化学工学会第88年会におけるSIS部会技術賞の受賞のお知らせ

　令和5年３月15日から17日に、公益社団法人化学工学会（SCEJ）主催で「化学工学会第88年会」が開催されました。
　当年会において、国立大学法人静岡大学とNITEが共同発表した以下の講演が、「SIS（システム・情報・シミュレーション）部会 技術賞」を受賞しました。
 
　講演題目：「分子化学記述子と立体構造を使った生分解性意思決定支援システムの開発」
　受賞者：
　　静岡大学                                         武田 和宏 氏
　　NITE化学物質管理センター     専門官　櫻谷 祐企
　　　　　　　　　　　 同　        主任　　竹内 健祐
　　静岡大学                                         金原 和秀 氏

 

　本賞は､システム・情報・シミュレーション分野の今後の発展に大きく寄与すると期待される講演に対して贈呈されるものです。

　本講演で紹介した「分子化学記述子と立体構造を使った生分解性意思決定支援システム」（AI-QSAR）は、経済産業省の委託事業により、NITEと共同研究し静岡大学が開発したツールです。化学物質の構造的特性をAIが解析し、環境中で微生物によって二酸化炭素や水にどれくらい分解されるのか予測することができます。AI-QSARを活用してスクリーニング的に生分解性を迅速かつ容易に評価することで環境負荷の小さい材料開発を支援すると期待されます。 

　AI-QSARは国が保有するデータを追加し更新でき、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律（化審法）における生分解性評価に適用することを想定して、NITEにおいて今後のシステム実用化に向けた検討・準備を進める予定です。