製品安全

Vol.325  1月29日号 「リチウムイオンバッテリー搭載製品の事故」

現在、様々な製品に搭載されており、便利な世の中を支えているリチウムイオンバッテリーですが、モバイルバッテリーを筆頭に、リチウムイオンバッテリーを搭載した様々な製品で事故が発生しています。今回はリチウムイオンバッテリーを搭載した製品の事故についてです。正しい使い方を把握し、事故を未然に防ぎましょう。

  ※今月は第3・5火曜日発行です。

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項目一覧

  • 1. リチウムイオンバッテリー搭載製品の事故
  • 2. 製品事故収集情報(12月16日~12月29日 受付 129件)
  • 3. その他の製品安全情報
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.リチウムイオンバッテリー搭載製品の事故

【事例1】
スマートフォンをかばんに入れていたところ、バッテリーパックが発熱及び発煙し、かばんの中を焼損した。

→スマートフォンのバッテリーパックにへこみがあり、周囲の樹脂部品に傷があることから、外から力が加わったため、内部ショートが生じて異常発熱し、焼損したものと考えられる。なお、取扱説明書には「分解しない。無理な力や強い衝撃を与えない。発熱・発火の原因となる。」旨、記載されている。

【事例2】
充電後のルーター用バッテリーとその周辺が焼損した。

→充電後、バッテリーを取り出して放置していたことから、飼い犬がかみつき、電極間でショートが生じて焼損したものと考えられる。なお、ルーターの取扱説明書には、「ペットが電池パックにかみつかないよう注意する。」旨、記載されていた。

【事例3】
異音がしたため確認すると、モバイルバッテリーが発火し、周辺を焼損する火災が発生していた。

→モバイルバッテリーに搭載されていたセルに金属片の混入や電極板の不良などの不具合品が混入していたため、内部ショートが生じて異常発熱し、焼損したものと考えられる。なお、2016年11月から、リコールが行われていたが、使用者がリコール情報を把握していたかは不明である。

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【事例1の注意事項】
リチウムイオンバッテリーは外部からの衝撃が加わり、へこむなどすると内部ショートを起こし、発煙や発火につながります。リチウムイオンバッテリー搭載製品は小型のものも多く、ポケットに入れたまま座って体の下敷きにしたり、手をすべらせて落下させたりなどして、外部からの衝撃が加わると異常発熱などにつながるおそれがあります。リチウムイオンバッテリー搭載製品をかばんなどに入れて持ち運ぶ際にも衝撃が加わらないように注意してください。

【事例2の注意事項】
ペットは小さなものを口に入れ、かみついてしまうことがあります。スマートフォンやモバイルバッテリーなどのサイズが小さいリチウムイオンバッテリー搭載製品はペットが触れない場所に保管しましょう。

【事例3の注意事項】
お手持ちのリチウムイオンバッテリー搭載製品がリコール対象製品かを確認しましょう。製造事業者・販売事業者などが公表するリコール情報には、「対象製品の名称・型番」「販売時期」「対処方法(回収、修理、交換など)」「問合せ先」などが記載されています。製品には、それぞれ型番が記載されており、同じ製品であっても、販売時期(製造時期)や製造ロットによってリコール対象とならない場合がありますので、必ずご確認ください。型式の確認など難しい場合もありますので、まずはお持ちの製品の「事業者名」+「リコール」などでWeb検索をかけてご確認ください。

【その他注意事項】
○モバイルバッテリーが電気用品安全法の規制対象になりました

2018年2月1日から、それまで電気用品安全法の規制対象外とされていたモバイルバッテリーが、新たに規制対象として扱われることになりました。規制対象化にあたり、事業者における対応の準備期間として、1年間の経過措置期間が設けられておりましたが、2019年1月31日をもって終了となり、2019年2月1日以降、モバイルバッテリーは、リチウムイオン蓄電池の技術基準に適合し、PSEマークが表示されているものでなければ、販売できなくなります。2019年2月1日以降に販売されているモバイルバッテリーであって、PSEマークが表示されていないものは、技術基準等を満たしていないおそれがあるため、そのような製品の購入は絶対に止めてください。
  
○「リチウムイオンバッテリー搭載製品」については、平成31年1月24日にプレスリリースを行っております。

「https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2018fy/prs190124.html」

リチウムイオンバッテリーに関する資料も併せてご参照ください。
(注意喚起ミニポスター(動画等))

  • https://www.nite.go.jp/data/000089454.pdf
  • https://www.nite.go.jp/data/000086395.pdf
  • https://www.nite.go.jp/data/000086335.pdf
  • https://www.nite.go.jp/data/000004830.pdf
  • https://www.nite.go.jp/data/000096593.pdf

その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「スマートフォン」や「モバイルバッテリー」などのリチウムイオンバッテリーを搭載している製品名をキーワードに検索していただけます。

  • http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(12月16日~12月29日 受付129件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.直流電源装置  (拡大被害等 25件)
  • 2.オゾン発生器(洗濯機用)  (製品破損等 9件)
  • 2.ガスふろがま  (軽傷等      9件)
  • 2.ワイヤレスマウス  (製品破損等 9件)
  • 3.電気ストーブ  (死亡等      6件)
  •  
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.その他の製品安全情報

消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 1/16 10件 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190116_0001.pdf
  • 1/18 6件 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190118_0003.pdf
  • 1/22 10件 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190122_0001.pdf
  • 1/25 18件  https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190125_0001.pdf
  • 1/29 12件 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190129_0001.pdf

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編集後記

リチウムイオンバッテリーそのものを普段、意識することはなかなかないかと思われますが、今やリチウムイオンバッテリー搭載製品はとても普及しており、1人1台は当たり前と言っても過言ではないかもしれません。試しに私個人の家にあるリチウムイオンバッテリー搭載製品を数えて見ましたら、スマートフォンやタブレット、ワイヤレスイヤホン、ワイヤレススピーカー、ゲーム機のコントローラー、健康器具と見つかった限りで計11個ものリチウムイオンバッテリー搭載製品がありました。予想以上の個数があったことに驚くと共に、使っていない物もいくつかあったため、買い物は計画的にしなければと改めて反省いたしました。

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
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住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図