大気中の化学物質の濃度推計に関する北海道立総合研究機構との連携協定を締結

ＮＩＴＥは、地方独立行政法人 北海道立総合研究機構との間で、平成29年1月19日（木）に、連携協定を締結しました。
 
化学物質は、私たちの生活を便利で快適にしている一方で、使い方を間違えると人の健康や環境に有害な影響を及ぼすことがあります。そうした人や環境への悪影響を未然に防止するためには、大気など環境中における化学物質の濃度を管理することが重要となっています。
 
NITEは、化学物質排出把握管理促進法により全国３万を超える工場等から届出された約３００物質の過去１０年以上の大気への排出量データに基づき、それぞれの化学物質について全国1km四方単位での大気中濃度をシミュレーションし、結果を地図（PRTRマップ^※）で公表しています。
 
一方、地方独立行政法人北海道立総合研究機構は、道内の住宅地や道路近傍などで約５０種の化学物質を長年にわたり継続して測定しており、その実測データは北海道の自治体や事業者における化学物質の安全管理に活用されています。
 
平成29年1月19日に、NITEと北海道立総合研究機構は、大気中の化学物質の濃度推計に関し連携協定を締結しました。この協定に基づき、今後、NITEが保有するシミュレーション結果と、北海道立総合研究機構が保有する実測データを適切に組み合わせることによって、多様な化学物質について大気中の化学物質濃度をより効率的で信頼性高く推計する技術を共同で開発します。開発される濃度推計技術は、北海道の自治体や事業者による化学物質の安全管理に活用されるだけでなく、将来的には同様の手法が広く全国において普及し、化学物質の安全管理に貢献することが期待されます。
 

※PRTRマップ　　http://www.prtrmap.nite.go.jp/prtr/top.do

化学物質排出把握管理促進法に基づき届出された化学物質の事業所ごとの環境排出量を元に、日本全国の年間平均の大気中濃度を推計し、色分けして表示しています。

調印式の様子
写真左から、丹保北海道立総合研究機構理事長、辰巳NITE理事長