製品安全

事故情報特記ニュースNo.73

2006.12.13

「デスクマット」による皮膚障害について(注意喚起)

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(nite)は、医療機関から「デスクマットを使用していたことでアレルギー性接触皮膚炎を発症した患者がいる。」との通知を受け、デスクマットに含まれる原因物質の究明を行いました。
その結果、デスクマットに使用された有機系抗菌剤が原因物質(2,3,5,6-テトラクロロ-4-〔メチルスルホニル〕ピリジン)であることを突き止め、アレルギー性接触皮膚炎は、この原因物質との断続的な接触により、発症したことが確認されました
また、同様の事例が、医療機関等から当機構に平成17年8月~平成18年7月の間に13件通知されていることを考慮し、製品による事故の再発防止の観点から注意喚起を行います。

  • 注:アレルギー性接触皮膚炎とは
    原因物質との接触により皮膚から吸収されると、人によっては、これを異物と認識し次に吸収された時に排除しようと備える状態が体内に成立する(感作が成立する)場合があります。この感作が成立すると、次に原因物質が吸収されると異物を排除しようという反応が過剰に働き皮膚に炎症を起こします。
    なお、この現象は、原因物質との接触時間、個人の体調、個人の皮膚組織の感受性等が関係するため、必ずしもすべての人に皮膚炎を発症するわけではありません。
注意喚起事項
当該製品を御使用の方は、再発防止の観点から、使用を中止するか当該事業者の社告をよくお読み頂き適切な対応をとって下さい。

1.事故の概要

被害者は、塩化ビニル樹脂製のデスクマットを使用して、両前腕に皮膚炎を発症した。(写真参照)
皮膚科を受診した被害者に対して、皮膚科の医師が治療の一環として事故品によるパッチテストを実施したところ陽性反応が認められ、医師は皮膚炎の原因はデスクマットによるアレルギー性接触皮膚炎と診断した。

事故同等品

被害の状況例

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2.調査結果の概要

当機構は、医療機関から事故品のデスクマットの提供を受け、医療機関の協力のもと、次のとおりアレルギー性接触皮膚炎の原因物質の特定を行いました。
アレルギー性接触皮膚炎の原因物質は事故品のデスクマット中に含まれる化学物質であると考えられることから、事故品から有機溶媒で化学物質を抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフ法により分離・精製後GC-MS等で分析し、抽出物質の中から原因物質である有機系抗菌剤(2,3,5,6-テトラクロロ-4-〔メチルスルホニル〕ピリジン)を特定することができました。

(参考)
対象製品品名 デスクマット軟質(非転写・抗菌仕様)
品番シール(例)

対象
製品右下に貼られている品番シールの裏面に数字1桁とアルファベット1文字が表示されていますが、その数字が、7,8,9,0で、かつ黒色のもの
品番
マ‐400NM、マ‐406NM、マ‐407NM、マ‐411NM、マ‐412NM、
マ‐413NM、マ‐415NM、マ‐416NM、マ‐417NM、マ‐427NM、
マ‐428NM、マ‐447NM、マ‐448NM、マ‐467NM、マ‐468NM、
マ‐500N、マ‐506N、マ‐507N、マ‐511N、マ‐512N、
マ‐513N、マ‐515N、マ‐516N、マ‐517N、マ‐527N、
マ‐528N、マ‐547N、マ‐548N、マ‐567N、マ‐568N、
マ‐MX517N、マ‐MX527N、マ‐MX547N、マ‐MX567N
  • ※2000年9月~現在までの生産分につきましては、同じ品番を使用しておりますが、対象品とは異なった抗菌剤を使用しておりますので問題ございません。
対象ロット
製品右下に貼られている品番シールの裏面に数字1桁とアルファベット1文字が
表示されており、その数字が7、8、9、0で、かつ黒色のもの
数字1桁
0、7、8、9
アルファベット1文字
A、E、G、H、I、M、N、O、R、S、T、Y
コクヨS&T株式会社:
コクヨお客様相談室(フリーダイヤル) 0120-201-594
ホームページアドレス
http://www.kokuyo.co.jp/info/20061011.html

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お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図