製品安全

Vol.53  7月18日号「スプレー缶(エアゾール製品)の事故」

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===================2007.7.18 Vol. 53=====================

 この季節、殺虫剤などスプレー缶を使用することもあるかと思います。今回
は、スプレー缶(エアゾール製品)の事故をご紹介しています。
 事故100選は、電池式の玩具が発熱して液漏れし、顔にかかって負傷した
事故です。 

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                 目次 
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1.製品事故収集情報 
  ・スプレー缶(エアゾール製品)の事故
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(6月28日~7月11日受付188件)
2.社告・リコール情報(9件)
3.関係機関の製品安全情報
  ・中古品の安全・安心確保に向けた取組に関する
    全国意見交換会の開催について           経済産業省
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   経済産業省
4.事故100選
   第22回「電池式の玩具から液漏れして負傷した事故」
5.編集後記
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            1.製品事故収集情報
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      ◆◆◇ スプレー缶(エアゾール製品)の事故  ◇◆◆

◇今回、スプレー缶によると思われる事故情報が8件ありました。事故原因は
 現在調査中ですが、スプレー缶に使用されているLPG等の可燃性ガス等に
 何らかの火が引火して炎が上がった事故や破裂した事故などです。今回は、
 スプレー缶(エアゾール製品)の事故について、事例をご紹介します。
 
  (事例1)ガスこんろと電子オーブンレンジを使用中、民家が全焼し、
   家人2名が火傷を負いました。
  ----------------------------------------------------------------
  →電子オーブンレンジの側方に新品の殺虫剤のスプレー缶を置き、高温
   ・長時間のオーブン調理をしたため、スプレー缶が加熱されて破裂し、
   ガスこんろの火が引火したものと推定されます。

  (事例2)ガスこんろを使用中、近くでスプレー式の殺虫剤を噴射した
   ところ、そばに置いていた冷蔵庫が焼損しました。
  ----------------------------------------------------------------
  →ガスこんろに火をつけた直後、なべの近くにゴキブリを発見し殺虫剤
   を噴射したため、殺虫剤の可燃性ガスにガスこんろの火が引火し、火
   災に至ったものと推定されます。

  (事例3)自宅の庭に停めていた乗用車の中でたばこに火をつけたとこ
   ろ、乗用車が爆発して出火し、自宅の木造2階建て住宅に燃え移って
   約150平方メートルを全焼し、男性が顔や首に軽い火傷を負いまし
   た。
  ----------------------------------------------------------------
  →蚊を駆除するためにスプレー式殺虫剤を閉め切った車内でかなりの量
   噴射した後、たばこに火をつけたため、車内に充満した可燃性ガスに
   たばこの火が引火したものと推定されます。

◇事例1のように、スプレー缶は高温になると破裂するおそれがあります。
 このようなスプレー缶が破裂する事故は、NITEの事故情報では、冬場、
 石油ファンヒーターなど暖房機のそばに置いていて起きたものが比較的多
 くあります。事例2や3のように、火気のある場所でスプレー缶を噴射し
 たり、使用後に火を点けたりすると、噴射量や部屋の気密性などによって
 は、引火して火が上がったり、爆発したりするおそれがあります。スプレ
 ー缶など可燃性ガスを使用した製品は、取扱上の注意をよく読んでご使用
 ください。消臭剤等のスプレー缶を車のダッシュボードに置いていて、直
 射日光で高温になって破裂した事故もあります。特に夏場はご注意くださ
 い。

     ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (6月28日~7月11日受付188件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
                  
     製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
    ==========================================================
    1.ガスこんろ       (火災    16件)[-  8]
     .デスクマット      (皮膚炎   16件)[-210]
    3.バッテリー       (発熱等    8件)[+  8]
     .スプレー缶       (引火等    8件)[+  6]
    5.電気こんろ       (火災等    6件)[±  0]

 前回に引き続き、デスクマットによる皮膚障害の事故報告が16件ありまし
た(社告対象製品)。スプレー缶の8件には、同一製造事業者からの報告5件
を含みます。殺虫剤を台所で使用し、そばのガスこんろの火が引火して、炎が
上がったものです。バッテリーは、PHS端末用の電池パックが発熱、膨張し
た事故(社告対象製品)5件を含みます。

 <最新の製品事故情報の公表>

 最近1週間に受付をした事故情報について毎週月曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
  → http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

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            2.社告・リコール情報
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◇東芝ライテック株式会社(製造元)/日立ライティング株式会社(販売元)
 /三洋電機販売株式会社(販売元)/NECライティング株式会社(販売元)
 「電球形蛍光ランプ」(製品交換)(H19/07/11)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070711.html

◇三井物産株式会社/三井物産マーケティング株式会社
 「音波式スキンケアブラシ」(無償交換(代替品準備のため、製品交換は
 8月1日から開始予定)(H19/07/10)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070710.html

