NITE統合版 政府によるGHS分類結果

English



一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 25167-67-3
名称 ブテン (全異性体)
物質ID m-nite-25167-67-3_v1
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類ガイダンス等(外部リンク) ガイダンス一覧へ
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書へ
FAQ(よくある問い合わせ) よくある問い合わせへ
情報源のリスト(Excelファイル) 情報源のリストへ
用語のリスト(Excelファイル) 用語のリストへ
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortalへ

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分1


危険
H220 P210
P377
P381
P403
UNRTDG分類 UN1012 クラス2.1である (爆発限界下限1.6-1.8、上限9-10% (ACGIH (7th, 2008))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない
-
-
- - UNRTDG分類 UN1012 クラス2.1の可燃性又は引火性のガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 液化ガス


警告
H280 P410+P403 臨界温度 (146.5℃ (1-ブテン)、155.5℃ (trans-2-ブテン)、162.4℃ (cis-2-ブテン)、144.7℃ (イソブテン) (GESTIS (Access on June 2015)) は65℃を超えているため、液化ガス (低圧液化ガス) とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。trans-2-ブテン (55.3 vol%)、cis-2-ブテン (42.4 vol%)、その他 (n-ブタン、1-ブテン等) (2.3 vol%) からなる混合物のラットのLC50値 (4時間) として、> 10,000 ppmとの報告 (SIDS (2012)) があるが、このデータからは区分を特定できない。なお、イソブテンのラットのLC50値 (4時間) として、270,000 ppmとの報告 (SIDS (2012)) もある。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、SIDS (2012) には、2-ブテンの液化製品と直接皮膚が接触すると、凍傷を引き起こす可能性があるとの記載がある。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、1-ブテンは眼に軽度の刺激性あり (HSDB (Access on June 2015)) との記載がある。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。ブテン異性体混合物のin vivoの情報はない。異性体のin vivoデータとして、1-ブテンのマウスを用いた小核試験で陰性 (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2001))、イソブテンのラット及びマウスを用いたDNA付加体形成試験で陰性、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性の報告がある (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2001))。
In vitroでは細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性の報告がある (NTP DB (Access on June 2015))。異性体のin vitroデータとして、1-ブテンの細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性 (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2001))、2-ブテンの細菌を用いた復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性 (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2001))、イソブテンの細菌を用いた復帰突然変異試験、マウスリンフォーマ試験、マウス胚線維芽細胞を用いた形質転換試験、及びヒトのリンパ球を用いた小核試験において陰性の報告がある (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2001))。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ブテン異性体混合物のヒトでの発がん性に関する情報はない。実験動物では、一異性体であるイソブテンに対してのみ、ラット及びマウスを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験が実施されており、雄ラットでは最高濃度の8,000 ppm群で5/50例に甲状腺濾胞細胞のがんが認められた (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2008))。しかし、雌ラット及び雌雄マウスには甲状腺を含めて、発がん性の証拠は示されず、甲状腺腫瘍に対してもヒトでの発症の妥当性については不明であるとされ (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2008))、ACGIHはイソブテンの発がん性に対してA4に分類した (ACGIH (7th, 2008))。