NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 108-99-6
名称 3-メチルピリジン
物質ID m-nite-108-99-6_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点は38℃ (closed cup) (ICSC (1999)) であることから区分3とした。国連分類UN2313 (ピコリン) クラス3、PGⅢ。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は500℃ (溶剤ポケットブック (1997)) であり常温で発火しないと考えられる。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、400~800 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2007))、400 mg/kg (NTP TR580 (2014)) の2件の報告に基づき区分4とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ウサギのLD50値として、800~2,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の報告があり、区分3~4に該当することから、有害性の高い区分を採用し、区分3とした。なお、ウサギのLD50値として、< 1,000 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2007)) の報告があるが、この値からは区分を特定することはできないため分類には用いなかった。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
ラットのLC50値 (4時間) として、1,300~3,300 ppm (NITE初期リスク評価書 (2007)、PATTY (6th, 2012)) の報告があり、区分3~4に該当することから、有害性の高い区分を採用し、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (7,985 ppm) の90%より低い濃度であるため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (4時間適用) で腐食性がみられたことから (NITE初期リスク評価書 (2007))、区分1とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギを用いた眼刺激性試験で強い刺激性がみられ、21日後にも症状が認められたことから (NITE初期リスク評価書 (2007))、区分1とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - CERIハザード評価シート (2002) のモルモットを用いた皮膚感作性試験において、「皮膚感作性は示されなかった」との、報告があるが、報告が1つのみであることから、分類できないとした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの末梢血を用いた小核試験で陰性 (NTP TR580 (2014))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、NTP TR580 (2014)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2016))。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラット、又はマウスに2年間経口 (飲水) 投与した発がん性試験において、ラットでは肺胞/細気管支腺腫の頻度、及び肺胞/細気管支の腺腫とがんの合計頻度の増加が雌にみられたが、雄には腫瘍の増加は示されなかった。マウスでは肺胞/細気管支腺腫の増加が雄に、肝細胞の腺腫、がん、及び肝細胞の腺腫と肝芽腫(hepatoblastoma)の合計の頻度増加、並びに肺胞/細気管支がん、及び肺胞/細気管支の腺腫とがんの合計頻度の増加が雌に認められた。本試験結果からは発がん性は雄ラットに証拠なし、雌ラットにある程度の証拠あり、雄マウスに不確かな証拠あり、雌マウスに明らかな証拠ありと結論された (NTP TR580 (2014))。また、NTPは考察の中で、肺は本物質の標的臓器で雌ラット、雌雄マウスに認められた肺腫瘍は本物質投与による影響と判断している (NTP TR580 (2014))。
以上、証拠の重みづけを考慮し、本項は区分2とするのが妥当と判断した。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)


警告
H335
H336
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
本物質の蒸気は気道を刺激するとの記載がある (環境省リスク評価第5巻 (2006))。またラット、マウス、ウサギを用いた経口、吸入又は経皮ばく露による急性毒性試験で、嗜眠、意識喪失、虚脱、努力呼吸、歩行異常及び正向反射消失などの症状が観察されている (NITE初期リスク評価書 (2007))。以上より区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。なお、旧分類では本物質の蒸気にばく露された労働者に自律神経障害、徐脈、血圧低下、軽度の中枢神経障害などの症状がみられたとの2件の報告 (NITE初期リスク評価書 (2007)、(PATTY (6th, 2012)) を根拠として区分1 (神経系) と分類していたが、資料を精査した結果、これらは元文献が同じであり、同一の症例である可能性が非常に高いことが判明した。症例1例では神経系を標的臓器とする根拠として十分ではないと判断し、分類結果を変更した。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (肝臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトについては、職業ばく露により、11 年間、ばく露防護対策なく主に本物質のばく露を受けた男性労働者に頭痛、悪心、右季肋部痛、失声症、発疹がみられた。また、肝細胞毒性を示唆するALT活性及びAST活性の上昇、ビリルビン血症がみられ、ヒトの肝臓障害の可能性を示唆しているとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007))。また、この症例について環境省リスク評価書第5巻 (2006)、PATTY (6th, 2012) では (S) GOTと (S) GPT活性の増加がみられたとしている。
実験動物では、十分な報告はなく、ラットを用いた吸入による2週間反復ばく露試験において回復性のある肝臓の重量増加以外に影響はみられていないとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価書第5巻 (2006))。
以上のように、ヒトにおいて、肝臓の影響の可能性が示されたことから、区分1 (肝臓) とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)72時間EC50 = 15 mg/L(環境省リスク評価第2巻, 2003)であることから、区分3とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:3%(既存点検, 2002))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(r) = 1.0 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(繁殖) =1.0 mg/L(いずれもNITE初期リスク評価書, 2007、環境庁生態影響試験, 1996、環境省リスク評価第2巻, 2003)であることから、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がないが(BODによる分解度:3%(既存点検, 2002))、生物蓄積性が想定されず(濃度設定が0.50 mg/L、0.05 mg/LのときのBCFが< 2.2~< 3.0、< 24~< 29(既存点検, 2002))、魚類(メダカ)96h LC50 >100 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2007、環境庁生態影響試験, 1996、環境省リスク評価第2巻, 2003)であることから、区分外となる。
以上の結果を比較し、区分2とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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