Vol.364 9月8日号 「キャンプ用品の事故」
近年はキャンプが人気を博しています。特に今年は新型コロナウイルスにより、自宅で過ごしながら楽しむ工夫として、屋内やベランダなどでキャンプ気分を味わう”おうちキャンプ”が注目されています。しかしキャンプに使用される製品の取り扱いを間違えると火災や重篤なけがを負うおそれがあります。今回はキャンプ用品の事故をご紹介します。
項目一覧
- 1.キャンプ用品の事故
- 2.製品事故収集情報(8月23日~8月29日 受付48件)
- 3.リコール情報(2件)
- 4.その他の製品安全情報
・PL対策セミナー2020(9月17日)のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
1.キャンプ用品の事故
【事例1】
ベランダでカートリッジガスこんろを使用中、ガスカートリッジ付近から発煙した。
→使用者がこんろの器具栓つまみを無理に回すなどの操作を行ったため、ガスカートリッジ接続部が破損した。破損した接続部にガスカートリッジを無理に取り付けようとしたことでガスが漏れ、滞留したガスにバーナーの炎が引火したものと考えられる。
【事例2】
カートリッジガスこんろを使用中、破裂し火災が発生した。
→使用者がカートリッジガスこんろをれんがで囲った状態で使用したため、囲まれた空間の温度が上昇し、カセットボンベが加熱されて内圧が上昇し、破裂に至ったものと考えられる。
【事例3】
物置小屋で携帯発電機を使用していたところ、一酸化炭素中毒で1名が死亡した。
→十分な換気を行えない屋内で携帯発電機を使用したため、排気ガスにより屋内の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素中毒に至ったものと考えられる。なお、本体及び取扱説明書には、「排気ガス中毒のおそれがあるため、屋内など換気の悪い場所で使用しない。」旨、記載されている。
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【事例1の注意事項】
ガス機器にガスカートリッジを装着する場合は、取り付け部分が歪んでいないか、汚れなどが付着していないかを確認してください。また、取扱説明書の指示に従って正しく装着してください。装着を誤った状態で使用すると、ガスが漏れて火災に至るおそれがあります。装着後に異音や異臭などが生じた場合は、ガスが漏れているおそれがありますので、直ちに使用を中止してください。
【事例2の注意事項】
こんろの周囲を囲うような使い方はしないでください。壁や鉄板からの放射熱でガスカートリッジが加熱され、プラスチック製バルブが溶けることによるガス漏れや内圧上昇によりガスカートリッジが破裂するおそれがあります。風よけなどを立てる場合は、こんろから15cm以上は離し、一方向のみに立てるようにしてください。
【事例3の注意事項】
携帯発電機は発電を行う際に一酸化炭素を含むガスを排出します。換気が不十分な場合、一酸化炭素中毒が生じるおそれがあります。一酸化炭素中毒は死亡事故や重篤な障害に至るため、風通しの悪い場所や室内で使用しないでください。
■その他キャンプ用品に関する事故情報も併せてご参照ください。
(8月プレスリリース)
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs200827.html
(再現実験映像)
(1)ガストーチ「1.取付不良で漏れたガスに引火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2020082701.html
(2)ガストーチ「2.傾け使用による異常燃焼」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2020082702.html
(3)着火剤「1.つぎ足しでやけど」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2020082704.html
(4)消毒液「1.使用後に火気に近づいて引火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2020082703.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)冷やして殺す殺虫剤で火傷
https://www.nite.go.jp/data/000004242.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「キャンプ」、「こんろ」等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(8月23日~8月29日 受付48件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名 ( 事故状況と件数 )
- 1.扇風機 (火災等 20件)
- 2.エアコン (火災等 6件)
- 3.照明器具 (火災等 2件)
- 4.その他(ガストーチ、ノートパソコン等)( 重傷等 各1件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・株式会社川嶋 (法人番号3080401001355)
「電動車いす(ハンドル型)」 2020/08/31(HP)
【詳細】 https://www.kawashima-group.co.jp/info/topics0831/ - ・株式会社BESV JAPAN (法人番号4011001116103)
「電動アシスト自転車用バッテリー」 2020/09/01(HP)
【詳細】 https://besv.jp/wp-content/themes/besv/assets/img/pc/detail/pdf/news-20200901.pdf
4.その他の製品安全情報
・【最新!PL対策セミナー2020 9月17日開催】のご案内 一般社団法人PL対策推進協議会
「品質保証・PL対策」を学びたい方に向けて、Webセミナーを開催します。
職場、自宅、出先の場所を選ばす、パソコン、スマホのどちらからでも学べます。
解説資料も事前に配信いたしますので、受講前にご一読ください。
合計150分の枠を使い、テーマを深堀してまいります。双方向での質問時間も取りますので、ぜひご準備ください。
●日時 令和2年9月17日(木) 13:30~16:10 休憩10分
受講方法 : Zoom配信が基本(会場参加希望者数名まで受け付けます)
●参加費 3,000円(税込み)
事前に指定の銀行口座にお振込みください。
お振り込みが確認された方に、当日使う資料を事前に配信いたします。
当日開始時刻の30分前に、Zoomミーティングに参加するURLをメールで配信いたします。
●講師 渡辺吉明氏
一般社団法人 PL研究学会
製品リコール研究部会長 製品リコール検討委員会副委員長
●「最新!PL対策2020」~広義の品質保証とPL対策~(事業者向け導入ガイド)の視聴をお勧めします。
動画とPDF資料が用意されています。 http://u0u0.net/4nLw
●配布資料 PDFデータにて事前にメール添付で配信いたします。
「超スマート社会での品質保証とPL対策」
~製品事故未然防止と再発防止~ 48ページ
「PL研究学会学会誌2020 新PL研究5号」からの抜き刷り16ページ
一般論文「製品リコールと自主回収のプロセスと重要事項」渡辺吉明氏
●内容 製品事故の未然防止と再発防止
一部 13:30~15:00(90分)
社会構造の変化、国の方向転換、製品安全のスマート化、リコールなどの
国の取り組みなど、さらにリコールプロセスにで「自主回収・リコール」
の整理とPDCA、重要事項の確認になります。
二部 15:10~16:10(60分)
リコール対応について事例紹介、所々で質問や意見をいただきます。
特に本体表示の高度化と取説の有効利用、取説や証明書のペーパーレス化
を進め配信を行うことの重要性なども入れる予定です。
お申し込みは以下のページから
http://u0u0.net/XDvi
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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 8/28 6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200828_01.pdf
- 9/1 12件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200901_01.pdf
- 9/4 4件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200904_01.pdf
- 9/8 12件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200908_01.pdf
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・ iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省
令和2年9月3日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和2年7月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は99件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は305,604件となっています。
https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou200907_1.pdf
編集後記
おうちでキャンプ気分を味わうといっても、楽しみ方は多様にあります。キャンプの定番バーベキューもそうですが、部屋の中にテントを立てて入ってみるだけで、少し特別な空間に変わります。空調の効いた快適な環境でテントに入り寝袋にくるまるというのは、ある意味とても贅沢な体験と言えるのではないでしょうか。
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https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html
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- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
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