Vol.104  9月 2日号「電気掃除機による事故」
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====================2009.9. 2 Vol.104====================
学校では新学期が始まりました、夏休みにたまったほこりを一掃して、新し
い学期を迎えたいものです。そんな時に重宝する「電気掃除機」による事故事
例をご紹介しています。
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目次
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1.製品事故収集情報
・電気掃除機による事故
・消費生活用製品の事故情報収集状況(8月12日~8月25日受付83件)
2.社告・リコール情報(8件)
3.関係機関の製品安全情報
・第31回製品安全点検日セミナー(@島根県松江) 経済産業省
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 経済産業省
4.本の紹介
・安全学入門 ―安全の確立から安心へ―
5.編集後記
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1.製品事故収集情報
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◆◆◇ 電気掃除機による事故 ◇◆◆
◇今回は、ご注意いただきたい電気掃除機による事故事例をご紹介します。
(事例1)電気掃除機を使用中、焦げ臭いにおいがしました。
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→ 掃除機のカーボンブラシとブラシホルダー及び整流子面の間に異物
が侵入し、ブラシの整流子面への接触面が減少して異常火花が発生、
その結果、カーボンブラシの温度が異常に上昇し、含有されている油
脂が溶融してにおいの発生に至ったもので、異物の侵入については、
紙パックフィルターの装着不完全等使用状況に原因があるものと推定
されます。
(事例2)コンセントから掃除機のコードを抜く際、ねじれたコードを
伸ばそうと引っ張ったところ、プラグとコードの根元部分で火
花が出て、右手人差し指に軽い火傷を負いました。
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→ プラグのプロテクターから電源コードが露出する辺りで電源コード
が半断線しており、使用中のねじれの機械的ストレスにより電源コー
ドの素線が断線・ショートしたため、電源コードから火花が出て、軽
い火傷を負ったものと推定されます。なお、取扱説明書には「電源コ
ードを無理に引っぱったり、掃除機本体などでひいたり、ドアにはさ
んだり、鋭利なものに引っ掛けたりしないい。」旨記載されていまし
た。
◇事例1のように、紙パックを正しく装着しないと、掃除機のモーター部分
に異物が侵入し花火が発生することがありますので、掃除機等の説明書に
従って、正しく紙パックを装着してください。事例2のように、ねじれた
コードを無理に引っ張ると、コードが断線しショートする恐れがあります
ので、電源コードを無理に引っ張ったりしないようにしてください。
◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
(8月12日~8月25日受付83件)
NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
製品名 (事故状況と件数)
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1.デスクマット (皮膚炎 9件)
2.エアコン(室外機も含む) (火災等 5件)
ガスこんろ(都市ガス用) (火災等 5件)
照明器具(ハロゲンランプ) (発火等 5件)
5.電気洗濯乾燥機 (発煙等 3件)
デスクマット9件は、マットとの接触部分に皮膚炎を発症した事故で、事業
者からまとめて報告があったものです。電気洗濯乾燥機3件中1件は、アロマ
オイルが付着したタオルを洗濯・乾燥させていた際にタオルが発煙・発火した
事故です。
最近1週間に受付をした事故情報について毎週金曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
→ http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html
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2.社告・リコール情報
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◇三菱重工業株式会社「ルームエアコン」(HP)(注意喚起(使用の中止))
(H21/08/21) 2008年6月に運転コンデンサの経年劣化による室外機の焼損事
故が発生した。当該期間に製造した圧縮機用運転コンデンサに安全弁の付い
ていないルームエアコン室外機には発煙・発火のおそれがある。
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009082101.html
◇ソニー株式会社 / ソニーマーケティング株式会社 / ソニーカスタマーサー
ビス株式会社「デジタルスチルカメラ」(新聞)(部品無償交換(該当レンズ
周辺部品を含んだ外装部品)) (H21/08/20)レンズ周辺部品のメッキが小片
となってはがれ、手を傷つける可能性があることが判明。
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009082001.html
◇東芝ホームアプライアンス株式会社 「ドラム式洗濯乾燥機」(新聞)(無料点
検・修理)(H21/08/19)洗剤ケースから本体内に垂れ落ちた液体洗剤がリード
線部に付着し、リード線被覆の絶縁を劣化させることで発煙・発火したと考
えられる火災事故1件が発生した。
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009081901.html
◇株式会社 東芝 「ブラウン管テレビ」(新聞) (無償で点検・修理)
(H21/08/11) 製造後、約20年経過した一部のブラウン管カラーテレビにお
いて、高電圧部品の経年劣化と、長期間の使用におけるホコリなどのたい積
状況によっては、発煙ないし発火に至る可能性があるため、無料点検・修理
を継続実施中である製品に関する再社告。
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009081101.html
◇京セラ株式会社 「携帯電話用電池パック」(HP)(無償で点検・修理)
(H21/08/10)電池パックにキズやヘコミがつく程度の力が加わると、その際
