製品安全

Vol.50  6月 6日号「気づかないうちにスイッチが入った電気こんろの事故」

 ■■■◆        
 ■    ◆========= 製品安全情報マガジン(PSマガジン)========== 
 ■■■◆           PSマガジンは製品安全についての情報を
 ■   ■■■       お届けします。    (隔週水曜日発行)
 ■    ■               <等幅フォントでご覧ください>
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         ■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
      ■■■        生活・福祉技術センター 製品安全企画課
                       http://www.jiko.nite.go.jp/

====================2007.6.6 Vol. 50=====================

 今号から、PSマガジンの配信曜日を隔週水曜日に変更させていただきまし
た。NITEのホームページで毎週月曜日に1週間の事故受付状況をお知らせ
しているため、PSマガジンもその期間を基準として発行することとしたもの
です。引き続きご覧いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 今号は、気づかないうちにスイッチが入った電気こんろの事故をご紹介して
います。事故100選は扇風機の羽根が破損して破片が飛び散った事故です。

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                 目次 
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1.製品事故収集情報 
  ・気づかないうちにスイッチが入った電気こんろの事故
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(5月24日~5月30日受付85件)
2.社告・リコール情報(11件)
3.関係機関の製品安全情報
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   経済産業省
4.事故100選
   第19回「扇風機の羽根が破損して破片が飛び散った事故」
5.編集後記
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            1.製品事故収集情報
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  ◆◆◇ 気づかないうちにスイッチが入った電気こんろの事故 ◇◆◆

◇ワンルームマンションなどに据え付けられている電気こんろに関連した火災
 事故が多発し、NITEでは「事故情報特記ニュース(No.63)」を出して
 注意喚起を行っています。しかし、その後も同様のケースの事故が起きてい
 ます。事故事例をご紹介いたします。
 
  (事例1)
   電気こんろが設置されている小型キッチンユニット周辺の壁が焼損し、
   天井に延焼、ブレーカーが焼損して溶解し、落下しました。
  ----------------------------------------------------------------
  →外出する際に、電気こんろのスイッチのつまみに身体が当たってヒー
   ターのスイッチが入ったことに気付かなかったため、ヒーターが加熱
   して、ヒーターの上にあった可燃物に着火して周囲に延焼し、出火に
   至ったものと推定されます。

  (事例2)
   集合住宅の一室で、電気こんろの上に置いてあったカセットこんろが
   爆発して室内に延焼し、窓ガラスが割れて、対面の住宅の屋根とテラ
   スも破損しました。
  ----------------------------------------------------------------
  →外出時に電気こんろのスイッチに触れ、通電状態になったのに気づか
   ずに外出したため、ヒーターの上に置かれていたカセットこんろが加
   熱されてボンベが爆発し、火災に至ったものと推定されます。

◇事故が起きている電気こんろは、ワンルームマンションなどの小型キッチン
 に据え付けられ、スイッチのつまみが飛び出しているタイプのものです。事
 故の多くは、普段、使用していない電気こんろの上に新聞紙などの可燃物や
 カセットこんろを置いていて、気づかないうちに身体やバッグがつまみに触
 れるなどして電気こんろのスイッチが入り、火災に至ったと推定されます。
 これは、このタイプの電気こんろが設置されているワンルームマンションな
 どのキッチンがせまく、十分な通路スペースがないことも要因の1つと考え
 られます。

◇事故の対策として、平成2年に電気用品安全法技術基準が改正され、電気こ
 んろのスイッチは容易に入らない構造とするように改められています。また、
 基準改正以前の製品については、業界団体が注意喚起のパンフレット作成や
 告知、つまみの無償改修を行っています。対象製品、連絡先など詳細につい
 ては、以下のアドレスをご覧ください。

  事故情報特記ニュース No.63
    http://www.jiko.nite.go.jp/news/news63.html
  経済産業省「電気こんろ及び洗濯機(脱水槽)に係る新聞広告について」
    http://www.meti.go.jp/press/20061128004/20061128004.html


     ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (5月24日~5月30日受付85件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。 
                  
     製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
    ==========================================================
    1.ガスこんろ     (火災等   13件)[-](*)
    2.ガスふろがま    (焼損等    4件)[-](*)
     .電気洗濯機     (焼損等    4件)[-](*)
    4.電気毛布      (焼損等    3件)[-](*)
     .ふろがま      (火災等    3件)[-](*)
     .直流電源装置    (火災等    3件)[-](*)
     .電気こんろ     (火災等    3件)[-](*)   

