NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 56-72-4
名称 O-3-クロロ-4-メチルクマリン-7-イルO,O-ジエチルホスホロチオアート【クマホス】
物質ID m-nite-56-72-4_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
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- - 可燃性を有するが (HSDB (Access on June 2015) データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 分類できない
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- - 化学構造にP-O (亜燐酸塩類) を含むが、データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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-
- - 可燃性ではあるが、容易には着火しない (HSDB (Access on June 2015) と記されていることから、常温の空気と接触しても着火源がなければ発火しない、と判定した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水溶解度が測定されており、水と激しく反応しないと推定される。水溶解度:1.5 mg/L (HSDB (Access on June 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
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- - フッ素と塩素を含まず酸素を含む有機化合物であり、この元素 (O) が炭素、水素以外の元素 (P) と化学結合しているがデータがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分2


危険
H300 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、41 mg/kg (雄)、16 mg/kg (雌) (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2006))、37 mg/kg (雌)、139 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2006))、> 240 mg/kg (雄)、17 mg/kg (雌) (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006)) との6件の報告がある。最も多くのデータ (4件) が該当する区分2とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ラットのLD50値として、860 mg/kg (ACGIH (7th, 2006))、> 2,400 mg/kg (雄、雌) (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006))、ウサギのLD50値として、500 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)) との3件の報告がある。最も多くのデータ (2件) が該当する区分3とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値 (1時間) として、1.081 mg/L (雄) (4時間換算値:0.27 mg/L)、0.341 mg/L (雌) (4時間換算値:0.085 mg/L) との報告 (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006)) に基づき、区分2とした。なお、固体であるため、ミスト・ダストの基準値を適用した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギを用いた皮膚刺激性において刺激性なしとの報告がある (EPA Pesticide (2006))。また、本物質は皮膚に対して刺激性はないとの記載がある (ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分外とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた眼刺激性試験において軽度の刺激性がみられたが7日以内に回復したとの報告がある (EPA Pesticide (2006))。また、本物質は眼に対して軽度の刺激性を示すとの記載がある (ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分2Bとした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた皮膚感作性試験で感作性はみられなかったとの報告があるが (EPA Pesticide (2006))、試験法等詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータとした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、経口投与によるマウスの骨髄細胞を用いる小核試験で陰性 (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on July 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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-
- - ヒト発がん性に関する既存分類ではACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2006))、EPAでNLに分類されている (EPA Pesticide (2006))。実験動物による試験成績としては、ラット及びマウスを用いた経口経路 (混餌) による2年間発がん性試験の結果、いずれの投与群にも腫瘍発生頻度の増加は示されなかったものの、高用量群 (20 ppm) ではラットの雌で体重増加抑制がみられた以外に、ラット、マウスともに有意な毒性所見はみられていない (NTP TR96 (1979)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。ただし、他のラットを用いた混餌投与による2年間投与試験では、飼料中濃度が雌で5 ppm 以上、雄で 25 ppm で血漿、及び赤血球中のコリンエステラーゼ活性の低下がみられた (ACGIH (7th, 2006)) との記述もあり、NTPによる発がん性試験の用量設定は妥当なものと考えられた。以上、旧分類以後に改訂された分類ガイダンスに従い、EPAの分類結果からは区分外相当となるが、ACGIHの分類結果を優先し、分類できないとした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物ではラットを用いた経口経路 (混餌) での2世代生殖毒性試験において、血漿、及び赤血球内のコリンエステラーゼ活性の低下が親動物に認められたが、性機能、生殖能に対する有害影響は認められなかった (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。また、妊娠ラット、又は妊娠ウサギの器官形成期に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物にはラットで振戦、ウサギで死亡、流産がみられたが、ラット、ウサギともに胎児に発生影響はみられなかった (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上、実験動物を用いた既存の試験結果からは重大な生殖発生毒性を懸念すべき証拠はないが、本物質が神経系を標的とする物質であることから、神経発達毒性試験など生後の発達影響について十分な評価が行われておらず、本項はデータ不足のため分類できないとした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質の毒性作用は有機リン中毒の特徴である。第一に、血漿及び赤血球のアセチルコリンエステラーゼ阻害が生じる。コリンエステラーゼ阻害の毒性症状は、急速に発症するが、回復性を有する神経筋刺激による症状である (以上、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。また、本物質のばく露によるヒトの臨床症状として、ムスカリン様作用 (副交感神経影響)、ニコチン様作用 (交感神経、運動機能への影響)、中枢神経系影響によるものであり、頭痛、脱力感、めまい、視力障害、精神的影響 (psychosis)、呼吸困難、麻痺、痙攣、昏睡がみられている。ヒト症例報告によれば、本物質の急性毒性は汚染食品の非意図的、又は意図的経口摂取や吸入ばく露による事故に起因し発生するとの報告がある (HSDB (Access on June 2015))。
ヒト事例では、本物質の摂食による全6例の中毒が報告されている。これらはいずれも有機リン系の毒性症状であり、摂食から1時間後に、悪心、嘔吐、腹痛、2時間後に、コリンエステラーゼ阻害による毒性症状 (発汗、排尿、縮瞳、気管支漏、過剰流涎)、3時間後に1名死亡したが、他の患者は治療により回復した。その他の事例では、視力障害も見られたが、治療により回復した (以上、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。
実験動物では、ニワトリの100 mg/kg経口投与で、全例に著しい急性毒性が現れ1-8日以内に死亡し、遅発性神経毒性は認められなかったが、50-500 mg/kg経皮適用 (区分1相当の用量) では遅発性神経毒性がみられ、協調運動失調、麻痺、死亡の報告がある (以上、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。
以上より、本物質は神経系への影響があり、区分1 (神経系) とした。

平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトに関する情報はない。
実験動物では、ラットを用いた13週間及び2年間反復経口投与毒性試験で0.25-1.2 mg/kg/day、イヌを用いた1年間反復経口投与毒性試験において0.775 mg/kg/dayで血漿中及び赤血球中コリンエステラーゼ活性の抑制がみられたが脳中コリンエステラーゼ感性の抑制はみられていない。ラットを用いた21日間反復経皮投与毒性試験において血漿中及び赤血球中コリンエステラーゼ活性の抑制が2 mg/kg/day (90日換算:0.47 mg/kg/day) 未満、脳中コリンエステラーゼ活性の抑制が20 mg/kg/day (90日換算:4.7 mg/kg/day) 、コリン作動性影響 (筋の線維束性攣縮、振戦) が20 mg/kg/day (90日換算:4.7 mg/kg/day) でみられた (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006))。以上のように、赤血球中及び脳中コリンエステラーゼ活性の抑制、コリン作動性影響が区分1の範囲でみられた。
したがって、区分1 (神経系) とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(ヨコエビ)LC50 = 0.074 μg/L(US EPA: RED, 2000)であることから、区分1とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)のMATC (Life-Cycle Study) = 50.5 ng/L(US EPA: RED, 2000)から、区分1とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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