損傷したセパレータ(絶縁シート)が、その後の充電・放電の繰返しで機能
低下し、ショートが発生することで、電池パックが発熱、膨張する可能性が
あることが確認された。
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009081001.html
◇クツワ株式会社 「防犯アラーム」(HP)(無償回収(返金))(H21/07/30)
ボタン電池を交換するために製品本体からボタン電池を取り出した際に電池
が破裂する事故が12件発生。
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009073001.html
◇LGエレクトロニクス・ジャパン株式会社 「ドラム式洗濯乾燥機」(新聞)
(無償交換)(H21/07/22) 使用している配線接続端子の不具合により、発煙・
発火の恐れがあることが判明。
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009072203.html
◇エレコム株式会社 「iPod用2.1ch木のスピーカー」(HP)
(正規品との無償交換)(H21/07/22) 当該商品の一部に正規仕様と異なるA
Cアダプタが同梱されていた。
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009061702.html
■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■
【過去1年間の社告・リコール情報】
http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
【社告・リコール情報の検索】
http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php
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3.関係機関の製品安全情報
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◆◆◇ 第31回製品安全点検日セミナー(@島根県松江) ◇◆◆
経済産業省は第31回製品安全点検日セミナーを9月8日(火)、松江テルサに
て開催します。最近の事故例やトピックスの紹介のほか、実際に起きた事故例
を再現実験映像を用いて紹介します。また、料理研究家の奥薗壽子さんから「
毎日の生活から身を守るために」をテーマにお話をいただく予定です。さらに
有識者の方々と共に「日常生活の中でいかにして製品安全文化を醸成するのか」
というテーマでパネルディスカッションを行います。セミナ-第2部では事業
者の皆さま向けに長期使用製品安全点検(表示)制度、リチウムイオン蓄電池、
ガスコンロ、石油ふろがま等石油燃焼器具の安全基準について、事業者向け説
明会を開催します。この機会に松江をはじめ、近隣にお住まいの皆さまのご参
加をお待ちしています。
【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20090825009/20090825009.html
◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告
のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
8/28 http://www.meti.go.jp/press/20090828004/20090828004.html
8/25 http://www.meti.go.jp/press/20090825010/20090825010.html
8/21 http://www.meti.go.jp/press/20090821004/20090821004.html
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4.本の紹介
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7月に行いましたPSマガジンアンケートにご協力ありがとうございます。
そのご意見の中に、「本を紹介してほしい」とありましたので、身の回りの
安全に役立つと思われる本をご紹介いたします。
◆◆◇ 安全学入門 ―安全の確立から安心へ― ◇◆◆
著者:向殿政男・北野大・菊池雅史・小松原明哲・山本俊哉・松原健司
(執筆順)
出版:研成社
<著者推薦文より>
かつては、安全といえば労働安全や交通安全が中心でしたが、近年はエレベ
ーター・回転ドア・遊具・食品・建築物・家電製品・犯罪、そして災害等、列
挙すればきりがないほど多種多様です。
これら種々の事故・事件を科学・社会学等多くの分野を結集して、減らすこ
とが求められています。とくに少子・高齢化社会を迎えているいま、これまで
以上に安全・安心に関心が高まっています。また、昨今、この安全・安心を脅
かす事件・事故が身近でも多発しています。
本書は、機械製品、化学物質、食品等の種々の安全問題に対し、それぞれの
専門家が時には事例を挙げながら、解決のヒントを与えます。
〈主な目次〉
I部 安全学の基礎(1章 安全学とは/2章 リスクアセスメント/3章
リスクコミュニケーション)II部 くらしのなかのリスク(4章 生活の
なかの不安/5章 製品安全と誤使用の防止/6章 社会の安全・安心)
III部 事例にまなぶ安全・安心(7章 機械システム/8章 災害と建築
/ 9章 生態系の安全/10章 食品の安全/化学物質の安全
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5.編集後記
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8月19日より、講座「製品安全対策の基礎知識」関西会場の講義がスター
トしました。第1回は事故情報収集制度の講義と、これから14回にわたる講
義の概要説明におこない、第2回は、最近の注目事故について講義を行いまし
た。受講者の皆様に満足して頂ける講義を行っていきたいと思います。
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◇事故情報の検索
NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html
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【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
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TEL:06-6612-2066
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