      (*) 今回は1週間分の集計(通常2週間分)のため、
        前号比は掲載しておりません。

 今回、5製品に入っている直流電源装置は社告がなされているシェーバー用
充電器の事故で、報告があったものです。

 <最新の製品事故情報の公表>

 最近1週間に受付をした事故情報について毎週月曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。同ページにあるオレンジ色の「最新事故情報」ア
イコンからご覧ください。 → http://www.nite.go.jp/index.html

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            2.社告・リコール情報
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◇株式会社ニューバランスジャパン「サンダル」(自主回収)(H19/06/01)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070601.html

◇三菱電機株式会社/日本建鉄株式会社「電気衣類乾燥機」(無料部品交換)
(H19/05/31)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070531d.html

◇株式会社スキャンデックス(ストッケ社製品 輸入販売・総代理店)
 「ベビーカー」(無償部品交換)(H19/05/25)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070525.html

◇株式会社アシックス「バスケットボールシューズ」(該当製品を自主回収)
(H19/05/24)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070524.html

◇株式会社アベラコーポレーション「ホーローケトル」
(回収・代替商品と交換)(H19/05/23)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070523c.html

◇株式会社淀川製鋼所「物置」
 (対象商品の仮ロック機能排除作業を無料で実施)(H19/05/22)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070522.html

◇コクヨS&T株式会社 「デスクマット(再社告)」(製品回収、交換)
 (H19/05/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070521.html

◇ヤマハ発動機株式会社「電動ハイブリッド自転車」(無償部品交換)
 (H19/05/16)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070516c.html

◇株式会社共立(製造元・販売元)/
 ヤンマー農機 株式会社(販売元)「刈払機」(無償修理(交換))
 (H19/05/16)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070516b.html

◇株式会社ドリテック「IH電磁調理器」(無償点検・修理)(H19/05/16)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070516a.html

◇株式会社タマス「卓球用粘着剤」(製品回収及び返金)(H19/05/09)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070509b.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告】 http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/index5.html

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            3.関係機関の製品安全情報
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  ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆  

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

 6/ 6 http://www.meti.go.jp/press/20070606001/20070606001.html
 6/ 4 http://www.meti.go.jp/press/20070604007/20070604007.html
 5/31 http://www.meti.go.jp/press/20070531005/20070531005.html
 5/30 http://www.meti.go.jp/press/20070530005/20070530005.html
 5/29 http://www.meti.go.jp/press/20070529006/20070529006.html
 5/28 http://www.meti.go.jp/press/20070528007/20070528007.html

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             4.事故100選
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    第19回「扇風機の羽根が破損して破片が飛び散った事故」

◇2004年、使用中の扇風機の羽根が音とともに破損し、欠けた破片がガー
 ドの外に飛び出して、そばにいたペットにあたったという事故が起こりまし
 た。使用者によると、扇風機は購入後約1ヶ月の使用で、同じ型の製品をも
 う1台持っていたので確認すると、その羽根も亀裂が入っているとのことで
 した。

◇扇風機の羽根は3枚羽でAS樹脂製でした。破損しなかった製品の羽根を確
 認すると3枚の羽根全てに亀裂が認められ、ほぼ同じ位置でボス部(羽根の
 連結部分)に発生していました。成形不良で残留ひずみが大きくて亀裂が入
 った場合は、亀裂に隙間が生じますが、観察すると亀裂は閉じており、羽根
 のひずみが小さいことを示していました。このことから、亀裂は何らかの衝
 撃によって発生したのではないかと考えられました。

◇輸入事業者によると、扇風機の羽根を20枚重ねて入れた箱を、成形メーカ
 ーから組立メーカーへ運搬する際、落下させてたことが判明したとのこと。
 このことから、落下の衝撃でボス部と羽根に亀裂が入っていたにもかかわら
 ずそのまま組み立てられたために、使用中に破損したものと推定されました。

◇輸入事業者は顧客にハガキで通知し、羽根の交換を行いました。また、今後
 の製品については羽根を補強し、検査と輸送時の管理体制の見直しを行って
 います。

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              5.編集後記
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 経済産業省では、毎月第二火曜日に製品安全点検日セミナーを開催されてい
ます。第4回にあたる6月のセミナーは、6月4日にニュースリリースが出さ
れ、今号でご紹介する予定でしたが、既に定員に達してしまいました。毎回、
すぐに定員が埋まってしまうようです。ご参考にニュースリリースをご紹介い
たします。参加をご希望の方は、同省のニュースリリースをチェックしてくだ
さい。月初め頃に出されているようです。 

  経済産業省「第4回製品安全点検日セミナー開催のお知らせ」
   http://www.meti.go.jp/product_safety/index.html
  報道発表のページ
   http://www.meti.go.jp/press/

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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/index3.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図