NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 137-05-3
名称 2-シアノアクリル酸メチル
物質ID m-nite-137-05-3_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点82.78℃ (closed cup) (ACGIH (7th,2001)) に基づいて区分4とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 化学構造に不飽和結合 (オレフィン) を含むが、データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が465℃ (有機化合物辞典 (2004)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 鋼及びアルミニウムが容器として使用できる (HSDB (Access on August2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、1,600~3,200 mg/kgとの報告 (ACGIH (7th, 2001)) 及びラットへの5,000 mg/kg投与で死亡例なしとの報告 (CICAD 36 (2001)) がある。1件は区分を特定できなく、もう1件は区分外に該当するので、区分外とした。旧分類根拠のLD50値を1,600~3,200 mg/kgに訂正し、区分を見直した。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - モルモットのLD50値として、> 11,000 mg/kgとの報告 (ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分外とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値 (6時間) として、101 ppm (4時間換算値:123 ppm) との報告 (ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (< 2,700 ppm) より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)で区分2を示唆する情報が得られたが、(4)~(6)では区分外を示唆する情報が得られており、相反する結果が報告されていることから、分類できないとした。

【参考データ等】
(1)EU CLPではSkin Irrit. 2に分類している。
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(Guideline 83/467/EC No.8(OECD TG404相当)、n=3)で本物質原体を4時間半閉塞適用したところ、紅斑スコア:3、浮腫スコア:1.5の刺激性が見られ、2/3は14日後も回復しなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
(3)CICADは、本物質及び2-シアノアクリル酸エチルをばく露することにより生じるアレルギー性接触性皮膚炎がアレルギー誘発によるものか、刺激性によるものなのかについて結論できないとしている(CICAD(2001))。
(4)本物質のヒトデータに基づくと、単回ばく露では皮膚刺激性を示さないが、反復ばく露で皮膚刺激性を示す証拠があるとの報告がある(CICAD(2001))。
(5)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(Code of Federal Regulations §191.11(OECD TG404相当)、n=3/群)で本物質原体(純度88.8%)を24時間閉塞適用したところ、72時間後に紅斑スコア:0.33の皮膚刺激が見られたとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
(6)ウサギを用いた皮膚刺激性試験で本物質原体(純度約100%)を24時間半閉塞適用したところ、72時間後に紅斑スコア:0.75の皮膚刺激が見られたが、浮腫の兆候はなかったとの報告がある(CICAD(2001))。

【参考データ等】
(7)本物質は、平成8年労働省告示第33号(平成25年厚生労働省告示第316号により改正)において、労働基準法施行規則別表第一の二第四号1の厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)に指定されており、本物質にさらされる業務による、特定の症状又は障害を主たる症状又は障害とする疾病(皮膚障害、気道障害又は粘膜刺激)が、業務上の疾病として定められている。
(8)本物質は、平成15年厚生労働省労働基準局長通知基発第0811001号において、労働安全衛生規則第594条に規定する皮膚障害防止用保護具の備付けが必要な皮膚に障害を与える物として指定されている。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質を適用した結果、刺激性の平均スコアは結膜発赤1.37、結膜浮腫 0.96、角膜混濁1.00、虹彩炎0.48であり、症状は72時間の観察期間で回復傾向を示したとの報告がある (CICAD 36 (2001))。また、ヒトにおいても可逆性の眼刺激性がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。以上の結果から、区分2Bとした。なお、本物質はEU CLP分類において「Eye. Irrit. 2 H319」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
【分類根拠】
本物質のみでの呼吸器感作性の分類判断を可能とする情報は十分に得られていないが、本物質は2-シアノアクリル酸エチルとの混合物として一般に使用されており、(1)(2)のデータ及びACGIHの評価に基づき区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質及び2-シアノアクリル酸エチルを含有する接着剤が職業性喘息を引き起こしたとされる症例が多数報告されている(ACGIH(2017)、CICAD(2001))。
(2)ACGIHは、過去から現在までの症例報告(Lozewicz et al., 1985; Nakazawa, 1990; Quirce et al., 2001; Lindstrom et al., 2013)を踏まえ、本物質及び2-シアノアクリル酸エチルは呼吸器感作性を有すると判断できると結論付け、本物質及び2-シアノアクリル酸エチルのグループをRSENに分類し、これらの物質への低濃度ばく露による影響が一部の作業者で生じる可能性を産業衛生士に警告することを推奨している(ACGIH(2017))。

