更が適用されるのか注視することが重要です。
また、NITEでは国連GHS専門家小委員会から公表される報告書を和訳して公開しています。
〈国連GHS文書 改訂8版に向けた会議〉
〈国連GHS文書 改訂9版に向けた会議〉
- 第37回報告書(2019年 7月開催)
- 第38回報告書(2019年 12月開催)
- 第39回(2020年 12月開催予定)
- 原文はこちらから国連GHS専門家小委員会 報告書ページ
最終更新日
2020年12月14日お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター 情報基盤課
- TEL:03-3481-1999 FAX:03-3481-2900
住所:〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10 地図
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