Vol.360 7月14日号 「エアコンの事故」
エアコンが欠かせない季節になりました。新型コロナウイルスの影響で清潔にしようと考え、機器内部の汚れなどを掃除をされる方も多いかもしれません。しかし、誤った方法で内部洗浄を行うと火災になるおそれがあります。今回はエアコンの内部洗浄による事故をご紹介します。
項目一覧
- 1.エアコンの事故
- 2.製品事故収集情報(6月14日~7月11日 受付 140件)
- 3.リコール情報(5件)
- 4.その他の製品安全情報
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
1.エアコンの事故
【事例1】
エアコンを使用中、製品内部から出火した。
→エアコンの内部配線端子部分に洗浄液が付着したため、端子部でトラッキング現象が発生し、異常発熱が生じて出火に至ったものと考えられる。
なお、取扱説明書には、「誤った洗浄液の選定、使用方法で内部洗浄を行うと、発煙、発火する恐れがある。」旨、記載されている。
【事例2】
リコール製品のエアコンを使用中、エアコンを焼損し、周辺を汚損する火災が発生した。
→エアコンのファンモーターのリード線接続部分に、エアコン洗浄液等の電気を通しやすい物質が付着・浸入し、さらにエアコン内部で発生した結露がリード線接続部分に回りこむことによって、トラッキング現象が生じ、発煙・出火に至ったものと考えられる。
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【エアコンの内部洗浄の注意事項①】
エアコンの内部洗浄は正しい知識を持った業者に依頼してください。十分な知識を持たずにエアコンの内部洗浄を行うと、破損や発火などに至るおそれがあります。内部洗浄については購入先の販売店、メーカーのサービス窓口などに相談してください。
【エアコンの内部洗浄の注意事項②】
エアコン内部の洗浄を行う際は、絶対に電気部品に洗浄液がかからないように注意してください。エアコンの内部洗浄の際は絶対に電源配線、電源基板などやファンモーターなどの電気部品に洗浄液がかからないよう注意する必要があります。誤った方法で内部の洗浄を行うと、洗浄液などが電源配線、電源基板などの電気部品に付着してトラッキング現象を起こし、発煙・発火するおそれがあります。 洗浄前には電気部品、ファンモーターなどを保護し、絶対に洗浄液がかからないようにしてください。ご不明な点がある場合は、製造事業者などの専門知識を有する事業者にご相談ください。
※内部洗浄には十分な知識が必要です。消費者が自ら内部洗浄を行うことは推奨しません。
【エアコンの内部洗浄の注意事項③】
発火・破損のおそれがあるため、消毒用アルコールなどの可燃性の溶液や次亜塩素酸ナトリウムなど腐食性のある溶液で内部の掃除をするのはやめてください。
【リコール製品の注意事項】
リコール製品による事故を防ぐため、お持ちの製品がリコール対象かどうかを確認してください。リコール製品をお持ちの場合は、不具合が生じていなくても使用を中止し、お買い求めの販売店や製造・輸入事業者に確認や相談をしてください。リコール事例は、「リコール情報の検索」で製品名等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/recall/search/
【長期使用製品安全表示制度】
エアコン、扇風機、電気洗濯機(乾燥装置を有するものを除く)、換気扇、ブラウン管テレビの5品目において、製品の長期間使用に伴う経年劣化による事故を防ぐため、「長期使用製品安全表示制度」が設けられています。2009年4月以降に製造または輸入された5品目においては、「製造年」、「設計上の標準使用期間」「設計上の標準使用期間を超えて使用すると、経年劣化による発火・けがなどの事故に至るおそれがある旨」の表示が義務付けられています。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/long_term.html
■NITEでは2020年6月25日にエアコンの事故をプレスリリースしています。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs200625.html
■その他エアコンに関する事故情報も併せてご参照ください。
(再現実験映像)
(1)エアコン「1.電源コードの継ぎ足し接続で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01220101.html
(2)エアコン「2.ねじり接続で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1251.html
(3)エアコン「3.途中接続で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/18062801.html
(4)エアコン「4.内部に洗浄液がかかりトラッキング現象で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1252.html
(5)エアコン「5.害虫が侵入し、内部ショート」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/170824.html
(6)エアコン「6.外火による室外機の燃焼」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/190627.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)エアコンの火災事故に注意
https://www.nite.go.jp/data/000004295.pdf
(2)エアコン内部洗浄の事故
https://www.nite.go.jp/data/000081051.pdf
(3)エアコンの途中接続部で発火
https://www.nite.go.jp/data/000091505.pdf
(4)小動物や害虫による事故
https://www.nite.go.jp/data/000086345.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「エアコン」をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(6月14日~7月11日 受付140件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名 ( 事故状況と件数 )
- 1.電動アシスト自転車 ( 重傷等 9件)
- 2.ノートパソコン ( 火災等 5件)
- 2.エアコン ( 火災等 5件)
- 2.自転車 ( 重傷等 5件)
- 2.モバイルバッテリー ( 軽傷等 5件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・ヤマハ株式会社 (法人番号 3080401005595)
「ACアダプター(電子ピアノ用)」2020/06/18(HP)
【詳細】 https://www.yamaha.co.jp/service/2020/20061801.html - ・株式会社ティクーン (法人番号 7120001144406)
「広告灯(エアー看板)・送風機(エアーアーチ)」2020/06/19(HP)
【詳細】 https://www.ad-sign.jp/Page/Contents/adsign_recall - ・株式会社ピーチ・ジョン (法人番号 8011001046445)
「下着(ブラジャー)」2020/06/19(HP)
【詳細】 https://www.peachjohn.co.jp/pj/information/200619.html - ・株式会社ラティーノ (法人番号 1011001040289)
「充電器」2020/06/22
【詳細】 https://www.nite.go.jp/data/000111223.pdf - ・本田技研工業株式会社 (法人番号 6010401027577)
北越工業株式会社 (法人番号 4110001016088)
「携帯発電機」2020/06/30(HP)
【詳細】 https://www.honda.co.jp/recall/power/other/200630_EU18i.html
http://www.airman.co.jp/media/files/important/HP1800SV-A1-2.pdf
4.その他の製品安全情報
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 6/26 15件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200626_01.pdf
- 6/30 9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200630_01.pdf
- 7/3 11件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200703_1.pdf
- 7/10 16件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200710_01.pdf
- 7/14 9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200714_1.pdf
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省
令和2年6月22日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和2年5月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は134件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は305,357件となっています。
https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou200624_1.pdf
編集後記
昔はエアコンをほとんど使いませんでした。夏は窓をお開け、扇風機をかけ、たまには汗をだらだらかきながら過ごしていました。でも、最近はエアコンを使用しています。都会に引越したからなのか、地球温暖化の影響なのかは分かりませんが、前よりも暑い日が多くなったように感じます。外に出たときに、温度差にびっくりすることもあります。皆様も熱中症などにならないようエアコンを上手く活用し、暑い日々を乗り切りましょう。
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- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
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