NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 13814-96-5
名称 ビス(テトラフルオロホウ酸)鉛
物質ID m-nite-13814-96-5_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 金属 (Pb) を含むが、水に可溶で水溶液中でのみ安定という情報 (R.Lide (2010)) があり、水と急激な反応はしないと考えられる。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 分類できない
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- - 酸素を含まずハロゲン元素 (F) を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - データがなく分類できない。なお、アルミニウムに対して腐食性があるとの情報 (HSDB (Access on September 2016)) がある。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
本物質の情報はない。酢酸鉛、塩化鉛、硝酸鉛、臭化鉛の情報を分類に使用した。すなわち、in vivoでは、ラット、マウスの骨髄細胞を用いる染色体異常試験、ラットの骨髄細胞を用いる小核試験で陽性、マウスの骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験で陽性の結果があるが、陰性結果も散見される (IARC 87 (2006))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、小核試験で陽性結果があるが、これらの試験系に加え、染色体異常試験で陰性結果も散見される (IARC 87 (2006))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
本物質自体のデータはヒト、実験動物いずれもない。ただし、IARCは無機鉛化合物の発がん性に関して、ヒトで限定的な証拠及び実験動物で十分な証拠があるとして無機鉛化合物の発がん性をグループ2Aに分類した (IARC 87 (2006))。この他、ACGIHが鉛及び無機鉛化合物に対しA3に (ACGIH (7th, 2001))、日本産業衛生学会が鉛及び鉛化合物に対し2Bに分類している (許容濃度の勧告 (2016))。以上、本項は無機鉛化合物の既存分類結果を適用することとし、IARCの評価を優先するとのガイダンスにしたがい区分1Bとした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分1A


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
電池工場で無機鉛化合物にばく露された (血中鉛濃度が40 μg/dL以下) 男性作業者に精子パラメータの減少がみられ、鉛が成人で精子機能及び内分泌機能に影響を及ぼすことが報告されている (NTP DB (Access on September 2016))。また、鉛は胎盤通過性があり、胎児の脳を含め臓器に蓄積し、高濃度の無機鉛は子宮内胎児死亡・死産を誘発する (NTP DB (Access on September 2016))。さらに、出生前の鉛ばく露が低レベルであっても、出生児に生後早期の成長遅延・発達遅延が生じると報告されている (NTP DB (Access on September 2016))。既存分類として、EUは本物質を Repr. 1A に分類し、SVHC指定した (ECHA Annex XV dossier (Access on October 2016))。また、日本産業衛生学会は鉛及び鉛化合物に対し、生殖毒性物質第1群に分類している (許容濃度の勧告 (2016))。以上より、本項は区分1Aとした。なお、ホウ素化合物のホウ酸 (CAS番号: 10043-35-3) においては、実験動物で生殖発生毒性が認められており、区分1Bに分類されている (平成25年度GHS分類結果)。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露のデータはない。本物質は無機鉛化合物であり、水に可溶との情報がある (IARC 87 (2006))。無機鉛化合物は水溶液で摂取した場合には鉛イオンが生じ、鉛の毒性が生じると考えられる。ヒトでは鉛の急性毒性症状として感情鈍麻、不穏状態、短気、注意力散漫、頭痛、筋振戦、幻覚、記憶喪失、腎障害が報告されている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013)、ATSDR (2007)、EHC 3 (1977))。以上より区分1 (中枢神経系、腎臓) とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、血液系、心血管系、腎臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
当該物質のデータはないが、鉛及び無機鉛化合物による高濃度の反復ばく露では尿細管萎縮、間質性線維症、糸球体硬化症を含む腎臓に不可逆的な変化をもたらし、最終的には慢性腎炎を引き起こすとの記載がある (IARC 87 (2006))。鉛中毒患者の疫学調査でヘモグロビン濃度とヘマトクリット値が非ばく露の対照被験者と比べ有意に減少したとの報告があり (ATSDR (2007))、鉛によりδ-アミノレブリン酸脱水酵素及びヘム合成酵素が阻害され、ヘモグロビン合成阻害、赤血球寿命の短縮による小血球性貧血や低色素性貧血が引き起こされるとの記載がある (ATSDR (2007))。一方、慢性鉛中毒と心筋障害との関係を支持する調査研究があり、鉛中毒の労働者に心電図異常が認められたとの報告 (ACGIH (7th, 2001))、及び疫学調査のデータから、鉛の体内吸収は心臓の拡張期及び収縮期ともに有意な血圧上昇を引き起こすと結論付けられている (ACGIH (7th, 2001))。さらに、鉛の血中濃度が高い作業者に運動神経伝導速度の抑制がみられ (ACGIH (7th, 2001))、鉛電池に30年以上ばく露された9人中7人にパーキンソン症候群が観察されたとの報告もある (NICNAS (2007))。 以上より、区分1 (神経系、血液系、心血管系、腎臓) とした。
なお、フッ素症の原因となる可能性があり、兆候として体重減少、不調、貧血、白血球減少症、歯の変色、骨硬化症との記載がある (HSDB (Access on September 2016))。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
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H402 P273
P501
魚類(ファットヘッドミノー)96時間LC50 = 18 mg/L(AQUIRE, 2016、Curtis and Ward, 1981)であることから、区分3とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。無機化合物につき環境中の動態は不明であるが、急性毒性区分3であることから、区分3とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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