イソブテンはACGIHによる発がん性分類を適用してA4相当と考えられ、また他の異性体については情報が得られないことから、分類できないとした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ブテン異性体混合物の生殖毒性のデータはない。異性体のデータとしては、1-ブテン (純度99%以上)、又は2-ブテン (cis-、trans-異性体混合物; 純度95%以上) をラットに交配前2週間、交配及び妊娠期間を通して、吸入ばく露した反復投与毒性・生殖毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物の生殖器官及び生殖能への影響、児動物の生後4日までの生存率、成長への影響はみられていない (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2008))。また、イソブテンを妊娠ラットに妊娠5-21日まで吸入ばく露した催奇形性試験において、母動物毒性、胎児毒性、催奇形性はみられなかった (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2008))。
以上より、個別の異性体についての試験では生殖毒性、発生毒性ともにみられていないが、イソブテンの催奇形性試験以外の生殖毒性試験はスクリーニング試験であり、各々の異性体について生殖発生毒性影響を完全に否定できるデータセットが揃っている状況にはないと考えられ、データ不足のため、分類できないとした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 実験動物 (ラット、マウス) では、イソブテン、1-ブテン、cis-2-ブテン又はtrans-2-ブテンの吸入ばく露 (17.2-22.7%) で、10分以内に麻酔作用を引き起こしたとの知見、21-27% (210,000-270,000 ppm) の1-ブテン、cis-2-ブテンあるいはtrans-2-ブテン、32% (320,000 ppm) のイソブテンの吸入ばく露後、窒息を引き起こしたとの報告がある (ACGIH (7th, 2008)、SIDS (2012)、PATTY (6th, 2012))。
ヒトにおいては、イソブテンの吸入では利用できる酸素濃度を減少させ、麻酔作用ないし窒息を引き起こす可能性があるとの報告がある (SIDS (2012))。
上記の窒息及び麻酔作用は、限られた空間での酸素欠乏によるものであるため、分類できないとした。なお、ブテンの混合物としての情報はない。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ブテン異性体混合物に関する反復投与毒性情報はない。
実験動物における吸入経路での毒性情報が異性体である1-ブテン、2-ブテン、イソブテンで得られている。経口経路での毒性情報がイソブテンで得られている。
吸入経路では、1-ブテン、2-ブテンについては、ラットを用いた吸入経路での反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において5,000 ppmあるいは8,000 ppmまでの用量で毒性所見はみられていない (SIDS (2012))。これは区分2を超える用量に相当する。しかし、これらの試験はスクリーニング試験であるため十分な情報でなく分類できない。イソブテンについては、ラットを用いた14週間吸入毒性試験で鼻腔の鼻咽頭管の杯細胞のわずかな肥大が最低濃度の500 ppmからみられ、105週間吸入毒性試験において鼻腔の嗅上皮の硝子変性の増加が最低濃度の500 ppmからみられている。マウスでは14週間吸入毒性試験において影響はみられず、105週間吸入毒性試験では鼻腔の呼吸上皮の硝子変性の増加が最低濃度の500 ppmから、嗅上皮の硝子変性の増加が2,000 ppmからみられている (NTP TR487 (1998)) 。しかし、SIDS (2012) では、これら鼻腔粘膜にみられた影響は刺激性物質に対する非特異的な適応性反応であり、有意な毒性影響とはしておらず、ラットを用いた14週間吸入毒性試験のNOAELは8,000 ppm (ばく露条件による換算値:6,222 ppm)、105週間吸入毒性試験のNOAELは2,000 ppm 、マウスを用いた14週間吸入毒性試験のNOAELは8,000 ppm (ばく露条件による換算値:6,222 ppm)、105週間吸入毒性試験のNOAELは8,000 ppm としている (SIDS (2012))。したがって、区分外に相当する。
また、イソブテンをフリーザー内でオリーブ油に溶かした溶液によるラットを用いた28日間強制経口投与毒性試験において、最高用量の150 mg/kg/day (投与日数による換算値:46.7 mg/kg/day) まで影響がみられていないが、区分2の範囲内であるため分類できない (SIDS (2012))。
ブテン異性体混合物は気体であり、吸入経路が主なばく露経路と考えられることから、区分外と推定されるが、データ不足のため分類できないとした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義におけるガスである。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
-
-
- - 適切なデータが得られておらず、分類できない。
なお、SIDSではQSARの推定値として、藻類96時間EC50 = 12~15 mg/L、甲殻類48時間EC50 = 19~23 mg/L、魚類96時間LC50 = 18~21 mg/L (いずれもSIDS, 2012)と報告されているが、分類には用いなかった。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
-
- - 適切なデータが得られておらず、分類できない。
なお、SIDSではQSARの推定値として、藻類の96時間chronic value=1.6~1.8 mg/L、甲殻類の16日間chronic value=1.2~1.4 mg/L、魚類の30日間chronic value=2.4~2.9 mg/L(いずれもSIDS, 2012)と報告されているが、分類には用いなかった。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

GHS関連情報トップページに戻る