【参考データ等】
(3)CICADは、本物質及び2-シアノアクリル酸エチルをばく露することにより生じる喘息がアレルギー誘発によるものか、刺激性によるものなのかについて結論できないとしている(CICAD(2001))。
(4)DFGOTは、本物質及び2-シアノアクリル酸エチルを含有する接着剤が呼吸器感作性を示すとの症例報告の数は限定的であり、また、症例報告があったとしてもシアノアクリレート類による複合ばく露による影響を考慮する必要があり、シアノアクリレート類の作用機序も明示的になっていないことから感作性を有するとは断定できないとしている(DFGOT vol.13(1999))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
本物質のみでの皮膚器感作性の分類判断を可能とする情報は十分に得られていないが、本物質は2-シアノアクリル酸エチルとの混合物として一般に使用されており、(1)、(2)のデータ及びACGIHの評価に基づき区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質及び2-シアノアクリル酸エチルを含有する接着剤がアレルギー性接触性皮膚炎を引き起こしたとされる症例が多数報告されている(ACGIH(2017)、CICAD(2001))。
(2)本物質を使って高級石材を貼り付けていた12人の作業者に接触性皮膚炎等の症状が見られた。模擬作業環境で濃度測定を行ったところ、空気濃度は0.4 ppmであり、換気システムが設置されていたことからも刺激による症状ではないとされた(ACGIH(2017))。
(3)ACGIHは、過去から現在までの症例報告(Bruze et al., 1995; Conde-Salazar and Guimaraens, 1998; Constandt et al., 2005; Bhargava et al., 2012)を踏まえ、本物質及び2-シアノアクリル酸エチルは皮膚感作性を有すると判断できると結論付け、本物質及び2-シアノアクリル酸エチルのグループをDSENに分類し、これらの物質への低濃度ばく露による影響が一部の作業者で生じる可能性を産業衛生士に警告することを推奨している(ACGIH(2017))。

【参考データ等】
(4)本物質は、平成8年労働省告示第33号(平成25年厚生労働省告示第316号により改正)において、労働基準法施行規則別表第一の二第四号1の厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)に指定されており、本物質にさらされる業務による、特定の症状又は障害を主たる症状又は障害とする疾病(皮膚障害、気道障害又は粘膜刺激)が、業務上の疾病として定められている。
(5)本物質は、平成15年厚生労働省労働基準局長通知基発第0811001号において、労働安全衛生規則第594条に規定する皮膚障害防止用保護具の備付けが必要な皮膚に障害を与える物として指定されている。
(6)モルモットを用いた皮膚感作性試験で本物質は感作性を示さなかったとの報告がある((ACGIH(2017)、CICAD(2001)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (CICAD 36 (2001))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性である (DFGOT vol. 1 (1990)、CICAD 36 (2001)、ACGIH (7th, 2001)、NTP DB (Access on October 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 国際機関による分類結果もなく、データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
本物質は気道刺激性がある (ACGIH (7th, 2001)、CICAD 36 (2001)、DFGOT vol. 1 (1990))。その他、ヒト及び実験動物のデータはない。
以上より、区分3 (気道刺激性) とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on August 2015) に収載された数値データ (粘性率: 2.2 mPa・s (25℃)、密度 (比重) : 1.1012 g/cm3 (20℃)) より、動粘性率は 2.0 mm2/sec (25/20℃) と算出される。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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