◇TOTO株式会社「電気式浴室換気乾燥暖房機」(無償点検)
(H19/07/09)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070709d.html

◇TOTO株式会社「温水洗浄便座一体形便器(再社告)」
(無償点検・修理)(H19/07/09)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070709c.html

◇TOTO株式会社「石油給湯器(再社告)」(無償点検、部品交換)
 (H19/07/09)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070709b.html

◇富士工業株式会社/サンウエーブ工業株式会社/
 東芝コンシューママーケティング株式会社/株式会社日立ハウステック/
 松下電工株式会社/松下電器産業株式会社/三菱電機株式会社/
 タカラスタンダード株式会社/日立アプライアンス株式会社/
 クリナップ株式会社/株式会社ミカド/三協立山アルミ株式会社
 「小形キッチンユニット用電気こんろ」(無償改修)(H19/07/04)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070704.html

◇昭和鉄工株式会社「浴室用電気温水循環浄化器」(無償点検、修理)
 (H19/06/30)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070630.html

◇株式会社東芝デジタルメディアネットワーク社テレビ事業部
 「カラーテレビ」(無償点検・修理)(H19/06/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070621a.html

◇世界長株式會社(発売元)「子供サンダル」(自主回収・返金)(H19/06/20)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070620.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告】 http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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            3.関係機関の製品安全情報
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   ◆◆◇ 中古品の安全・安心確保に向けた取組に関する ◇◆◆
           全国意見交換会の開催について

 経済産業省では、先月28日に産業構造審議会製品安全小委員会において、
中間とりまとめ(案)がとりまとめられたところ、このうち、中古品の安全・
安心確保に向けた取組に関し、全国の中古品販売事業者から広く意見を聴くた
め、7月11日より8月にかけて全都道府県にて意見交換会の開催を予定して
います。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070710006/20070710006.html

  ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆  

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

 7/18 http://www.meti.go.jp/press/20070718002/20070718002.html
 7/13 http://www.meti.go.jp/press/20070713003/20070713003.html
 7/10 http://www.meti.go.jp/press/20070710005/20070710005.html
 7/ 5 http://www.meti.go.jp/press/20070705002/20070705002.html

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             4.事故100選
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     第22回「電池式の玩具から液漏れして負傷した事故」

◇平成13年、電池式の玩具で負傷する事故が発生しました。事故の概要は以
 下のとおりです。母親が、電池を交換して本体についている音楽ボタンを押
 すと電池部分が熱くなって音がしたため、顔を近づけて見たところ、何か液
 体が顔と目にかかり、炎症を負いました。

◇事故が起きた製品は3歳以上を対象とした象の形をした玩具。電池(単3電
 池2本)を装填して使用し、側面にあるボタンを押すと音楽が鳴ったり、お
 話をしたり、象の鼻先と胸のランプが光ったりするもので、使用期間は約1
 ヶ月半でした。

◇事故品を確認すると、使用していた電池はアルカリ乾電池で、外装フィルム
 は2本とも熱収縮して1本に液漏れがあり、電池ボックスは熱変形していま
 した。また、内部に取り付けられていたスピーカーが外れていました。スピ
 ーカーは取付枠にはめ込み2箇所の樹脂部を溶融して固定してありましたが、
 同等品と比較すると、事故品は1箇所の溶融が少ない状態でした。

◇同等品を用いてスピーカーの取付強度を落下試験で調べたところ、スピーカ
 ーを取り付けた側を上にした状態で落下した場合、特に外れやすいことが判
 り、50cmの高さから落とすと、2回目の落下でスピーカーが外れました。
 次に、スピーカーの金属磁石部が電池ボックスの(+)と(-)端子と両方に接
 触し短絡した状態で、電池ボックスのふたの温度上昇を測定しました。する
 と約15分後に最高温度96℃まで上昇し、乾電池の液漏れはしませんでし
 たが、乾電池と電池ボックスは事故品と同じ状態になりました。

◇以上のことから、事故品は、スピーカーの取付部の1箇所の溶融が少なく、
 しっかり取り付けられていなかったため、運送中や使用中の落下等の衝撃に
 より外れたと考えられます。そして、外れたスピーカーが内部で転がってい
 る間に、金属磁石部が電池ボックスの(+)と(-)端子と両方に磁力で接触し、
 アルカリ乾電池が短絡して発熱、液漏れをして事故に至ったと推定されます。

◇製造事業者は、次期生産分より、スピーカーの取付部の溶融を2か所から3
 か所に変更し、さらに2か所のビス止めを加え、より確実に取り付けるよう
 に改良しました。

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              5.編集後記
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 スプレー缶の事故は、廃棄しようと穴を開けていて、残っていた可燃性ガス
に近くのストーブの火などが引火する事故もあります。使い切ってから屋外の
火の気のないところで廃棄処理をするなど、ご注意ください。

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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

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